会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「不正に走る企業の意外な共通点」(ダイヤモンドオンラインより)

「不正に走る企業の意外な共通点」

「危ない企業の兆候は突然のIR担当や経理部長の辞任」だという対談記事。

「怪しい企業では、長く勤めた幹部や創業来の取締役がいなくなってたり、社員が大量に辞めていたり、その逆で大量採用があったり、あるいは事業部は突如として閉鎖になっていたりといった兆候がうかがえるんです。」

「藤野 突然、IR担当者が退職した場合は「売り」というのが我々運用の人間の間で鉄則です。95%程度の確率で、その企業の内部で悪いことが起きているはずだから。それも、ベリーバッド級のよくないことである可能性が高い。

山本 経理や営業、広報、IRなどは社外に対してもウソを突き通さなければならず、良心の呵責に耐えられなくなるわけですね。組織ぐるみでウソをつき続けることにまったく抵抗がない企業も一部には存在していますけど(笑)。普通の感覚の人間なら、ウソを塗り重ねるうちに次第に摩耗していって、何かのタイミングで弾けてしまうものです。

 先日も、僕がおかしいと思って調べていた某社にあれこれ問い合わせている中で「経理の担当者は?」という質問を投げかけたら、「辞めました」という返事が戻ってきました。こりゃ、完全にリーチってことですよ(笑)。」

「藤野 官公庁でも企業にしても、人事異動ひとつでわかることってありますね。一般の投資家も企業のちょっとした変化にも敏感になっておくこと。そして、どこか疑わしいと思ったら、決算の推移のみならず、人事面などの大きな動きにも気を配ってみると、何らかの異変に気がつくかもしれません。」

会計監査でも、責任者のまずやるべきことは、組織図を片手に会社全体や経理・財務のキーマンの異動状況を確かめることかもしれません。

SEC(証券取引等監視委員会)についてもふれています。

「山本 SECに関しては、少ない人数で広い守備範囲を任されているので大変だろうなあと感じます。がんばってはいますが、どうやら彼らにはストライクゾーンを見分ける選球眼がまだ養われていないようなのです。

だから、リーク情報などをもとに彼ら自身がしばらく内偵調査を行うものの、最終的には捜査ノウハウのようなものがなく、確信を抱けるところまではなかなかいかないですし、大口のものだとハレーションを怖れて取引停止にまでなかなかいかない。確たる証拠はあるのか、といわれると、SECでなくとも詰めはしんどいのです。

そうこうしている間に、企業側が事前に対策を打ってしまうので元も子もありません。個々にはセンスのある人材かもしれませんが、おそらくSECという組織になると安全策に回ってしまうのではないでしょうか。

藤野 う~ん、SECにもそれなりにキャリアを積んだ人間がいるはずなので、彼らはその案件がいけそうかどうかの目星はつくのだと思います。だけど、その上司があまりにも目まぐるしく交代しすぎているので、なかなか円滑にゴーサインが出ないというのも理由の一つではないでしょうか。

山本 本来なら、問題点はどこにあってどこをどう追求していくかと、シナリオを立てたうえで調査を進めていくべきものですよね。ところが、SECにはそういった発想が見えないように感じます。だから、何かある度に、毎回フレッシュな頭で(笑)取り組んで右往左往してしまう。

だいたい悪い連中が客集めを始めた時点でマークしておかず、だいぶ経って事件化してから動き出すのでは果実だけ盗られて逃げられるに決まっています。・・・」
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