米政府、欧州企業にもDEI廃止強要 仏は「内政干渉」と強く反発
米政府が大使館を通じて、一部のフランス企業に対して、DEI(多様性、公平性、包摂性)の推進をやめるよう求める文書を送っていたという記事。
「米政府が一部のフランス企業に対し、米連邦政府と契約する場合には、たとえ国外企業であっても米大統領令に従い、DEI(多様性、公平性、包摂性)の推進をやめるよう求める文書を送っていたことが明らかになった。仏政府は「内政干渉だ」と強く反発している。同様の文書は他の欧州各国の企業にも送られており、通商問題やウクライナ情勢を巡る対立が続く中、欧米関係に新たな摩擦が生じる恐れがある。」
「仏紙レゼコーなどによると、フランスやベルギーなどの米大使館から、フランス、イタリア、スペインの企業などに質問票が送られた。「DEIを推進する取り組みは一切行っていない」という項目にチェックを入れ、署名のうえ5日以内に返送するよう求めるものだった。応じない場合、各企業に詳しい説明を求め、その内容を法務当局に転送するとしている。」
トランプ政権、米政府と契約の仏企業に多様性プログラム禁止要求(ロイター)
「仏紙フィガロがウェブサイトで公開した書簡は「トランプ大統領が署名した、違法な差別をなくし実力に基づく機会を回復する大統領令14173号は、国籍や事業を展開する国を問わず、米政府の全てのサプライヤーとサービスプロバイダーに適用される」と指摘。
ロイターが閲覧した質問票に関して、5日以内に英語で記入・署名し返信するよう要請。署名に同意しない場合は詳細な理由を示すようにも求め、法務当局に転送するとしている。」
今はヨーローパの国がターゲットになっているようですが、「国籍や事業を展開する国を問わず」だと、アメリカにある日本企業の子会社だけでなく、日本企業自体にも、米政府と取引する限り、適用されるということになるのでしょう。
米大使館、フランス企業に多様性政策めぐり警告 「新たな治外法権」(Yahoo)(時事配信)
「駐フランス米国大使館が、多くのフランス企業に対し、多様性(ダイバーシティ)推進プログラムの実施に関する警告を発したことを受け、ローラン・サンマルタン対外貿易担当相は31日、「深い衝撃を受けた」と述べた。」
「サンマルタン氏は、仏民放RTLの取材に対し、「この件について米国大使館と協議する予定だ。この書簡の真意を理解する必要がある」と述べた。
また、エリック・ロンバール経済・財務相も事務所を通じて、「トランプ氏のDEIに対する見解は、われわれの立場と相容れない」とコメントした。
サンマルタン氏は31日、こうした書簡について「フランスや欧州の法律に沿った包括政策を放棄するよう企業に求めるものに等しい」と批判。特に「男女平等、差別や人種差別との闘い、障害者支援に関する多様性の促進などが問題視されている」と指摘した。
「こうした包括政策は、何よりもフランスの価値観に根ざした前進であり、われわれはこの価値に誇りを持っている。決して妥協するつもりはない」と強調。」
「包括」よりは、「包摂(インクルージョン)」という訳語の方が聞きなじみがあります。
もし、在日米大使館が日本企業にこういう質問票を送りつけてきたら、日本政府はきっぱりと拒絶できるのでしょうか。