会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

安愚楽牧場のからくり 資金不足、新規契約で穴埋め(日経より)

安愚楽牧場のからくり 資金不足、新規契約で穴埋め

9日に破産手続きを開始した安愚楽牧場の経営実態を取り上げた記事。

「8月に安愚楽牧場が申し立てた民事再生手続きで同牧場の財産評定を担当した監査法人の報告によると、同社は2011年3月期までの10年間に和牛オーナー契約の新規獲得や更新で累計6164億円を集めた。

 一方で同じ期間中に、満期解約(繁殖牛の買い戻し)に3902億円かけ、配当(子牛買い取り)に1505億円を支出し、契約で集めた資金の9割近くが流出していた。牛へのエサ代や契約農場への預託費用など育成費1924億円の負担を加えると、この期間の和牛オーナー事業の資金収支は大幅な赤字だった。」

「安愚楽牧場が抱えた約4300億円の負債のうち、オーナーに対する負債(買い戻し条件付き契約残高)は約4200億円にのぼる。

 時価の10倍前後、1頭400万円以上もの値段で安愚楽牧場がオーナーに販売した繁殖牛の価値は、同社の経営破綻で暴落。9月5日時点での財産評定では、牧場、建物なども含めて資産総額はわずか132億円だ。」

「消費者庁も11月末、繁殖牛としてオーナーに販売した10万頭前後の牛のうち3~4割は子牛など繁殖牛ではなかったとして、景品表示法違反(優良誤認)だと認定、違反事実の公表を同牧場に命じている。」

この記事によると、まったく成立しないようなビジネスモデルではなかったようですが、時価の10倍もの値段で、買い戻し条件付きの売却をしていたわけですから、会計的には収益にはならず、返済のあてのない借入をしていたということなのでしょう。
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