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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

レオパレスの債務超過解消、奇策頼み(日経より)

レオパレスの債務超過解消、奇策頼み
米ファンドから支援 重い金利負担、再建険しく
(記事冒頭のみ)

米投資ファンドによるレオパレス21の支援策を取り上げた記事。

「経営再建中のレオパレス21が米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループから支援を受けることが決まった。572億円の資金を得て債務超過の解消に向けた道筋をつけるが、スポンサー選びは難航した。」

珍しいスキームだったようです。

「フォートレスの支援枠組みは巧妙だ。特徴的なのが普通株よりも配当などを優先的に受け取れる優先株だ。通常はスポンサー向けに本体が発行することが多いが、レオパレスでは収入の安定している太陽光発電子会社が発行する。

これに本体の普通株発行など様々な手法を組み合わせた。本体の普通株発行(119億円)だけでは債務超過(118億円)をぎりぎり解消するのにとどまるが、子会社の優先株発行(150億円)が加わることで、連結ベースで資本増強の厚みが増す。

子会社の優先株発行は本体の定款変更が不要で、株主総会に諮らずに済む。レオパレスの取締役会決議だけで実行できる。時間のかかる総会開催を回避したいレオパレスにとって、まさに「ウルトラC」の奇策だ。」

新株予約権付融資の金利は原則14.5%と、利息制限法の上限金利(100万円以上は15%)に近い。レオパレスの利払い負担は年40億円強で、2019年3月期の営業利益の6割が吹き飛ぶ計算だ。フォートレスは利息収入だけで普通株への投資額119億円を3年間で回収できることになる。レオパレスへの出資比率を高める仕組みも加わり、ファンドとして出口戦略を描きやすい。」

子会社で優先株を発行すれば、連結ベースの純資産は増えますが、その子会社の利益のうちの親会社株主に帰属する部分が減って、連結の1株あたり利益が減るおそれがあります。さらに、親会社における普通株増資による希薄化もあるでしょう。

14.5%の金利は暴利だと思いますが、ほかに支援策がなかったのならしかたありません。

第三者割当による新株式の発行及び新株予約権付ローンに係る第5回新株予約権の発行、連結子会社による優先株式の発行、並びに主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(9月30日)(PDFファイル)

「当社は、2020年9月30日開催の取締役会において、下記のとおり、①(i)第三者割当による新株式(以下「本新株式」といいます。)の発行(以下「本新株式発行」といいます。)及び(ii)第三者割当による新株予約権付ローン(以下「本ローン」といいます。)に係る第5回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の発行(以下「本新株予約権発行」といいます。)を行うこと(以下総称して「本第三者割当」といいます。)並びに②当社の100%子会社である株式会社レオパレス・パワーによるA種優先株式(以下「本優先株式」といいます。)の発行(以下「本優先株式発行」といいます。)を行うことを決議しましたので、お知らせいたします。」

「(d) 本スキームの選択理由

本スキームによる資金調達は、上記「3.資金調達方法の概要及び選択理由(c) 他の調達手段との比較」に記載した他の調達手段との比較において、上記(a)及び(b)に記載のとおり、(i)本新株式を発行するものの、本ローンに係る本新株予約権の発行及び株式会社レオパレス・パワーの本優先株式の発行による資金調達と組み合わせることによって、可及的に一時的な希薄化を抑えることが可能であること、(ii)本新株式の売却が一定期間制限されることから、株価に対する一時的な影響を抑制することが可能であること、(iii)他方で、本新株式及び本新株予約権の発行及び株式会社レオパレス・パワーの本優先株式の発行により、債務超過を解消し、連結純資産の拡充による財務体質改善を可能とすること、(iv)本ローンを組み合わせることにより、希薄化を抑制しつつ、当社施工物件で判明した界壁等の施工不備に係る補修工事費用や既存借入金の返済及び社債の償還といった必要不可欠な資金需要に対応するための資金も確保できることから、本新株式及び本ローンに係る本新株予約権の発行並びに株式会社レオパレス・パワーの本優先株式の発行を組み合わせた資金調達が現時点において最適な選択であると判断し、これを採用することを決定しました。」

(訂正)「第三者割当による新株式の発行及び新株予約権付ローンに係る第5回新株予約権の発行、連結子会社による優先株式の発行、並びに主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」の一部訂正について (10月2日)(PDFファイル)

(補足)

東洋経済から、詳しい解説記事が出ました。

レオパレス、スポンサー決定でも茨の道の理由
賃料減額交渉、資金支援は金利14.5%という重荷
(東洋経済)
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