東芝が経産省といっしょになって大株主に圧力を加えていた問題の関連で、経産省を批判したコラム記事。元経産官僚が書いています。
「経産官僚とはどういう人間なのか」について...
「彼らには「性」とも言うべき2つのDNAがある。
1つ目は、私が「中央エリート官僚型」と呼ぶタイプの公務員に共通するDNAだ。「自分たちが一番賢い」、だから、「我々が考えることは常に正しい」と思い込む。だが、現実には彼らの頭は時代遅れで使えない。このギャップが不幸の源になる。
例えば、「コーポレート・ガバナンス強化」をうたいながら、その本質は理解できない。ただ、そういう言葉を使えば、企業に対して偉そうに振る舞える。彼らのDNAがそういう方向に導くのだ。独立社外取締役を増やせというのも同じ。自分たちの天下り先が何倍にも増えるということを裏では計算しているが、「自分たちこそが正義」という意識に酔うあまり、そういう自身の下心を自覚できない。今回も、ガバナンスの観点では最低最悪の行為なのだが、本人たちは正義を追求したと信じている。
経産官僚2つ目のDNAは、「日本の経済界を仕切るのは俺たちだ」という強烈なプライドだ。企業が頭を下げて頼ってきたとき、「俺たちが助けてやる」とそれに応える瞬間こそ、至福の時だ。半導体のエルピーダや液晶のJDI(ジャパンディスプレイ)のような経産省のDNAが生んだ、負け組「日の丸連合」は残念ながら連戦連敗だった。ダイエー救済に失敗する直前まで「ダイエー再生はわれらの使命。経産省の鼎の軽重が問われている」と語っていた事務次官もこのDNAの持ち主だった。」
「経産省のDNAには「外資嫌い」も含まれる。彼らは平気で経産省に逆らうから、「一番偉いのは我々だぞ!」となる。今回も、外資が東芝の株主総会で提案権を行使すると聞いただけで、「外資の野郎が!」と逆上し、「東芝を守り外資を潰せ」という条件反射となった。」
経産省が出してくる政策や提言を読むときは、こういう点に注意しないといけないのでしょう。
日産ゴーン事件も、経産省の「外資嫌い」や「俺たちが助けてやる」という文脈で生まれたのかも...。
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