会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

制度の積立状況をB/S計上へ2009.08.24

制度の積立状況をB/S計上へ2009.08.24

企業会計基準委員会における退職給付会計見直しの進捗状況をまとめた短い記事(経営財務の8月24日号4ページより)。

積み立て状況(=退職給付債務-年金資産(時価))を貸借対照表に即時に認識するかどうかという論点を先に検討するようです(遅延認識しない方向)。

貸借対照表は遅延認識しないとなると、その積み立て状況の変動をフローの計算書(損益計算書や包括利益計算書)においてどのように表すかという点が次に問題となりますが、IFRSの金融商品会計改正案でも問題になっている純利益と包括利益の関係という論点と直結し、国際的な議論も流動的であるため、検討は先送りとなるようです。

経営財務の記事によれば、退職給付信託の扱い(年金資産として認められるか)も議論されているようですが、そもそも遅延認識しないという結論になれば、仮に年金資産に該当しないという結論になっても、BS上は従来年金資産としてオフバランスされていた信託が、有価証券として時価でオンバランスされるだけですから、純資産には(おそらく)影響がありません。PL上の影響は、変更時の扱いにより変わってくるので何とも言えませんが、信託拠出時に利益を計上していたとすると、それがいったん元の簿価に戻り(戻すときは期首剰余金で処理するので損益はとおらない)、変更後、信託財産から売却した時点でもう一度利益計上する(売却時点の時価>簿価、の場合)という、一粒で2度おいしい処理になるのかもしれません。
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