会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

大手監査法人の期中退任2件

あるブログの記事で知りましたが、大手監査法人が会計監査人を期中で退任するケースが2月下旬に相次いで発生したようです。

公認会計士等の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ(マルマン)(PDFファイル)

マルマン(9月決算)は当期から新しい監査人になったばかりですが、「会計監査人である新日本有限責任監査法人から、資産項目の期首残高及び平成26 年9月期第1四半期における勘定科目全般の妥当性等に関する質問を受けておりますが、それらを適時に対応することが困難であると判断し、同監査法人と協議の上、監査契約を合意解約いたしました」とのことです。

期首残高が大丈夫かどうかは、新規受嘱前の検討時にも、契約前後の監査業務引き継ぎの際にも、ある程度調べているはずですが、何か予想しない問題が出てきたのでしょうか。受嘱の際の手続が不十分だったとすれば、問題です。他方、新しい監査先があぶなそうな場合にはすぐに手を引くというのは、オリンパス事件の教訓を生かしているのかもしれません。

いずれにしても「爆速」の交代劇です。

新日本退任後の監査人は、前任監査人の清和監査法人となります。

会計監査人の異動に関するお知らせ(同上)(PDFファイル)(新日本に交代したときのプレスリリース)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(タマホーム)(PDFファイル)

こちらはトーマツが退任するというプレスリリースです。

「平成26年2月10日付の「第三者委員会からの調査報告書の受領に関するお知らせ」で開示しました調査報告書の内容を受けて、有限責任監査法人トーマツと今後の監査対応等について協議しました結果、監査及び四半期レビュー契約を合意解除することといたしました。」

このケースは不正会計が明らかになったということで、監査を継続できないいろいろな事情があるのでしょうが、あぶなくなったから投げ出したという印象は受けます。(「今後の監査対応等について協議」したら契約解除になったというだけでは、少し説明不足です。)

後任の監査人は未定であり、「可及的速やかに一時会計監査人の選任を行うべく手続きを進めてまいります」とのことです。どこかの監査法人が引き受けるのでしょうが、引き継ぎをきちんとやらないと、会計士協会のレビューや金融庁検査で徹底的に指摘されることになるでしょう。退任したトーマツ側も同様です。

マルマン 上場来3回目の監査法人交代(日本証券新聞)
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