会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東武、4~9月期業績を下方修正 事業再編で減損、猛暑も重荷(日経より)

東武、4~9月期業績を下方修正 事業再編で減損、猛暑も重荷

東武鉄道の第2四半期決算が、減損損失により大幅に予想を下回るという記事。

「東武鉄道は26日、2018年4~9月期連結業績予想の下方修正を発表した。純利益は前年同期比92%減の20億円と、従来予想(23%減の182億円)から大幅に下振れる。連結子会社の事業再編に伴い、202億円の減損損失を計上するのが響く。」

会社のプレスリリースによれば、100%子会社同士の再編ということなので、連結ではその取引は全て消去され、資産の簿価に影響を与えないのが原則だと思いますが、何か理屈があるのでしょう。

東武4~9月 純利益92%減 土地の減損損失(日経)(記事冒頭のみ)

連結子会社の事業再編ならびに連結子会社間の合併および減損損失の計上に関するお知らせ(東武鉄道)

「当社はこの度、100%連結子会社の東武土地建物株式会社(以下、東武土地建物)の資産管理事業(以下、本事業)の再編と、東武土地建物と当社の100%連結子会社である東武シェアードサービス株式会社(以下、東武シェアードサービス)との合併を決定し、東武土地建物と東武シェアードサービスとの間で合併契約を締結しましたのでお知らせいたします。

本事業再編に際し、東武土地建物ほか連結子会社が保有する固定資産に係る減損損失を、2019年3月期第2四半期連結決算において計上する見込みとなりましたので、その概要についてもお知らせいたします。」

プレスリリースをよく読むと、再編で土地の簿価を切り下げるのではなく、再編前に土地の譲渡を行うようです。

東武土地建物が保有する固定資産を、各事業所を運営する連結子会社に譲渡し、資産の保有と管理の一元化を図るべく事業再編を行うことといたしました。

また、上記資産譲渡後の東武土地建物については、業務効率の向上を図るため東武シェアードサービスと合併することといたしました。」

減損処理をする土地は、繰延税金負債が計上されていたようです。ということは、過去に(悪名高い?)土地再評価で簿価を引き上げていたのでしょうか。同社の第1四半期四半期報告書をみると、470億円ほどの土地再評価差額金が計上されています。土地再評価で引き上げた簿価を、今回損失処理をするということであれば、バブル崩壊後の企業救済策のつけを、今になって払うということになるのでしょう。

「本事業再編に伴う減損損失の合計額は 20,268 百万円となり、2019 年 3 月期第 2 四半期連結決算において計上する見込みであります。

なお、本減損処理に伴い繰延税金負債の取崩しが発生することから、当社グループの連結決算に与える影響額見込み(税引後)は△15,760 百万円であります。」
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