「2つの監査法人にいたばさみされ、東芝がかわいそう」という趣旨の日経記事が全文読めるようになったので、紹介します。
「PwCあらた監査法人が東芝の決算に「待った」をかけて約半年。問題が長引いたのは、新旧監査法人に挟まれ身動きが取れなくなったためだ。」
「調査では証拠は見つからなかった。だが決算発表日の1週間前になってもあらたからはOKが出ない。東芝は2度目の延期を余儀なくされた。
争点は東芝が米原発損失をいつ認識したのか。15年末にWHが買収した米原発建設会社で発生。あらたは買収直後に損失を認識できた可能性を指摘した。前任の新日本監査法人が了承した16年3月期まで遡って調査する必要があるとした。」
「2回目の追加調査でも証拠は出なかった。東芝は新日本から「当時は適正」との見解を取り付けたが、あらたは「巨額損失が突然発覚するのはおかしい」との見方を変えなかった。4月11日、東芝は承認のない「意見不表明」の決算発表に踏み切らざるを得なかった。」
「最後まで攻防は続いた。100人以上を聞き取りし、240万件のメールも調べたが、証拠はなかった。東芝の幹部は「損失を知らなかったことを示す『悪魔の証明』みたいだ」と嘆いた。」
「7月下旬、あらたは「過年度決算の訂正をしなければ適正意見は出せない」と東芝に伝え、「損失の相当程度か全額が16年3月期に計上されるべきだ」との見方を貫いた。「仮に投資家から一連の問題で訴訟を起こされても、監査法人の責任を果たしたと主張できるようにする」。あらた関係者は周囲に語った。
前任の新日本は「買収時の手続きに問題ない」として過年度訂正に応じない考えを繰り返した。新日本は東芝の会計不祥事を見抜けなかったことで金融庁の行政処分を受けていただけに、相応の覚悟で決算内容を精査したという自負があった。」
証拠もないのに、あらたは、訴訟こわさに、かわいそうな東芝に対して無理難題をふっかけていた、対する新日本は相応の覚悟で監査した(だから決算にまちがいはない?)というストーリーになっています。
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