みずほ銀行システム障害事故の続報。22日に送金を終えたはずの最大116万件の未決済取引で、送金できなかった取引が存在する可能性があるそうです。
「・・・19~21日の3連休中に現金自動受払機(ATM)を全面停止して処理に専念。「22日中にすべての未決済取引で送金を終えた」(同行広報室)と説明し、23日中に完全復旧する計画だった。
しかし、送金したはずの複数の顧客から苦情が寄せられ、システムが正常稼働していない可能性が浮上した。・・・」
「同行は23日までに、116万件が振り込まれていたか詳しく調べる。22日に即日決済した取引も調査する。」
企業側でもよく確かめた方がよさそうです。
会計的には、銀行のシステム障害で決済が遅れたとしても、実際に決済が行われた日付で処理していれば問題ありませんが、きれいになるべき債権債務が残ってしまうのは嫌な感じです。取引先との間のトラブルの原因にもなりかねません。
また、収益・費用項目で実務上現金ベースで処理しているものがあれば(重要なものはないとは思いますが)、よく見直さなければならないでしょう。
いずれにしても、3月末に影響しないように解決してもらいたいものです。
ついでに、みずほFGのJ-SOX上の扱いを考えてみると、顧客の決済が遅れたというだけでは、財務報告にかかる内部統制の不備にはならないでしょう。顧客に提供するサービスという面では大問題ですが、みずほの財務報告に影響するような事項ではないと思われるからです。ただし、システム障害のために、マニュアルにもないような例外的な手続を行い、それがみずほの財務報告にも関連する様な手続である場合には、不備となるかもしれません。決済が済んだと記録されているのに、実際には済んでいなかったというような場合も、財務報告が間違っているわけですから、J-SOXに関係してきます。(銀行のJ-SOXをよく知っているわけではないのであくまで私見です。)
みずほ銀「一部顧客から未入金の連絡」 システム障害(日経)
後手に回った見通しの甘さ みずほ銀に問われる“人的ミス”の責任(産経)
全銀協:決済分散化など呼びかけ 混乱回避で(毎日)
被災地への送金や義援金に影響 みずほ銀トラブル(朝日)
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