日本公認会計士協会が特別協賛したIFRSに関するシンポジウムの広告記事。講演内容やパネリストの発言から気になった部分を引用します(発言のポイントというわけではありません)。
「IFRSを外国製の基準の押しつけと捉えて、日本基準のみに固執し続ければ、孤立化とガラパゴス化のリスクがあることを忘れてはならないだろう。」(日本取引所自主規制法人理事長 IFRS財団トラスティ 佐藤 隆文氏)
「準備にあたって最も重視したのは、全社プロジェクトとして経理部門だけでなく経営陣、営業部すべての理解を得ながら進めるということだ。IFRS導入は単なる会計基準の変更ではなく“経営課題”であるとうたい、全社的に体制を整えて取り組んだ。」(三井物産 代表取締役副社長CFO IFRS財団トラスティ 岡田 譲治 氏)
「当社では約50年間、米国基準で財務報告書を作成していたが、相当な量の開示内容となっていた。IFRSへの切り換えを機に、質と量、目的適合性を吟味した結果、開示ボリュームは約15%削減となった。」(同上)
「会計士はIFRSのテクニカルな部分に走りがちだが、会計士といえども今まで以上に経営的な視点を持たなければ監査をしている会社のよきパートナーにはなれないということをもっと意識すべきだろう。」(有限責任 あずさ監査法人理事 国際会計基準審議会(IASB)元理事 山田 辰己 氏)
「現在は日本株専門の外国人機関投資家はほとんどいなくなっており、アジア・オセアニア株という枠の中で投資対象を分析している。このような環境にあっては、日本基準に固執して国際的な基準で財務報告をしないというのはデメリットが大きいといえるだろう。」(みずほ証券 企画グループ経営調査部 上級研究員IFRS諮問会議委員 熊谷 五郎 氏)
「これはあくまで個人的な意見ではあるが、日本基準とIFRSの二者択一にし、米国基準による連結財務諸表作成容認制度を廃止してはどうかと考えている。このようにすれば、現在は連結財務諸表の作成に米国基準を使っている企業の相当数がIFRSに移行するはずで、70~80社程度は適用することになり、任意適用のインパクトも拡大する。」(同上)
「重要なのは、世界の国々がこの新しい会計基準(収益認識新基準)に基づいて様々な契約やビジネスを決定するようになるということ。ビジネスシーンが変わってくるので、この基準を知らないと取引相手先の動向が読めないことになる。IFRSの適用にかかわらず、新基準の中身を見て自社の取引とどう違うかをぜひ確認してほしい。」(国際会計基準審議会(IASB)理事 鶯地 隆継 氏)
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