北越紀州製紙が大王製紙の筆頭株主になったという記事。
「北越紀州が大王の創業家が保有する同社株式をすべて買い取り、持ち株比率(議決権ベース)を2.86%から22.29%に引き上げた。」
北越紀州を経由した関連会社(元・子会社)株式の創業家からの買い取りも完了しています。
「また創業家から北越紀州が買い取った紙おむつやティッシュペーパーなどを生産する大王の関連会社18社の株式についても、大王への譲渡が完了。大王グループは平成23年9月時点の37社体制に戻った。」
大王製紙の井川前会長、借金54億円を返済(日経)
前会長に対する貸付金も無事回収できたようです。
「大王製紙は15日、創業家出身の井川意高前会長によるグループ7社からの巨額借り入れ事件に絡み、未払いだった元金と利息の合計約54億円が15日付で返済されたと発表した。創業家が大王株を北越紀州製紙に売却するなどして得た資金をあてたとみられる。」
一連の取引の大王製紙の決算への影響を考えてみると、まず、北越紀州製紙も持分比率上昇は、株主間の取引なので、影響はありません。大王が北越紀州の持分法適用会社(大王から見ると、北越紀州はその他の関係会社)になるというだけのことです。
関連会社株式の買い取り(日経の8月16日の記事によれば金額は400億円)とその資金を利用した前会長の借金返済の方は、貸付金がきれいに消える(引当金も不要になりその分減少)のはいいのですが、おそらく多額ののれんが計上されることになるでしょう(逆に割安に購入できて利益が計上される場合もあり得ますが)。
事件発覚前は、支配力基準ということで、資金を節約して子会社化していたものが、今回の一連の取引により、多額の資金を使った株式買い取りで子会社化をやり直したことになります。(ただより高いものはない?)
主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社、ならびに子会社の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
当社子会社及び関連会社等による元会長への貸付金回収に関するお知らせ(PDFファイル)
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