会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

4億6000万円の不審な送金「見逃し」か、金融庁がきらぼし銀行を聴取…ほぼ全額が回収不能(読売より)

4億6000万円の不審な送金「見逃し」か、金融庁がきらぼし銀行を聴取…ほぼ全額が回収不能

長野県内の会社社長による約4億6000万円の不審な送金について、「きらぼし銀行」が、犯罪収益移転防止法などに基づく確認を十分行っていなかったという記事(金融庁からのリーク?)。

「関係者や会社の内部資料によると、社長はSNSで知り合った外国籍を名乗る人物から投資を勧誘され、指定された外国人名義などの複数の個人口座に自己資金を送金。さらに増額を求められ、会社資金約7億5000万円をきらぼし銀行を含む複数行にある自身の口座に移動させた後、各行の窓口などで口座からの送金を依頼した。

このうち、きらぼし銀行からは22年5月以降、都内の同じ支店から一日のうちに500万円ずつ十数の口座に送るなど、残高が底をついたとみられる6月中旬までの間、約80回にわたり計約4億6000万円が送金された。送金先の口座は、のちに大半が捜査機関から「犯罪に使われた疑いがある」と認定され、金融機関が凍結したが、資金はその前にほぼ全額が引き出され、回収不能となっている。」

「社長は取材に対し、一連の送金について「会社資金を増やすつもりだった。『お金は戻る』と言われ、指示されるままに続けてしまった」などと説明した。」

もし、これが監査クライアントの会社(子会社含む)だったら...

読売は、「きらぼし銀行」に追い打ちをかけるように、同じ事案でメガバンクは不審送金を阻止していたという記事を出しています。

不審送金「見逃し」疑惑、メガバンク1行は異常検知で送金拒否…きらぼし銀行は80回・4億円超の送金も「適切に対応」(読売)

「関係者によると、社長から支店窓口で送金依頼を受けたメガバンクでは、社長が「不動産の購入」などと目的を説明したことを受けて22年5月から複数回送金を実施した。その後、社長が複数の外国人名義の口座に1000万円ずつ送る依頼をしたことなどから、送金を監視するシステムが異常を検知。商取引では金額に端数が出るのが一般的だが、社長の依頼は端数のない「ラウンド数字」が多かったことも踏まえ、それ以降の依頼を拒否したという。

きらぼし銀行への依頼も、一日のうちに多数の口座に高額の資金を送ることがあった上、大半が「500万円」などのラウンド数字だった。だが同行では、支店から本店に報告が上がったり、異常に気付いたりすることもないまま、約80回にわたって計約4億6000万円を送っていた。」

投資詐欺で7億円だましとられる SNS型では過去最多の被害額(毎日)

「茨城県警は24日、県内の女性(70)が、経済アナリストの森永卓郎さんになりすました人物から無料通信アプリ「LINE(ライン)」で架空の投資話を持ちかけられ、約7億円をだまし取られたと発表した。警察庁によると、ネット交流サービス(SNS)で投資勧誘を装う「SNS型投資詐欺」では過去最多の被害額という。」

特殊詐欺の常とう手段「投資勧誘LINEグループ」に参加してみた 明るみになった手口とは(京都新聞)

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