goo blog サービス終了のお知らせ 

会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

横領続出「リーガルサポート」(FACTAより)

横領続出「リーガルサポート」

成年後見センター・リーガルサポート」という日本司法書士会連合会が成年後見業務推進のために立ち上げた任意団体の会員による横領事件が、相次いでいるという記事。

「今年6月16日、リーガルの定時総会で、業務上横領を理由に2人の司法書士がリーガルを除名された。このうち神奈川県横浜市の司法書士は昨年、成年被後見人ら2名の口座から約200万円を横領。事務所の運転資金、住宅ローンの返済などに充てた。

もう1人の北海道函館市の司法書士は昨年、成年被後見人の女性の銀行口座から300万円を横領し借金返済に流用。横領を隠すため女性の通帳の原本を改竄し、この司法書士を後見人に選任した函館家庭裁判所に虚偽の後見事務報告を行った。

03年から15年の間に横領事件を起こした会員は少なくとも18人いる。横領金を返済すれば内々に終わらせるケースもあり、横領の実数はもっと多いとみられる。12年に逮捕された沖縄県の会員は県司法書士会の元会長で、4人の口座から1億2350万円もの大金を横領、懲役4年の実刑判決を受けた。14年度には3件の不祥事が公式に発表されているが、うち1件は岡山県支部元役員が5千万円を横領したというものだった。

とくに開いた口がふさがらないのが、リーガルのナンバー2のM専務理事の横領事件だ。

M氏はリーガル創設時からの主要幹部。司法書士の専門誌「月刊司法書士」に成年後見に関する署名論文を発表するなど成年後見制度の旗振り役だった。高齢者を守る運動の先頭に立つ人物が高齢者を食い物にした深刻な事件にもかかわらず、M氏の所業は、ほとんど表沙汰になっていない。

東京法務局長名の「懲戒処分書」(16年7月28日)によると、M氏は12―15年にかけて、被後見人3人の口座から約2387万円を横領し「自己のために費消」。東京法務局長は、M氏の行為は「業務上横領罪を構成」し「司法書士及び成年後見制度の社会的信用を著しく損なう」と批判したが、処分は業務禁止止まり。その後、M氏は司法書士を廃業したという。」

記事後半では「成年被後見人の通帳原本を担当司法書士立ち会いの下に本部が確認する「原本確認調査」」を批判しています。

「『本当は怖い! 成年後見』の著者の仲島幹朗司法書士が言う。

「後見人を監督するのは本来なら家裁つまり国の仕事なのに、家裁にその人員と能力がないため、一民間団体に過ぎないリーガルに丸投げしているのが実態。預貯金通帳は本人のプライバシーそのもので家族にとっても将来、相続財産になるかもしれないお金。国の機関でもないリーガルに法的根拠もないのに提出しろという方がおかしい」」

訴訟も起きているそうです。

「原告代理人の山川幸生弁護士はこう語る。

「成年被後見人等が嫌だと言っている内容を報告することは、本人利益に反し、後見人の利益相反行為になると考えます。会員を監督したいなら、会員自身の通帳をリーガル本部に提出させて、会員の経済状況を把握すべき。成年被後見人等の意思を無視したコピー提出はプライバシーの侵害で許されないでしょう」」

たしかに、後見人による不正を防止するためであれば、まず、後見人の通帳など後見人側の財産の状態をチェックするのが先でしょう。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事