三菱自動車・日産自動車が折半出資で設立したオランダ法人(NMBV 社)から、ゴーン氏が不正な報酬を受けていたという三菱自動車のプレスリリース。日産のプレスリリースとほぼ同じですすが、日産がふれていない情報も含まれています。
「NMBV 社は、当社と日産自動車の協業によるシナジー創出の促進を目的として設立され、その目的のため、2018 年 4 月 26 日、当社と日産自動車は、サービスフィーとして、合わせて約 1562 万ユーロ(20 億 9500 万円)を、NMBV 社に支払っていました。
ところが、ゴーン氏は、このサービスフィーを原資として、2018 年 4 月末頃から同年 11 月頃にかけて、NMBV 社から、合計約 782 万ユーロ(Tax を含む、日本円にして約 10 億円)の支払を不正に受けていました。 」
ペーパーカンパニーと思われる会社なのに、多額の報酬を支払う資金をどこから得ていたのかが不思議でしたが、事前に、三菱と日産から多額の資金が支払われていたようです。そうすると、今度は、NMBV 社への支払がどういう承認手続で行われたのかが気になるところです。
ゴーン氏への支払の手続に関しても、日産より詳しく書いているようです。
「この支払は、NMBV 社とゴーン氏の間で、ゴーン氏を Managing Director として雇用することを内容とする EMPLOYMENT AGREEMENT を締結するなどし、その報酬等の名目で支払われていましたが、EMPLOYMENT AGREEMENT は、NMBV 社において権限のない者によって締結されており、その他、ゴーン氏に対して、NMBV 社から何らかの報酬を支払うことに関する適正な手続もなされておりませんでした。EMPLOYMENT AGREEMENT の締結やゴーン氏に対する金銭の支払といった行為は、ゴーン氏が、日産自動車幹部社員ら一部の者に指示して実行したものでした。その際、日産自動車幹部社員は、ゴーン氏に対して、EMPLOYMENT AGREEMENT を締結する前に NMBV 社の取締役である益子修と西川廣人氏の了承を得る必要があると伝えたにもかかわらず、ゴーン氏は一切知らせることなく、EMPLOYMENTAGREEMENT を締結していました。そのため、上記のような事実は、益子修をはじめ、当社や当社から出向した NMBV 社の役職員には一切知らされておりませんでした。」
この「日産自動車幹部社員」がどういう役割を果たしていたのか...。「了承を得る必要があると伝えた」とのことですが、結局黙認していたということになるのか...。
「当社や当社から出向した NMBV 社の役職員には一切知らされておりません」という箇所は、日産とは立場が違うということをいいたいのでしょう。
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