会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

アーバンコーポに学ぶ…不動産会社“破綻のサイン”

社会:ZAKZAK

破綻する不動産会社には共通のサインがあるという記事。

「破綻する不動産会社にはどんな“予兆”があるのか。

 橋本氏は「不動産流動化とマンション分譲が主力事業の会社で、決算書をみて、棚卸し資産が急増し、営業キャッシュフロー(CF)がマイナスになっているところは要注意」と明かす。

 開発したオフィスビルや分譲マンションの売れ残り在庫などを示す「棚卸し資産」が急増し、本業での現金の出入りを示す「営業CF」がマイナスだと“黄色信号”というわけだ。

 “危ない不動産会社”は、(1)不動産流動化とマンション分譲が主力事業(2)棚卸し資産が急増している(3)営業CFがマイナス-といったことが重なっている会社ということになる。」

あまりにありきたりの結論ですが、たぶん当たっているのでしょう。

この記事とは直接関係はありませんが、経理情報の12月20日号に「最近の倒産状況にみるゴーイングコンサーン注記の事例分析」という解説が載っていました。

これによると、平成16年度にGC注記がついた会社73社のうち平成20年3月期までに実際に倒産して存続不能となったのは6社(8.2%)にすぎないそうです。それに対し、今年4月以降に倒産した上場企業18社のうちGC注記がついていた会社は7社のみです。厳密には、GC注記企業中の倒産企業の割合と、倒産企業中のGC注記企業の割合のどちらかに合わせて比較すべきですが、おそらく、GC注記が付かずに不意打ち的に倒産に至る企業は増えているのでしょう。

経理情報のこの解説では「むやみにGC注記を付すことがかえって投資判断に関する有用性を損なう可能性もあることを考慮すれば、GC注記の要否について今後慎重に再検討する余地がある」としています。しかし、そうすると、GC注記が付かずに倒産してしまったケースをどう考えたらよいのか、難しいところです。また、GC注記は投資判断に役立つというより、監査人のアリバイづくりに過ぎないという見方もあるかもしれません。
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