会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「仕組み債で損失」金融機関に賠償請求へ 兵庫・朝来市(朝日より)

「仕組み債で損失」金融機関に賠償請求へ 兵庫・朝来市

兵庫県朝来市が、SMBC日興証券と三井住友銀行に約4億8千万円の損害賠償を求める訴訟を起こすという記事。仕組み債で大損を被ったようです。

「朝来市は2006~08年、市の基金を運用するため、利率などが米ドルや豪ドルと連動する仕組み債を4金融機関から購入。額面金額61億5千万円分を保有しているが、急激な円高で時価評価額が下落し、今年3月末の評価額は8割の49億1千万円。12億4千万円の含み損を抱えた。

 このため市は、これまでに受け取った利益約7億円を差し引き、SMBC日興証券に4億3650万円、三井住友銀行に5016万円の損害賠償を求める方針を決め、21日の市議会本会議で議案が可決された。・・・

 市は、債券に対する知識や経験が足りない当時の市幹部らに投資リスクを十分説明しないまま勧誘した、と違法性を主張している。

 満期の30年後には元本保証されるが、市は基金の約半分を仕組み債に投資し、塩漬けのままでは基金を活用できない。・・・」

同市のホームページをみると、人口33千人強の規模の自治体です。市の主張のとおりだとすると、市民一人当たり約14千円、金融機関に取られてしまったことになります。

地方自治体なので、この債券は貸借対照表に載っているわけではないのでしょうが、仮に企業会計を適用した場合には、30年間も保有し続ける意図と能力があったとも思えないので、元本保証とはいえ、満期保有には分類できないものでしょう。

記事で仕組み債といっているのはこれのことでしょうか。期間が30年超というのはかなり長いような気もします。期間が長くなるほど、利息部分の変動の影響は大きくなるので、リスクは高まります。

リバース・デュアル・カレンシー債(QUICK)
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