スイスの金融大手UBSが、7~9月期決算で、サブプライム・ローン関連の評価損を40億スイスフラン(約4000億円)計上するという記事。
「損失は主に、閉鎖に追い込まれた傘下のファンドが抱えていた投資や、債券部門が持っていた住宅ローン担保の債券(RMBS)から生じた。7~9月期のグループ決算は、6億フラン(約600億円)~8億フラン(約800億円)の税引き前損失になるという。」
UBS、ポジションの評価減による第3四半期の損失予測および経営陣の異動を発表
「モーゲージ担保証券の大部分のポジションの保有時点では、通常の市場環境においてリスクを軽減するために策定された相殺ポジションが置かれました。しかしながら、特に本年8月に起きた、米国サブプライム住宅モーゲージ担保証券市場の下落が近年になく急激であったため、市場の流動性の低下を招き、これにより、格付けの高い証券を含め、大幅な評価損が生じました。経営陣はこれらのポジションの評価が適切になされるよう措置をとり、確実なリスク管理をはかりました。
可能な限り、保有証券は市場価格で評価しますが、サブプライムに係る保有の大部分については、これは不可能です。従って、評価には、主に、可能な場合は実体に即した諸条件を組み込んだ評価モデルを用い、その他の場合にはレベル3の評価モデルを用います。これらの評価にあたっては、米国モーゲージ市場の今後の展開につき慎重な見解を採用しており、UBSは、当該証券をこれらのレベルの評価額において保有して良いと考えております。」
このプレスリリースによれば、モーゲージ担保証券についてヘッジは行っていたが、市場の下落があまりに急激であったため、ヘッジしきれなかったようです。また、評価損といっても、市場価格での評価ができなくなり、時価評価モデルを使って時価評価したとのことです。あくまでモデルですから、モデルに入れる前提条件次第で、相当うごくおそれもあります(会社は慎重に評価したといっているようですが・・・)。
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