会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

金融庁は仮想通貨規制をどこまで強化するのか(東洋経済より)

金融庁は仮想通貨規制をどこまで強化するのか
「ICO」での資金調達も金商法の対象になる?


金融庁が仮想通貨技術を使った資金調達「ICO」(イニシャル・コイン・オファリング)に対する規制強化を検討しているという解説記事。「STO」という仕組みも紹介しています。

「金融庁は有職者会議「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、仮想通貨の流出リスクや証拠金取引などへの対応策に加え、投機性を有するICOへの規制について検討してきた。」

「第11回研究会の後、12月21日に同研究会はA4・33ページから成る報告書をまとめた。」

「ICOをめぐっては中国や韓国が禁止するなど、規制から踏み込んで一律禁止する動きもある。ひるがえって日本(研究会の報告書概要)は、ICOの有用性に配慮し、リスクに応じた投資家保護の規制を施して存続は認める、という方針に見える。

ICOのうち投資性を有すると認められるものに関しては、法定通貨のみならず仮想通貨で購入可能なものについても、金商法の規制の枠組みに当てはめる方針と見られる。報告書では、「情報提供(開示)の仕組み」「第三者による事業・財務状況のスクリーニングの仕組み」「公正な取引を実現するための仕組み」「トークンの流通の範囲に差を設ける仕組み」の4点が規制対象として挙げられている。

それぞれの内容を確認すると、「情報提供(開示)の仕組み」については第一項有価証券と同レベルの開示が必要とされており、「第三者による事業・財務状況のスクリーニングの仕組み」については第一種金融商品取引業者と同レベルの義務負担が生じるとある。一方、「公正な取引を実現するための仕組み」では原則的に有価証券に対する規制と同様としているが、インサイダー規制については要検討とされ、詳細の詰めはこれからといったところだ。」

ICOについては、規制が厳しくなる方向のようですが(それは正しい)、規制を受けることを前提としたSTOという仕組みが出てきたのだそうです。

「現状、ICOはホワイトペーパーのみ作成すれば、トークンに資産の裏付けがなくても発行することができる。実は、ここに最大の問題があると私は見ている。どう解決するか。ブロックチェーン技術を応用した新たな資金調達手段として「STO」(セキュリティ・トークン・オファリング)が活用される可能性があると考える。ICOからSTOへの転換だ。これはすでにアメリカで潮流になりつつある。

STOは、その名に「セキュリティ」が含まれるように「証券」に分類される。株などの有価証券を裏付けとして発行されるトークンのことで、利益分配や議決権等を投資家に配当する仕組みをすべてトークンに置き換えたものである。

証券に該当するため、既存の金融商品関連の法律に沿った格好となることから、投資勧誘と販売にあたっては監督官庁の管理のもと行われることとなる。2018年8月、AnyPay株式会社のグループ会社であるAnyPay Pte.Ltd.(本社:シンガポール)が、収益分散型トークン発行システムをリリースすると発表した。しかし、国内ではSTOに関する確定した規制枠組みが存在せず、STOによる資金調達が行われた事実も観測されていない(2019年1月28日時点)。」

「アメリカでは2018年以降、SECなどによって有価証券であると指摘を受けたICOがSTOの枠組みに沿った格好で修正している例も多数報告されている。STOは、アメリカ市場で知名度が徐々に増している。」

それなら、直接、投資家向けに株式などを発行すればよいように思われますが、トークンにすることで何かメリットがあるのでしょうか。

当サイトの関連記事(「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書公表について)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事