税理士の懲戒逃れの防止のため、廃業後でも調査や事実上の処分を可能とする税理士法改正を行う方針だという記事。
「脱税などの不正に関与した税理士が国税当局の調査中に自主廃業して処分を免れる懲戒逃れが相次いでいた問題で、政府・与党は、廃業後でも調査や事実上の処分を可能とする税理士法改正を行う方針を固めた。政府関係者への取材でわかった。2022年度の与党税制改正大綱に盛り込む。」
「法改正では調査対象に「元税理士」を加え、調査を拒否すれば罰則の対象とする。不正が認定されれば「2年間の業務停止相当」などとし、期間中の税理士復帰を禁止。氏名や不正の概要は国税庁のホームページや官報で公表する。」
少し前に税理士の懲戒逃れに関する報道が続けてありました。
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こちらは、公認会計士兼税理士の人が書いています。裏技で処分を逃れている例が本当に多いのか、悪質なケースについては対応すべきだが、処分をやたらと厳格にすれば、税理士の萎縮を招き、納税者にも不利ではないかという趣旨の意見を述べています。
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10年間で50人超が「裏ワザ」? 懲戒処分を免れるために税理士が使う手と問題点(Yahoo)
「冒頭で紹介しましたニュース記事によれば、懲戒処分が下される前に自主的に抹消したケースは過去約10年間で50人超有ったとのことです。一方で、過去10年間で懲戒処分を受けたケースは、国税庁の公表によれば418件存在しており、懲戒処分に応じるケースのほうが多いことが分かります。
また、50件超のうちいわゆる裏ワザを使ったと見られるケースが実際にどの位あったのかは、ニュース記事等からは不明です。私見になりますが、廃業した約50人の元税理士の全員がいわゆる裏ワザを使って、その後ちゃっかり税理士に戻っているとは考えにくいです。50人のなかには、氏名公表という不名誉を避けるために、そのまま自主的に廃業して税理士業務には戻らないケースも、それなりに有るのではと推察されます。」
「懲戒処分が検討されているすべてのケースにおいて、懲戒処分や名前の公表を例外なく行うなど制度を過度に厳格化することは、ともすれば税務代理の際に税理士の萎縮を生みかねない危険性を秘めています。
なぜならば税金の徴収権限を持っているのも、税理士に対する懲戒処分の権限を実質的に持っているのも、どちらも同じ国税当局だからです。
国税庁のホームページの懲戒処分の公表事例においても、売上除外、架空経費の計上、従業員給与の外注費への偽装など脱税の典型的な手法以外に、申告期限の見過ごし、費用の見積り計上の否認、利益の認識時期の違い(期ズレ)など、果たして懲戒処分を受けなければならないほど悪質なのか、公表内容だけでは判断が付きかねるケースも散見されます。...
制度の見直しにあたっては、税理士の過度な萎縮を生まず、そして納税者に不利にならないように最大限配慮した上での慎重な議論が望まれます。」
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