東芝粉飾事件で、金融庁の証券取引等監視委員会が、委員長交代後に、元社長3人の刑事告発を判断するという記事。
「監視委は佐渡賢一委員長を含む3人の委員全員が今月12日に交代し、体制が一新される。後任の委員長には長谷川充弘・前広島高検検事長が就任する。
東芝について監視委は、2005~15年に社長を務めた西田厚聡氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏が不正会計に関わったとみており、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑による告発を目指してきた。3人は任意聴取で違法性の認識を否定したとみられるが、立証は可能とする内容の報告書を幹部間で引き継ぐとみられる。
監視委は通常、検察との協議で同意を得て事件を告発する。東芝について東京地検は「刑事責任を問うほどの明確な違法性がない」との意見を監視委に伝えており、双方の意見が一致しない状態が続いている。...」
検察から送り込まれたばかりの委員長が、東京地検の判断に反対することはないようにも思われます。刑事事件としては無罪放免ということになるのでしょう。
なお、長谷川充弘氏は、冤罪説がある美濃加茂市長事件に関わった検事です。被告側の弁護人は、東芝事件で東芝よりも監査法人を厳しく批判していたあの郷原弁護士です。
美濃加茂市長に逆転有罪 収賄事件で名古屋高裁判決(日経)
「昨年3月の名古屋地裁判決は「贈賄側の供述の信用性には疑問があり、現金の受け渡しがあったと認めるには合理的な疑いが残る」として、藤井市長に無罪を言い渡し、検察側が控訴した。」
【美濃加茂市長逆転有罪】主任弁護士、即日上告意向「不当きわまりない判決。徹底して戦う」(産経)
「郷原氏は「控訴審判決は1審判決レベルの証拠で贈賄側の証言は信用できると判断しており、控訴審で審理した内容をほとんど根拠にしていない」と批判。「徹底して戦っていく」と、即日上告する意向を示した。」
美濃加茂市議会 藤井市長支援の声明 2審で逆転有罪受け(毎日)
「市議会では藤井市長が逮捕、起訴された際に辞職を迫る動きがあり、2014年8月には市長の問責決議案を可決しているが、今回、こうした動きは出ていない。森議長は「議会は市長が行動的にいろいろなことに取り組んでいるのを高く評価している。市長が(高裁判決に)納得できない状況を私たちは認めていく」とした。」
ここまでやるのか?美濃加茂市長に逆転有罪判決(闇株新聞)
「...そもそも藤井市長を無理筋で逮捕・起訴した名古屋地検の事件当時のトップこそ、佐渡委員長の後任に内定している長谷川・名古屋地検検事正(当時)だったからです。」
”重大な論理矛盾”を犯してまで有罪判決に向かったのはなぜか ~美濃加茂市長事件控訴審不当判決(村山浩昭裁判長)の検討(その1)~(郷原信郎が斬る)
検察幹部の出世の足をひっぱってはいけないという裁判所の「あうんの呼吸」だったのでしょうか。もしそうだとしたらひどい話です。
当サイトの関連記事(監視委委員の人事について)
ほかの2名の委員についても、いろいろありそうです。
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