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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日産とルノー 仏政府、経営統合の意向 持ち株会社を軸に(日経より)

日産とルノー 仏政府、経営統合の意向 持ち株会社を軸に(記事冒頭のみ)

フランス政府の代表団が、仏ルノーと日産自動車を経営統合する意向を日本政府関係者に伝えたという記事。

「フランス政府の代表団が18日までに、共同持ち株会社方式を軸に仏ルノーと日産自動車を経営統合する意向を日本政府関係者に伝えたことが分かった。ルノーの筆頭株主である仏政府はかねて両社の一体化を求め、日産側は仏側主導の統合構想に反発してきた。日仏連合の要だったカルロス・ゴーン元日産会長の逮捕で両社の対立が表面化しており、新たな連合の経営体制を巡る攻防が激しさを増しそうだ。」

「日産とルノーが共同で持ち株会社をぶら下げる案などを示した。ゴーン元会長の解任で空席となっている日産会長職をルノーが指名する意向も伝達した。」

「ルノーは日産に43.4%を、日産はルノーに15%をそれぞれ出資する。持ち株会社方式で経営統合すれば、ルノーの筆頭株主である仏政府が新設する持ち株会社の大株主になる。日産は現状に比べて仏政府の経営への影響力が強まることを警戒し、抵抗する見通しだ。」

ルノーは交渉のために強気なことを主張しているのでしょうか、それとも、経産省主導による日産クーデターが逆噴射してしまったのでしょうか。

ルノーの会計基準がもし日本基準であったなら、40%超の日産株式を保有し、日産の経営トップをルノーから派遣し、役員の兼任もあるわけですから、現状でも、日産はルノーに実質的に支配されている子会社であると判断されてもおかしくはありません。ルノーが採用しているIFRSのこの件に関する規定はよく知りませんが、数値基準はなくても、実質的に支配があれば子会社とするのでしょう。それが、関連会社にとどまっているというのは、(重要な情報なのになぜか有報では開示されていないようですが)ルノー・日産間の基本協定(報道によれば取締役は日産出身者を過半数とするといった内容のようです)があるからと推測されます。日産ゴーン事件の影響でその協定が崩れてしまえば、持ち株比率という厳しい現実が前面に出てくるはずです。

日産が、ガバナンス強化が先だといって、ルノーの要求にもかかわらず株主総会も開かないというのも逆効果でしょう。日本企業でも海外子会社に会計不祥事があった場合には、親会社による管理強化がガバナンス・内部統制強化策としてとられることがよくあります。日産の場合にあてはめれば、親会社的存在であるルノーが日産に対する管理を強化する、そのためには経営統合して、不自然な資本関係・ガバナンス体制を見直すのだといわれたら、反論できません。

仏が日産とルノー統合要求 ゴーン被告失脚も圧力強化(産経)

「フランス政府はルノーの筆頭株主で、自国経済のため統合を求めてきた。日産はゴーン被告の不正を暴露することで阻止してきたが、フランス政府は、より圧力を強めた形だ。」

産経の記事は、日産の本音が出ています。ゴーン氏が自分たちにとって役立ってきた間は不正を大目に見てきたが、ゴーン氏がじゃまになると、手のひらを返すようにして、特捜部まで巻き込んで、追い出したということでしょう。
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