会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

製造業にIFRSシフト、デンソー表明でトヨタに思惑(朝日より)

アングル:製造業にIFRSシフト、デンソー表明でトヨタに思惑

米国会計基準適用会社でIFRSへの移行が増えていることを取り上げた記事。表向きの理由とは別の理由もあるようです。(デンソーは日本基準)

「意向表明したのはデンソーだけではない。4―12月期決算発表に合わせて、日立製作所<6501.T>や東芝6502.T>も米国会計基準からIFRSへの移行を公表した。

 理由の1つが、グループ内でばらばらだった会計基準の統一化だ。・・・グループ各社は日本基準だったが、日立グループとしてIFRSに統一して、グループ内の経営スピードが上がるのを期待している」(広報・IR部)とコメントした。

 東芝は、グループ全体でIFRSを採用することで「問題意識を共有して、財務規律を重視し、財務体質の強化に努める」(広報・IR室)としている。」

別の理由として、米国基準の金融商品会計における持ち合い株の会計処理が変わることの影響があるそうです。

「米国基準からIFRSへの乗り換えを促す要因の1つは、近く見込まれる米国基準の制度変更だ。米国基準のルールを決める米財務会計基準審議会(FASB)は2010年、金融商品に関する新しい会計基準についての公開草案を公表した。

日本企業にとっては、持ち合い株式の評価損益の扱いが焦点となる。「米基準のままだと、持ち合い株式の損益がPL(損益計算書)にヒットするような制度変更が行われる可能性がある」と、野村証券・シニアストラテジストの野村嘉浩氏は指摘する。 

現在の米国基準は、持ち合い株式の評価損益は「その他の包括利益」(OCI)に含まれるため、基本的には持ち合い株式を売却しない限り、当期純利益は影響を受けない。OCIは損益計算書ではなく「包括利益計算書」に記載される。

 しかし、改革案では毎期、持ち合い株式を時価評価して当期純損益に反映させなくてはならない。米国基準を採用し続ければ、持ち合い株式の時価評価で当期利益が上下するリスクに直面しかねない。」

「三菱電機<6503.T>や、パナソニック<6752.T>、ソニー<6758.T>、ホンダ<7267.T>など、米国基準には日本を代表する製造業が名を連ねており、今後、動向が注目されそうだ。」

米国基準を新たに採用する会社はないので、米国基準採用会社が減っていくことだけはたしかなことです。

こちらも会計基準をめぐる記事。

国際会計基準の衝撃、商社決算で顕在化(朝日)

国際会計基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(デンソー)
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