東京証券取引所は、ジャスダック上場の寺崎電気産業に対する公表措置及び改善報告書の徴求を行いました(2018年11月19日付)。
監査人による四半期レビューが完了していないのに、完了したかのように開示を行ったことが問題とされています。従業員不正による過年度訂正があり、その関係で作業が遅れていたようです。
「寺崎電気産業株式会社(以下「同社」という。)は、2018年9月13日に同社従業員による不正行為に関する調査委員会の調査報告書を受領後、2018年9月14日、近畿財務局長に対して、過年度の有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書並びに2019年3月期第1四半期報告書をEDINETで提出しました。
その上で、同社は、2018年9月14日、2019年3月期第1四半期報告書の提出が完了した旨の適時開示を行いましたが、実際には、監査法人による四半期レビューが未了であり、2019年3月期第1四半期報告書は提出期限に提出できていなかったことが後日判明しました。この結果、同社が2018年9月14日に開示した「平成31年3月期第1四半期報告書の提出完了に関するお知らせ」は、情報の内容が虚偽であったことが認められました。」
通常とは違うスケジュールで動いていたのでしょうから、監査人と特に念入りに打ち合わせすべきだったのでしょう。
東京証券取引所による「公表措置」の実施及び「改善報告書」の提出請求について(PDFファイル)
過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の再提出について(9月19日)(PDFファイル)
「当社は、平成30年9月13日に開示いたしました「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」のとおり、当該報告書を踏まえ、平成30年9月14日付けで、過年度の有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書を近畿財務局へ提出いたしましたが、監査法人の監査又はレビューが未了のものを、その編集作業中に誤って提出したため、訂正報告書の記載事項に一部誤りがあり、再提出するものであります。また、訂正報告書に添付されます、独立監査人の監査報告書又はレビュー報告書日付は9月21日となる予定です。 」
訂正の原因となった不正事件についてはこちら。スクラップ代金を従業員が着服していたという不正のようです。
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社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ(PDFファイル)
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