エス・ロジックス株式会社における不適切会計に係る調査報告書受領及び2025年3月期第3四半期決算発表予定日に関するお知らせ(PDFファイル)
オイシックス・ラ・大地(東証プライム)のプレスリリース(2025年3月27日)。
連結子会社シダックス傘下のエス・ロジックスにおける不適切な会計処理の内容及び原因、過年度決算への影響額、再発防止策等について調査及び検討を行った「原因究明・内部統制強化チーム」の調査報告書を受領したとのことです。(シダックスが連結子会社になる前に発生した不正であると強調しています。)
開示版のごく簡単な調査報告書が添付されています。
それによると、調査の経緯は...
「オイシックス・ラ・大地株式会社(以下「当社」という。)は、2024年12月、当社の連結子会社であるシダックス株式会社(以下「シダックス」といい、その傘下にある会社も含め、「シダックスグループ」という。)の傘下にあるエス・ロジックス株式会社(以下「エス・ロジ」という。)のSDC事業部において、棚卸資産が過大に計上されている事実(以下「本件不適切行為」という。)を把握し、網羅的かつ深度ある調査を実施し、再発防止を図るため、以下の構成員からなる原因究明・内部統制強化チーム(以下「当チーム」という。)を設置し、本件不適切行為に対する調査を実施し、それに付随して本件不適切行為に類似する案件についての調査も実施した(以下、総称して「本調査」という。)。...)
チームのメンバーは、1人を除き、会社の内部の人たち(取締役、監査役、内部監査室長)です。
不正の内容は...
「本調査の結果、SDC事業部の責任者(以下「A氏」という。)が、遅くとも2014年頃から、SDC事業部において月次で実施している実地棚卸の結果及び外部倉庫から報告された在庫数を記載した「棚卸表」の数値を虚偽の数値に書き換えた上、シダックスグループ全体で利用している経理システムに入力することにより、棚卸資産の過大計上を行っていたことが判明した。
本調査の結果判明した2014年度以降の各事業年度末における過大計上額は下表のとおりであり、2024年9月末日時点における過大計上額は約4億7,570万円であった。」
報告書の表によると、過大計上額は、2014年時点では64百万円にすぎませんでしたが、毎年、20~50百万円程度ずつ増えていったようです。
A氏単独の不正だという結論になっています。また、棚卸資産の過大計上以外の不正は認められなかったとのことです。
「関係資料の精査、デジタル・フォレンジック調査及び関係者へのヒアリング等により、本件不適切行為は、A氏1人により行われ、A氏以外の者は関与していないことが確認された。また、A氏による不正は、棚卸資産の過大計上のみであり、架空売上・架空仕入及び横領を含む私的な利得を目的とした他の不正行為は認められなかった。」
不正の原因など。
「本件不適切行為は、SDC事業部が、目標予算の未達で赤字が継続する中、赤字継続により事業譲渡又は事業廃止を懸念したA氏が、棚卸資産の過大計上により、予算を達成することを目的に開始され、約10年間継続された。このような長期にわたり不正が発覚することなく継続できた理由は、以下のとおり、シダックスグループにおけるいわゆる第1線、第2線及び第3線のいずれも十分に機能していない中で、SDC事業部において有効な内部統制が構築されず、長期にわたり人事ローテーションが行われていなかったことにある。...」
プレスリリースによると、過年度訂正を行うそうです。
「当社は、調査チームによる調査結果を受け、当社連結財務諸表に与える最終的な影響を確定したうえ、当社が過去に提出いたしました2024年3月期有価証券報告書及び2025年3月期半期報告書の訂正報告書、並びに2024年3月期、2025年3月期第1四半期及び第2四半期決算短信の訂正につき、2025年3月31日(月)に提出及び開示予定です。」