金融庁の証券取引等監視委員会は、「開示検査事例集(令和3事務年度)」を、2022年8月31日に公表しました。
(昨年公表されたものも「令和3年度版」と称していましたが、今回公表された資料は「令和3事務年度」版です。)
「今般公表しました「開示検査事例集(令和3事務年度)」では、昨事務年度版に、令和3年7月から本年6月までの間に開示検査を終了し、開示規制違反について課徴金納付命令勧告を行った事例等を追加しました。追加した内容では、代表者等が関与した売上の過大計上、海外売上及びソフトウェア仮勘定の架空計上、関連当事者取引に係る注記の不記載等、近年の開示規制違反に見られるさまざまな事例を積極的にご紹介しています。」
200ページほどの資料です。
会計監査人にも有用なのだそうです。
「この事例集を通じて、不正会計の実例やその背景・原因、会社自身による再発防止に向けた対応等についてご理解いただいた上で、監査対象会社の経営陣や担当者と十分なコミュニケーションを行っていただくことを期待しております。
また、監査報告書に記載される「監査上の主要な検討事項(KAM)」について、その選定・検討においても、この事例集を参考にしていただけるのではないかと思います。」(3ページ)
最新事例は8件取り上げています。残念ながら、会社名は記載されていません(課徴金の金額などから推定は可能?)。
過去の事例も含めて、全部で46件の事例を解説しています。そのほか、審判事例が7件です。
ところどころに「コラム」が挿入されています。そのひとつ(「業界特有の商流」ってどんなもの?」)によると、監視委は、「業界特有の商流」や慣行について調べており、検査に活用しているそうです。
(事例集7ページより)
証券取引等監視委員会の委員の本。↓