金融庁が国内の預金取り扱い金融機関のサブプライムローン関連商品の12月末の保有残高と関連損失を公表したという記事。
保有残高は1兆5190億円、関連損失は6000億円(実減損4420億円、評価損1580億円)です。
金融庁の資料を見ると、10~12月で約3000億円売却損や減損を計上しているのに、保有残高が1000億円増えていますが、その原因についてもふれています(金融庁資料には説明なし)。
「サブプライム関連商品の保有残高が9月末に比べて増加しているのは、金融庁によると「報告ミスが多い」という。金融庁が集計対象とする「サブプライム関連商品」は、証券化商品でサブプライム関連資産が一部でも組み入れられていれば、その商品全体をカウントする基準としているが「9月末集計の当時は徹底していなかったところがあった」(監督局)。12月末と9月末の報告ミスで基準が食い違ったために増加した分は大手行で1800億円だった。
さらに、9月末時点では大手行で簿外に計上していたABCPプログラムが1520億円あったが、これを引き取ったことでバランスシートに計上された分も増加した。また、SIV(投資ビークル)の取引終了によって裏づけ資産を引き受けるケースもあった。こうした9月末との基準の違いによる増加分は3300億円超だった。」
集計範囲を間違えたというのは、サブプライムの影響が及ぶ範囲を銀行がきちんと把握していなかったということなのでしょうか。
とはいえ、資料を見る限りでは(また銀行に関しては)大勢には影響なさそうです。今後は評価損益を計算した際の時価自体が正しいのか、オフバランスになっているデリバティブの損失はないのか、連結から外している特別目的会社で損失が隠れていないか、集計外となっている保険会社やその他の機関投資家、一般企業、企業年金などはどうなのか、が気になるところです。
(所管外なのでしょうがありませんが)金融庁は銀行だけきれいになればいいという方針のようなので、サブプライムの日本企業全体への影響はまだみえてきません。
わが国の預金取扱金融機関のサブプライム関連商品の保有額等について
イーバンク銀、110億円最終赤字・07年4―12月期
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