ジャスダック上場のグローバルアジアホールディングス(プリンシバル・コーポレーション)が有価証券報告書の虚偽記載の疑いで家宅捜索を受けたという記事。
「捜査関係者によると、同社は2012、13年度について、2期連続で債務超過だったにもかかわらず、いずれも資産超過とするうその有価証券報告書を関東財務局に提出した疑いがある。」
「プリンシバル社は、主力だったスーパーマーケット事業が不振に陥り、13年に売却した。昨年5月には、新たに食品関連事業を担う企業を取得する目的で増資すると発表。東京都中央区の証券会社が新株予約権を引き受け、翌月、約2億1200万円をプリンシバル社に払い込んだが、ほぼ全額が直後に何者かに引き出された。
このうち約1億9千万円はプリンシバル社の当時の経営陣らに横領された疑いがあるとして、同社が昨年12月、前社長や取引先の幹部らを相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。同社から流出した資金が反社会的勢力に流れた可能性もあるとみて、警視庁は組織犯罪対策3課が調べる。」
決算を見てみると2014年3月期は債務超過にはなっていませんが、当期の第3四半期累計は貸倒引当金繰入、減損損失、偶発損失引当金繰入などの特別損失1,072百万円を計上して、債務超過に陥っています。継続企業の前提に関する注記もついています(第3四半期)。
もし粉飾があったとすると、当期四半期であわてて損失計上しつじつまを合わせようとしたのでしょうか。
また、赤字を出しつつ増資を繰り返すということをやっているようです。
追加情報の注記でおもしろいことが書いてあります(第3四半期四半期報告書より)
「当社は、平成26年6月27日の第69回定時株主総会(以下「本総会」といいます。)において、前代表取締役含む旧経営者グループ(以下前代表取締役ら)から現経営陣に経営権が交代しております。
この経営権の交代時の混乱に乗じて、前代表取締役らがその地位を利用し、当社の当時の代表印、銀行印、預金通帳及び金庫の鍵を無断で持ち出し、一時その所在が不明となる事態が発生しました。また、本総会での経営権の交代以降、詐欺的な多額の債務返還請求等が当社になされる事態も発生しております。
これらの請求等に関しましては、当社として事実無根の内容が多く、当社の代表印等を悪用し契約書等が偽造された可能性も否定できず、司法の場で争う方針です。
上記について、当第3四半期連結累計期間において、係争費用を含め今後発生が見込まれる損失について偶発損失引当金を110百万円計上しております。また、当第3四半期連結累計期間において、第三者の債務を保証している可能性が高く今後損失の見込まれる偶発的な債務に対し債務保証損失引当金を28百万円計上しております。」
粉飾疑惑があるという前期は個人の会計士が監査しているようです(当期は監査法人アリア)。
いろいろと盛りだくさんです。
↓
ニュースリリース(グローバルアジア)
そのなかで比較的新しいもの
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第三者委員会の調査報告に基づく再発防止策について(2015年3月4日)(PDFファイル)
当サイトの関連記事(2億円行方不明事件について)
2年前にも処分を受けています。
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株式会社プリンシバル・コーポレーションに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について(2012年11月)(金融庁)
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