会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

企業情報開示と監査、大規模な見直しへ(大和総研より)

企業情報開示と監査、大規模な見直しへ

現在進行中の企業開示関連のトピックを解説した記事。

サマリーより。

「◆2017年秋以降、企業情報開示や監査について重要な検討が行われる。

◆情報開示に関しては、事業報告と有価証券報告書の一体的開示、非財務情報の拡充、四半期決算の見直しなどがテーマになり、金融審議会などで検討されると思われる。

◆監査に関しては、監査報告書の透明化が企業会計審議会の監査部会で2017年10月17日から検討が開始される。」

後半の監査に関しては、企業会計審議会の審議状況をファローすれば、今後の動きが予想できそうですが、前半の企業情報開示については、議論の場が拡散しており、動向がつかみにくくなっています。首相官邸(「未来投資戦略 2017」というのが報告書の最新版(企業開示はその中の一項目))、経産省、金融庁(金融審議会など)、公認会計士協会などで、それぞれの立場から議論されているようですが、最終的にどうしていくのか、全体像はまだ見えてこないようです。

この解説記事では、「未来投資戦略 2017」を中心に解説しています。会計士協会の開示・監査制度一元化検討プロジェクトチームによる報告書(会社法の開示書類と金融商品取引法の開示書類の一元化を最終目標としている)にもふれています。

(個人的に気になっている)四半期開示については、すぐに廃止ということにはならないようです。

「未来投資会議の企業関連制度改革・産業構造改革会合では、短期主義を助長するものとして四半期開示の義務付け廃止を、ほぼ毎回、強硬に主張する委員がいた。しかし、企業代表からも投資家代表からも短期主義を助長するという考えに対しては否定的な意見が多く出された。」

「その後、2017 年 1 月 27 日の第 4 回未来投資会議では、安倍首相が「過度に短期的、投機的取引に陥ることなく、中長期的な企業価値の向上を後押しする観点から、四半期報告を含め企業情報開示のあり方を見直し、投資家が真に求める情報が効率的、効果的に開示されるようにしていきます」ととりまとめた。

ちなみに、四半期報告の廃止を強硬に主張していた未来投資会議のメンバーも、2017 年 3 月10 日の第 5 回の企業関連制度改革・産業構造改革会合では、四半期開示を直ちに廃止するのではなく、廃止を目標として段階に見直していく案を提案した。 」
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