オリンパスが、粉飾決算の責任を問うた信託銀行6行からの損害賠償請求訴訟について、和解が成立し、解決金として合計約190億円を支払うという記事。
「19年3月期決算に計上する。同社は同様の損害賠償請求を複数抱えていたが、今回が解決金では最大の金額となる。」
「和解したのは(三菱UFJ信託銀行の)ほかに日本マスタートラスト信託銀行、日本トラスティ・サービス信託銀行、資産管理サービス信託銀行、野村信託銀行、ステート・ストリート信託銀行。過去の有価証券報告書などの虚偽記載によって保有していた株価が下落し、約279億円の損害を受けたとして、14年に訴訟の提起を受けていた。」
粉飾決算の後始末はまだ済んでいなかったようです。
2018年3月期で引当てしていなかったというのは、甘いのでは。
オリンパス、信託銀6行と和解 損失隠しめぐる訴訟(朝日)
「和解についてオリンパスは「訴訟を継続した場合の訴訟費用の増加などを総合的に勘案した結果」と説明。和解金は19年3月期決算に損失として計上する。」
最近読んだ本(2年前に出た本ですが)。オリンパス事件第一通報者(現役社員)と事件をスクープした記者が書いています。
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![]() | 新書813内部告発の時代 (平凡社新書) 深町 隆 山口 義正 by G-Tools |
あずさ監査法人と新日本監査法人も何カ所かで登場しています。
「監査法人については、あずさ監査法人の佐々氏だけはプロフェッショナルとして仕事をしたと評価はできる。菊川氏、山田氏を辞任に追い込もうとするだけの気迫はあった。しかし、悲しいかな、日本では監査法人は雇い主である会社により簡単に解任されてしまうのである。その後を引き継いだ新日本監査法人は、最初からプロフェッショナルとしての自覚に欠いていた。監査は形式だけの緩いものだった。」(225ページ)
この本によると、粉飾に関与した社員は、オリンパス社内でほとんど処分を受けなかったのだそうです。つまり、監査人を長年にわたってだましてきたような人たちが、まだ社内に多く残っているということになります。