2月3日は、節分です。節分という言葉は、文字からわかるように季節の変わり目を意味します。節分の日は、立春、立夏、立秋、立冬の前日を意味しますが、現在では一年を春から始まる立春の前日だけに使われています。立春を元旦と考えると、節分は大晦日になりますね。
この時、前年の邪気を鬼に見立て「鬼は外」と厄払いをし、新しい年を迎え「福は内」と福を呼び込む、これが節分です。
節分には、豆をまきますが煎った大豆を使用します。陰陽五行の法則*1で、木、火、土、金、水の五元素を自然の道理とし、とても硬いといか、厄病、鬼の象徴である金棒などが「金」にります。大豆はとても硬いのでこれも「金」になり、この「金」の作用をなくすのが、五行でいう「火」に当り、豆を火で煎ります。
生のままの豆を拾い忘れ、部屋の片隅で芽が出ては困りますよね。(縁起も良くない)また、すぐ拾って食べたりしていましたから、煎ってある方が良いです。(笑)
「豆まき」は、もともと豆を「打つ」と言っていましたが、農民の豊作を願う気持ちから「まく」に変わったとされています。
節分には、もうひとつ変わった飾り物があります。鰯(いわし)の頭を焼き、柊(ひいらぎ)に刺し玄関に飾る「焼嗅(やいかがし)」「鰯柊」「柊刺し」です。鰯のくさい臭いは鬼が嫌い、柊のトゲで鬼を突き、家に入らせない魔よけや厄除けでもあります。
焼嗅(やいかがし)の変わった目的の使われ方として、焼いた鰯の頭が蛇の口のように見えることから、「蝮や蛇の口、焼き申す」と言い「蝮や蛇に噛まれない」おまじないとしても使われていました。(写真参照)
季節の行事をインテリアに取り入れて楽しんでみる。
最近は、スーパーやコンビニでも節分セットが売られています。
そして、前回ご紹介した「三方」を利用します。飾り方は、半紙を写真のように折り、三方に載せ、枡と豆、お多福と鬼のお面、焼嗅(やいかがし)を飾ります。
今年の節分は、古来の風習で楽しんでみませんか。
*1:陰陽説と同じに昔の中国で生まれた考え方で、宇宙の森羅万象を五つの要素で説いたのが、五行説です。
五行とは、木火土金水(もっ・か・ど・ごん・すい)、この五つの要素で成り立っています。
仏教では、地水火風空、陰陽説が、安定した共生の概念を表し、それに対し、五行説の五つの要素は、うつろいゆく循環の法則を表しています。