約150年前に西洋から伝来した西洋家具造り。日本では横浜が発祥とされ【横浜クラシック家具】と称され現在にその伝統技術を受け継ぐ、横浜元町のダニエル。そのダニエルが構える家具修理工房が【家具の病院】である。
今回修理に入ってきた椅子は、イタリア製のクラシックチェア。
入院後、キレイに分解されパーツを再度組み立て工程を施し、椅子張り工程にはいる。
一番最初に行う工程は、ウェビングテープを張り、スプリングの底を支え、座り心地を演出する。
最近はこのウェビングテープをビニール製やゴム製のモノを使用するところがほとんど。
すると、経年劣化が早く、3年から5年で劣化が始まり10年もすると輪ゴムのバリバリっとなったような状態になってしまう。
ここがポイント! ダニエルでは、昔から麻の帯のテープを使う。麻は経年劣化がほとんどなく30年使用していも多少伸びる程度で、ズッボッと椅子の座面が抜け落ちてしまうことはない。
その後、スプリングを一つ一つ乗せ、単独のスプリングを同じく麻のテープで結っていく。
このバランスが全て。このバランス一つで座り心地が変わる。張りを残しながら、弾力性のある掛け心地を演出する。このように、単独スプリングを一つ一つ結っていくこともとても熟練の技が必要。
見事に結いあがったスプリングの出来栄えは見事。
その後、クッションの上に綿を引き、強度がある麻を一枚ひく。
フレームの枠に合わせて土手を製作。以前はここにワラを使用してた。現在はウレタンの堅いモノを使う。
古いモノでワラが出てきた場合は、そのままワラを使う。
土手が出来たら、その上にシュロやワラ、ヤシの繊維を入れる。
ここがポイント!! 現在はここで一枚ウレタンを置いて布地を張って終わり。
ダニエルでは、スプリングの弾力性を上げるために耐久性の高い前記の植物繊維を入れる。今回はヤシ。
シュロやワラは長い間の使用に対してウレタンよりも、高い耐久性がある。
また、自然素材で体にも環境にも優しい。
最後に、ウレタンを施す。
そして、ご依頼の革を用意し張っていく。
今回のご依頼では、背中の籐張りの色直しも一緒にご依頼いただきました。
ここがポイント!! 普通椅子直し、張替屋さんは【椅子のグラ直し】や【塗装修理】はやらないか、外注。
そのために、一貫した製品管理ができなかったりコストが高くなったりする。
ダニエルの場合は、既存のダニエル家具製造ラインがあるために、全ての工程においてダニエル、生粋の職人集団が修理を一貫して行う。 そのため、出来上がりに村が無くキチンと一貫した管理ができるのである。
最後は鋲を丁寧にひとつひとつ打ち込み、張り上がり。
簡単に見える鋲打ちでさえ、まっすぐ均等に、頂いた4脚ともに同じように打つのは至難の業。
このようにして、【椅子の修理】がおこなわれる。
日本で手に入らない、シュロや馬毛等の天然素材は海外からの輸入品。ダニエル自身がモノづくりをする一方で海外輸入商品の総代理店をいくつも兼ねているからこその離れ技と言える。
良いモノを長く使う。家族のパートナーである家具を次世代に受け継ぐ。その使命を持って今日も職人たちは家具造りに励んでいる。
ちなみに、今日椅子張りを行った職人、今村君はダニエルが解説する【家具の学校】の生徒さんから職人になった一人。
【家具の学校】は家具の病院の付属機関。修理して使うモノづくりを体験してもらうと始めた学校は、今年で13年目。
写真から昔の家具を復刻したない様が新聞でも紹介されています。『吉田茂元首相邸』の件
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家具修理】・【家具の学校】、どちらもお問い合わせは、ダニエル【家具の病院】で受付可能。
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