kage日記 読書&お仕事編

読書記録、仕事雑感(愚痴?)

フェミニズム考

2021-04-13 16:39:00 | 読書記録
〜はじめに〜
なんだかタイトルがお堅い論文みたいになってしまったが、単なる読書感想文なので、論点がおかしいとか考えが浅いとかかみつかないで下さいね。

 
私はフェミニストではないし、フェミニズムを学んだこともないのだが、考え方自体は理解できるし、こういう関係の本が定期的に読みたくなったりする。
田島陽子先生は、実は私の大学の大先輩であり、大学で講師として女性学の講義をやっていたりもした。私は一度、聴講で講義を聞きにいったことがあるが、よりによって「アダルトビデオをみんなで見ましょう」という内容だった。←それが男目線でどのように描かれているのか、というのを論じる真面目な授業です。
 
「女は愛でバカになる」「愛という名の支配」田島陽子著
 
読んだ順序はこの順だが、実は「愛という名の~」が1992年、「女は愛で~」が2003年だった。
1992年は私がちょうどまさに大学生のとき。この「愛という名の~」の内容をより過激な読み口にしたのが「女は愛で~」だ。
「女は穴と袋」と言い切り、家事労働を奴隷船に例えたりと、核心はついているし正論ではあるが、さすがにちょっと・・・と女性の私ですら引いてしまうかなりとんがった表現多数。もはや男性を全員敵に回してはばからない潔さだった。
 
このころはちょうどフェミニズムが注目を浴び、田島先生もよくテレビに出ていたが、こうやってセンセーショナルに男女平等を叫び、「キワモノ」にでもならないと男社会では相手にされない、と敢えてこういう過激なスタイルをとっていたのではないかと思う。こうやって、正面から男性と敵対し、張り合うスタイルで「フェミニズム」を浸透させていった、いわゆる先駆者であると思う。
「愛という名の~」では、もう少し学術的に、自分の生い立ちなども含めて書いているが、意外だったのが、実は田島先生は恋愛体質で、外国人男性との大恋愛もあったとか!
 
「男尊女子」酒井順子著
酒井順子さん、名前は知っていたが著書はお初。実は「負け犬の遠吠え」とか「おひとり様」という言葉のイメージが独り歩きして、きっとこの人も声高にフェミニズムを叫ぶ人なのではと食わず嫌いしていた。
 
しかし、読んでみて、全然違った。すとんと腑に落ちた。
 
私たちの年代は、女性も教育を受け、仕事を持ち、男性と平等に、という教育を受けてきた。まさに田島先生のような考え方に共感しながら育ってきた。しかし、親世代はまだ昭和で、我々も頭ではわかっていながら、やはり男性を前に立て、お茶は女性がいれ、デートの飲食代は男性の方が多く、結婚は向こうの家に入る、という意識がどうしても抜けきれないのだ。フェミニズムを声高に叫ぶのではなく、男女平等といいながら、うまく男性を利用する、とでもいうのだろうか。酒井順子さんは私とほぼ同世代。「男女平等」のためにもやもやしつつも、やはり昭和な考えは捨てきれない、という我々世代のジレンマ
に、ああ、これだよこれ、いちいちうなづきながら読んだ。食わず嫌いして、ごめん、と思った。
 
こちらの本が出たのは2017年。田島先生の時代から20年。田島先生が身体を張ってフェミニズムを展開し、それを20年後の我々世代が浸透させ(過渡期)子ども世代がつないでいく。
 
ちなみに、私の前の会社の社長(昭和の女性)は「今の人たちは、旦那さんにゴミ捨てをさせるんですって」と心底驚いて嘆いていた。まさにダンナにゴミ捨てをお願いしている我が家だが、心の片隅では「そんなことさせても・・・いいんだよね」」という意識がどうしてもぬぐえていない。それを「え?自分もゴミだしてるんだから当然じゃん」と男女ともに思うのが、今の世代なんだろうな。
 
※その後「負け犬の遠吠え」「中年だって生きている」も読んだ。酒井さんの観察眼は本当にすごい!
 
 


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