友人の死

朝、珍しく携帯が鳴った。でも洗濯物を干していたので気付かなく、着暦を見て「珍しいなあ～。子供のいたづらかな？まあ、用があればまた電話がくるでしょ」と友人からの電話をそのままにしておいた。
そして、さて仕事に行って来るぞ！と出かけようとしたその時、また携帯が鳴った。さっきの友人だった。「もしもし。久しぶり。元気？」。。。うん、久しぶり。久しぶりに電話したのに。。。と友人の声が詰まった。。。おかしい。何？誰かに何かあった？。。。ドキドキして友人の声を待った。
「あっちゃんが、あっちゃんがね、死んじゃったんだよ」

あっちゃんと言うのは結婚する前まで働いていた会社の人でとにかく豪快な女だった。「豪快でパワフルな女」という言葉が本当にピッタリな人だった。
体に見合うパジェロを乗り回し、田舎言葉で口が悪く、顔も怖くて酒が強くて、でも料理はうまいわ、着付けやヘアーメイクも上手で、面倒見も良くて、とにかく顔が広い人間だった。実際、顔も大きいのでよくからかっていたけどね。
どこかに行っても必ず知り合いがいた感じだった。そして常にスキルアップ目指して通信講座も受けていた。とにかく忙しく、よく働いている人だった。

肺がんだったんだって。若いから進行が早くて余命一年って言われたのに半年しかもたなかったって。他の友人はあまり体調が良くない、位な事は知っていたらしい。でも私は田舎を出てるから全然知らなかった。

次の日私は偶然にも休みを取っていた。子供達をプールに連れて行く約束をしていたから。でも雨が降っていてプールは中止。いいように流れてお通夜に出る事が出来た。

病気なんか蹴飛ばす勢いがある人だったのに。。。娘には「こんなお母さんでごめんね」と言ったらしい。そんなしおらしい人じゃなかったのに。
葬儀が終わってから旦那さんが挨拶に来てくれてくれた。この時に話を聞くことが出来た。
そして最後に顔を見てきた。これで会うのは最後になっちゃうからしっかり顔を見てきた。

あっちゃん、また一緒にお酒飲みたかったよ。あっちゃんの手料理食べながら、みんなで騒ぎたかったな。

あっちゃん、安らかに。ゆっくり休んでね。