gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ある閉ざされた雪の山荘でを見て

2024-01-21 03:41:41 | 映画感想
映像  ☆
脚本  ☆☆
役者  ☆☆☆☆
演技  ☆☆☆☆
意外性 ☆☆★★

といった感じ。
面白い部分もあったが、ツッコミながら見る感じになってしまった。

若手俳優7人が、有名劇団の次回作のキャストを決めるオーディションに参加するため、海辺のロッジに集合するところから物語は始まる。
オーディション内容は、「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで演技をし、課題の事件に対処しながら謎解きをするというもの。
最初の夜を思い思いに過ごす参加者だったが、朝になると一人が姿を消していた。
シナリオなのか、本当の殺人なのか、参加者達は疑心暗鬼になって・・・

という筋のはずなのだが、いかんせん海辺のロッジなので、まったく緊迫感が無い。ドアも普通に開くのである。携帯電話もある。
途中、帰ろうとするキャラがいるが、何かと理由をつけて結局帰らないので、いや帰れよとイライラしてくる。
しかも帰るのはしぶるくせに、雪の山荘の設定を無視して平気で庭でタバコを吸ったり、話し込んだりしている。
完全に脚本的に失敗しているが、最後の方で一応のまとまりやどんでん返しがあるので星を2コ残した。

映像は地味だった。
ロッジが狭いので場面に変化が無いし、殺害シーンもチープだった。
途中、建物の見取り図の中で登場人物が動き回る演出が、何度も意味ありげに出てくるが、特に意味はなかった。ただ推理小説感を出す効果はあった。
致命的だと思ったのは、犯人の顔バレだ。主人公の久我(重岡大毅)による最初の殺人の考察の際、殺人の様子を脳内で空想しているはずが、犯人の顔が見えてしまっていたのだ。僕は知らない役者の顔があまり区別できないので、犯人は分からなかったが、謎の演出だった。

役者や演技は良いと思った。
ネタバレなので詳細は後述するが、麻倉役の森川葵が最後印象に残った。
その他の役者もそれぞれの役の雰囲気にあっていたと思う。

意外性の星は良い面悪い面どちらもあったので☆★どっちもつけた。
良い面はラストの終わり方。
悪い面は予告編で雪の山荘を期待させておいて、盛大に肩透かしを食らわせたこと。


以下ネタバレを含む感想。
・ラストシーンの変身
舞台で演じる麻倉(森川葵)が急に魅力的になっていてびっくりした。回想シーンのオーディション演技では、演技はクサイし(劇中ではいい演技となっていたが・・・)容姿もあまり良いとは思わなかったが、ラストシーンの舞台メイクをバッチリ決めた姿は別人のようだった。オーディションでもあのヘアメイクでいけば受かっていたのではないだろうか・・・。
・推理がひどい
最終日、久我、田所(岡山天音)、中西(中条あやみ)の三人が一緒に一晩過ごしてアリバイを作り、本多(間宮祥太朗)を犯人と断定するくだりがひどい。
確かに証拠にはなるだろうけど、中西はともかく田所を信用するand田所に信用される過程が描かれていないので唐突過ぎる。
しかも課題が終わった体で帰ろうとする本多を、実際に殺人が起こったものとして引き留め、推理を始めるのも異常。事件が起こる(起こった)と思うなら早く通報しなさいよという話になる。
犯人捜しが許されるのは「雪の山荘」だからであって、道路沿いのロッジでは不自然極まりない。最初の設定に足を引っ張られた感じ。
というか最後の一晩くらい徹夜しろよ。ゆとりか!と言いたい。
・結局は?
映画で語られていた内容全部が、最後の舞台で演じられていた劇だった、と解釈をしたい。
ただ、それを明示してくれないのでモヤモヤして終わってしまった。麻倉が立ち上がってカーテンコールにお辞儀するとかしてくれれば良かったのだが。
もし事件パートが本当に起きてたら、最後に仲良く舞台で演技は気持ち悪すぎない?(そして誰よりも主宰の演出家がクズすぎる)

ゴジラ-1.0を見て

2023-12-06 12:42:41 | 映画感想
映像  ☆☆☆☆☆
脚本  ☆☆☆☆☆
演出  ☆☆☆☆
演技  ☆☆☆☆
役者  ☆☆☆☆☆
迫力  ☆☆☆☆☆

といった感じ。
日本映画に復活を思わせる良い出来だった。

主な舞台は戦後すぐの日本。
戦争末期、特攻隊員の主人公・敷島浩一(神木隆之介)は搭乗機の不調を訴えてある小島に不時着する。
その晩、現地住民がゴジラと呼ぶ巨大生物に整備基地が襲われ、敷島と整備隊長の橘を除く全員が犠牲になってしまう。
彼等の死に責任を感じ、生き残ったことに後ろめたさを残したまま、復員する敷島。
罪悪感にさいなまれる敷島だったが、子連れの女性(少女?)・典子(浜辺美波)との出会いを機に少しずつ救われていく。
数年後、東京の復興も進みはじめた矢先、水爆実験の影響で、より強大になったゴジラが表れ東京を襲う・・・。

初代ゴジラのリメイク的作品で、ゴジラは人類の完全なる敵として描かれる。

映像・演出として、ゴジラの描き方が良かった。
幼少期に平成ゴジラに魅了された身として、近年の弱すぎるゴジラ(ハリウッド)や気持ち悪いゴジラ(シン)に感じていた不満を払拭してくれる造形であり、力強さだった。
一方で初代ゴジラの趣も残したものか、人間の兵器がギリギリ通用するラインで描かれているのも、かえって迫力を増すのに一役かっていた気がした。
序盤の重巡・高雄との格闘に手に汗を握り、銀座のビルを薙ぎはらって進む姿に絶望を覚える。迫力満点の映画体験を味わえた。
ゴジラを明るい場所で動かして、真っ正面から描いていたのも好印象だった。
ただ、最後の決戦で少し息切れした感(詳細は後述)があったのが残念だった。

脚本では(一応ネタばれ部分は後述)ご都合主義や分かりやすい伏線があった。が、そんなこたぁどうでもいいんだよ!といった具合に、物語に上手く作用していたので、無視して星をつけた。
人物描写も自然な流れでできていて、感情移入がしやすかった。(掃海)艇長や出始めの典子など、やややり過ぎた感はあった。


役者・演技では、神木隆之介が意外に良かった。ゴジラによる悲劇にみまわれたシーンや明子(典子の連れ子)との触れ合いの場面は胸にくるものがあった。
浜辺美波の典子は、出だしと中盤以降で性格が変わっている気がしたが、明子の世話をしているシーンなどは優しげで魅力的だった。
隣の意地悪おばさんも、明子にほだされていく様子が、良く表現できていた。
そして、その全てを支えた、明子役の子のいとけない演技が完璧だった。
一方で、一部わざとらしく感じる台詞や演技もあったので、☆4つにした。

総じて傑作と言えるのではないだろうか。


※以下、ネタばれを含む感想
【ご都合1・速すぎる高雄】
掃海艇でゴジラの足止めを任された敷島一行。ピンチに颯爽とあらわれた高雄。足止めとは一体・・・。
でも重巡洋艦がかっこいいからヨシ。
第一、間に合わなかったら話が終わっちゃうからね。
【ご都合2・速すぎる敷島】
銀座を闊歩するゴジラ。逃げる人波にのまれる典子。転んだ彼女を助け起こしたのは・・・、ラジオを聞いて駆けつけた敷島!そんなバカな!
でもその後の、爆風に吹き飛ばされた典子の復讐を誓う流れを思えば、必要な演出だった。
【ご都合3・生きていた典子】
ラスト、実は銀座襲撃を生き延び、病院に収容されていた典子。そんなバカな!
でも終わり良ければ全てヨシ。



死霊館のシスター 呪いの秘密 を見て

2023-11-04 01:33:17 | 映画感想
映像  ☆☆☆☆
脚本  ☆☆
演出  ☆☆☆☆
役者  ☆☆☆☆☆
雰囲気 ☆☆☆☆☆
意外性 ★★★★

といった感じ。

実話をモデルにした、ウォーレン夫妻が登場する心霊ホラー『死霊館』シリーズの前日譚、『死霊館のシスター』の2作目。
前作で悪魔と対峙し、打ち勝った、シスター・アイリーンと農夫・モーリスが、南仏の女子寄宿学校に巣くう悪魔と対決する。

映画を良くした最大の功労者はロケ地を決定した担当者だろう。
若干時代がかかり過ぎているきらいはあるが、いかにも悪魔がでそうな校舎を、可憐な女子生徒が駆け回る様子は美しくもあり、残酷でもあった。
準ヒロインのソフィーを虐める、いじめっ子3人組みなどは、特にルックスが良く、いじめの嫌らしさをよく表現できていた。(実際のところ、直のいじめシーンより、意味もなく含み笑いをしながら走り去るシーンの方が、陰キャ的トラウマを上手く刺激してくる)

暗がりで蠢く怪しい影(登場人物の注意が向くと消える)や、瞬間的に現れ、登場人物を脅かす”見間違い”などの恐怖演出も良かった。
盛大に上がる火柱も迫力があって良かった。

脚本は不味いと思った。
場面転換が多く、序盤の20分ぐらいは混乱があった。前作を見ていれば、アイリーンとモーリスに注目して混乱を避けられるのかもしれないが、寄宿学校の古さもあって、時代の混乱も感じた。
また、最初は恐ろしく強力だった悪魔が、終盤いきなり弱くなったのも、演出上仕方ないとはいえ気になった。(出だしで神父を瞬コロしたのに、最後の追いかけっこでは誰も殺せていない)
古典に学び、ドラキュラ映画の日没と日の出のような仕組みがあった方が、整合性がとれ、緊迫感が出るのではないだろうか。

意外性の★は、僕に起因することで、作品のせいではないのだが、つけざるを得なかった。
というのも、スピンオフの2作目という今作の立ち位置を知らないまま見たため、いっこうに現れないウォーレン夫妻に苛立ち、だけど見覚えのあるようなシスター(※アイリーンとロレイン・ウォーレンの役者は実の姉妹ならしい)に既視感を覚えつつも、「全然違う話なんだな。そこそこ面白いけど、死霊館なんて紛らわしい題名つけるなよ」とプリプリしていたら、見覚えのある感じのエンディングロールが始まり、「んんん?」となってるところに、最後エド・ウォーレンが現れギャフンとなる、という裏切られ方をしてしまったのだ。
逆恨みだが、裏切られたので★。

余談だが、売店で買った『ゆず生姜茶』が美味しかった。
(美味しかったのだが、何を思ったか『ゆず”なま”しょうが』だと空見してしまい、注文する段になって、”茶”に気づき、「ゆず、なましょう…ちゃ?」とアホな注文をしてしまった)


禁じられた遊びを見て

2023-10-02 00:58:40 | 映画感想
映像  ☆☆☆☆
演技  ☆☆☆☆
役者  ☆☆☆☆
脚本  ☆☆☆
音楽  ☆☆☆☆
動悸度 ☆☆☆☆☆

といった感じ。

橋本環奈主演のホラー。
彼女(倉沢)がかつて片想いを寄せていた元同僚・伊原を重岡大毅が演じる。
伊原には妻子が有り、その妻・美雪は超常的な能力を有していた。倉沢は美雪にその恋心をさとられ、呪われてしまう。
数年後、いったんはおさまっていた呪いが、美雪の死によって甦る・・・。

ストーリーはペットセメタリーとオーメンと呪怨をごちゃ混ぜにした感じで、それは目を瞑ったとしても、アラ(一応ネタバレとして後述)があるように感じた。
テンポはよかった。

映像はやや安く見えるシーンもあったが、お決まりの暗すぎる(照明的に)シーンが無く、何が起きているかちゃんと分かるところに好感を持てた。
荒れ果てた伊原宅の様子や、橋本環奈のマンションのエレベーター、シソンヌ演じる霊能者の事務所など、セットの雰囲気がよくできていた。
反面、CGは良くなかった。日本映画の技術や予算が心配になった。

演技と役者で目を引いたのは、まずは橋本環奈の恐怖顔だった。
やや表現力が伴っていないところがあって、顔芸と紙一重だったが、硬直するほどの恐怖とその手前の恐怖の差が表現されていて良かった。
霊能者の師弟コンビも良かった。特に弟子役の人がかっこ良く、死に際の見せ場もアクション要素があって良かった。
重岡大毅もホラーヒロインの相手役(顔が良く、正義漢で、行動力があり、しかし頼りにならない)を完璧にこなしていた。

エンドロールの主題歌もb少し不気味な感じがエンドロールにあっていた。

動悸度はドキドキを伴う恐怖感。
基本的な『あっち見て、振り返って、バァ』の演出が多かったが、さすがのテクニックで、ちゃんと全部ビビらされた。
吊り橋効果でデート映画にもってこいかもしれないと、一人思った。
(余談だが、客は本当に僕一人だった。その意味でもデートに使えるかも?)


※ネタバレを含むアラ

美雪の能力が息子に引き継がれて、黒幕は実は息子で、という流れでは、倉沢(橋本環奈)が恨まれる要素が無いのではないかと思った。息子に引き継がれたことで、力が強まったということにしたかったようだが、息子が倉沢を恨むきっかけが皆無だったので、あくまで黒幕は美雪にするか、倉沢が美雪の死に関わっているかした方が良かったと思う。
美雪に倉沢が立ち向かうシーンも尻すぼみになった感じがした。生者の力強さが見れた方が良かったのではないか。

シンウルトラマンを見て

2022-06-12 07:14:46 | 映画感想
映像☆☆☆☆☆
音楽☆☆☆☆☆
脚本☆
役者☆☆

といった感じ。

変身後のウルトラマンがでているシーンが、迫力満点で良かった。大画面、大音響だと怪獣が倒れるときの振動が感じられるので、ぜひ映画館で見て欲しい。昔の特撮をオマージュしたらしきいくつかの演出も、宇宙人らしさ、SFらしさを引き立てていたと思う。

音楽もよかった。米津玄師の主題歌はもちろん、戦闘時にかかる曲も緊迫感を盛り上げるのに一役買っていた。

以上が全てだったと思う。

ネットでは長澤まさみへのセクハラ演出やゼットン改変への批判が話題になっているが、それより禍特隊を含む人間の描き方や基本的なストーリー展開ができていないのが問題だと思った。

主人公の神永にしてからが、ウルトラマンと融合する以前の描写がほとんど無い。融合後も人間形態の時もウルトラマンの人格として行動しているので、神永がどういう人物かわからない。なので人間と融合(寄生・憑依等も)した人外が、主人公と影響しあうことで生まれるドラマ(寄生獣などに顕著)が今作には無い。融合ものの必須かつ最大の強みを捨てる理由がわからない。
神永は、長澤まさみ含め、禍特隊ともほとんどからまないので、ウルトラマンが人間に肩入れする動機付けが薄く、感情移入ができない。

禍特隊や政府の要人も変にシニカルで、政治的な要素ばかりを気にして、怪獣や宇宙人に対する危機感が無いのが気になる。ウルトラマン出現以前に、自力で怪獣を何体か駆除している設定とは矛盾しないのかもしれないが、そのわりに活躍する事も無く、緊迫感が薄れるだけで、ストーリー的には失敗だろう。

感情移入が薄いままエンディングに突入。米津玄師の曲が1番の感動ポイントだった。

予告があった仮面ライダーに期待したい。(浜辺美波大好き)