ははたおれる!?
それは、ある日突然起こった。
俺が、風呂からあがり、ドライヤーでサッと髪を乾かしていた時だった。
ガタガタ、ドッ、ドドッツ、ドシッ、ドン
とでも、表現したらいいのか、とにかくけたたましい音がリビングから聞こえてきたんだ。驚くよな。
なにしろ、夜の12時だぜ。家の中で出す音じゃないだろ?普通は?
リビングには確か母親がいるはず・・・・何事?俺は少し不安になった。
「お母さん!?何の音?」
声をかけたが、応答がない。
俺がリビングへ行こうとしたら、パタパタと二階からアニキが下りて来た。
「おい勇気、何の音だ?」
「わからんけど、お母さんしかいないはず・・・」
「おかあさん!?」
一足先にリビングに入ったアニキが叫ぶ。
アニキの肩越しに、ダイニングテーブルの足元に母親が倒れているのが見えた。 「おかあさん!?どうした?大丈夫?
おい、勇気。お父さんを呼べ!」
アニキに言われ、俺は父親の部屋へ向かった。
足が震える。心臓がパクパクいってるのが分かる。
声を出そうとするけど、のどの奥が詰まったようになって、うまく声が出ない。 「お父さん、お父さん。お母さんが!」
なんとか父親を起こして、リビングへ。
母親は、目を開けていた。しかし、どこか痛そうに、苦しそうに顔をゆがめる。 「おい、どうしたんだ?大丈夫か?」
母親は答えようとするが、声にならないようだ。無理にしゃべらせて大丈夫か? 「・・・・・・・・こ、こ・・し・・・、腰が・・・」
「?・・・・腰のあたりが痛いのか?」
「・・そ・・・。膝も・・・いたっ・・」
「え?膝?ぶつけたのか?」
「痛くて、それで・・・倒れて・・・」
「・・・え?・・・」
少しずつ落ち着いてきた母親が言うには、つまり、
座ってアイロンがけをしていた母親が、かけ終って、立って台所へ歩こうとしたら、膝が痛くて かつ十分に伸びなくて、よろけたらしい。
おまけに腰も痛くて、体勢をたて直せずテーブルに激突。倒れた時にイスの角に頭をぶつけ、脳震盪を起こしたらしい。
「痛たたっ・・・」
と言いながら、母親はテーブルにつかまりながら、足を引きずるように歩く。
すごく痛そう。
そういえば、よく腰が痛いから少し揉んでくれとか、膝が痛いとさすっていたりしていたような・・・・
とにかく、たいしたことがなくて? よかった・・・・よな?
さすがに、俺もビックリした。
まだ、心臓がバクバクいっている。
しかし、パニくると、救急車を呼ぶこともすぐには思いつかないものだ。
まあ今回は、急いで呼んだりしなくて、かえってよかったけどさ。
人騒がせな「母倒れる事件」は、突然始まりなんとなく、収束しそうだった。
俺は、自分でいうのもなんだが、まあ結構「いい子」だから、明日からは少しくらい母親の腰をさすってやってもいいかな、とか思った。
父親にいわれて、明日は整形外科へ行くようだし、この騒ぎはこれでお終いかと本当に思った。
・・・・・しかし、これが俺の生活に新しい危機をもたらすことになった。
それは、ある日突然起こった。
俺が、風呂からあがり、ドライヤーでサッと髪を乾かしていた時だった。
ガタガタ、ドッ、ドドッツ、ドシッ、ドン
とでも、表現したらいいのか、とにかくけたたましい音がリビングから聞こえてきたんだ。驚くよな。
なにしろ、夜の12時だぜ。家の中で出す音じゃないだろ?普通は?
リビングには確か母親がいるはず・・・・何事?俺は少し不安になった。
「お母さん!?何の音?」
声をかけたが、応答がない。
俺がリビングへ行こうとしたら、パタパタと二階からアニキが下りて来た。
「おい勇気、何の音だ?」
「わからんけど、お母さんしかいないはず・・・」
「おかあさん!?」
一足先にリビングに入ったアニキが叫ぶ。
アニキの肩越しに、ダイニングテーブルの足元に母親が倒れているのが見えた。 「おかあさん!?どうした?大丈夫?
おい、勇気。お父さんを呼べ!」
アニキに言われ、俺は父親の部屋へ向かった。
足が震える。心臓がパクパクいってるのが分かる。
声を出そうとするけど、のどの奥が詰まったようになって、うまく声が出ない。 「お父さん、お父さん。お母さんが!」
なんとか父親を起こして、リビングへ。
母親は、目を開けていた。しかし、どこか痛そうに、苦しそうに顔をゆがめる。 「おい、どうしたんだ?大丈夫か?」
母親は答えようとするが、声にならないようだ。無理にしゃべらせて大丈夫か? 「・・・・・・・・こ、こ・・し・・・、腰が・・・」
「?・・・・腰のあたりが痛いのか?」
「・・そ・・・。膝も・・・いたっ・・」
「え?膝?ぶつけたのか?」
「痛くて、それで・・・倒れて・・・」
「・・・え?・・・」
少しずつ落ち着いてきた母親が言うには、つまり、
座ってアイロンがけをしていた母親が、かけ終って、立って台所へ歩こうとしたら、膝が痛くて かつ十分に伸びなくて、よろけたらしい。
おまけに腰も痛くて、体勢をたて直せずテーブルに激突。倒れた時にイスの角に頭をぶつけ、脳震盪を起こしたらしい。
「痛たたっ・・・」
と言いながら、母親はテーブルにつかまりながら、足を引きずるように歩く。
すごく痛そう。
そういえば、よく腰が痛いから少し揉んでくれとか、膝が痛いとさすっていたりしていたような・・・・
とにかく、たいしたことがなくて? よかった・・・・よな?
さすがに、俺もビックリした。
まだ、心臓がバクバクいっている。
しかし、パニくると、救急車を呼ぶこともすぐには思いつかないものだ。
まあ今回は、急いで呼んだりしなくて、かえってよかったけどさ。
人騒がせな「母倒れる事件」は、突然始まりなんとなく、収束しそうだった。
俺は、自分でいうのもなんだが、まあ結構「いい子」だから、明日からは少しくらい母親の腰をさすってやってもいいかな、とか思った。
父親にいわれて、明日は整形外科へ行くようだし、この騒ぎはこれでお終いかと本当に思った。
・・・・・しかし、これが俺の生活に新しい危機をもたらすことになった。