「良くなった?」
「あら、この前は、ありがとう。 おかげさまで、なんとか普通に戻れた気がする」
「それは、何より。 今日は、美味しいものでも食べに行こうか?」
「はあい! でも、先生、怒ってる訳じゃないけど、この前のこと...先生が二重スパイだとは思わなかったわ!」
「二重スパイだなんて、酷いなあ」
「私に、協力してくれていると思わせて、実はナナさんにバラしてたんでしょ? ずるい!」
「ホントは、イヴォンヌの計画通りのつもりだったんだけど、勘の良いナナには、通用しなくて白状させられてしまったよ」
「まあ、しょうがないかぁ! 先生と、ナナさんは、夫婦同然だから、嘘は通用しないんだね」
「夫婦同然なのかなあ? そうでも無いと思うんだけど...」
「ナナさんも、流れに乗ってくれて、結果オーライだったから、むしろ感謝してるけどね。 おかげで、風邪も吹っ飛んだし」
「きっとナナも、イヴォンヌの身体と、精神状態を考えて、そうしたんだよ」
「うん、うん。 皆に感謝してる」
「しかし、あの時、指だけで、あんなに早く、イヴォンヌが逝っちゃうとは思わなかったよ」
「私も、自分でビックリしたのよ。 ホントは、もっと楽しみたかったのに...」
「正直言って、ナナとだけじゃなく、イヴォンヌともしたかったよ。 だけど、たったあれだけで、全身、汗びっしょりになって逝ってしまったから...、あれが、風邪を追い出すチャンスだろうと、ナナも僕も、思ったんだ」
「そうだね。 汗をかいたからこそ、完治できたと思う」
「多分、今回のイヴォンヌの不調は、精神的な原因もあっただろうし、その意味で、Hは必要だったんだろうね」
「ビタミンHが、不足だったかなあ?」
「そうそう! 相変わらず、イヴォンヌの言葉遊びは、面白い」
「食べに行ってから、互いのビタミンHを補給し合う?」
「おう、それは良いねえ」
「それとも、ビタミン補給を先にしてから、食事に行く?」
「ふむふむ...」
「何を考えてるの?」
「あえて、イヴォンヌが、そうゆう言い方したことを考えると...」
「あら! もう、脱ぎだしちゃった」
「イヴォンヌのご要望に沿うために...」
「私のせいにするの?」
「そんな、嬉しそうな顔されたら、堪らないよ」