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投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

武士の家計簿(豆腐) - 映画に出てくる食事の場面(12)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
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2010年の邦画。磯田道史原作のベストセラー「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を森田芳光監督が映画化。出演は堺雅人、仲間由紀恵、中村雅俊、松坂慶子、西村雅彦、他。

身分的中間層論というのがあって江戸時代は厳しい身分制社会の様にいわれるが、文字通りそうであったら社会は回っていかない。下級武士の場合一家から能力しだいで何人でも勤めに出ることができ、このような実務系の下士が明治以降の官僚軍人として重要な位置をなしたそうだ。映画では堺雅人の息子が明治になって陸軍主計官となっている場面も出てくる。

映画の舞台は幕末の金沢藩。

金沢藩御算用場に勤める中村雅俊、堺正人親子。中村雅俊の代になっての禄の加増、二人で勤めることにより家計は潤い中村の書画骨董趣味、母の松坂慶子の着道楽と下級武士の家としては優雅な生活をおくる。妹は結婚し堺正人も仲間由紀恵をめとる。息子の祝いに親戚をよび宴を設ける段になって堺雅人は仲間由紀恵から家計の状況を知らされる。おいそれとは返せない借金を抱えていた。さてどうする。

この映画は食事の場面がいくつか出てきて、祝いの席の「にらみ鯛」というのも面白いのだが、選んだのは仲間由紀恵が豆腐を買う場面。大きな豆腐が荒縄で結われてある。

昔、新聞の記事で高野山だったかに努める僧侶が麓で求めた豆腐を荒縄で縛っててくてくと山房へ戻り皆で湯豆腐にして食べるのが楽しみだったというのがあったから、豆腐というものはつい最近までこういう物だったらしい。今でも中国の南の山間部の市場なら荒縄で縛られた豆腐が笊に並べられている風景が見られるかもしれない。

映画ではほんの一瞬の場面だが面白いので選んだ。


(2015年9月)
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