元記事 国境なき記者団(英語版)
"Bware, SMS unda ctrl"
(Reporters sans frontieres 2004.07.01 英語版)
http://www.rsf.org/article.php3?id_article=10870
中国が携帯メールの検閲強化!? 有害指定用語を使うと警察へ通報か
(MYCOM PC WEB 2004.07.05)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/07/05/002.html
仏Reporters Without Borders(国境なき記者団: 以下RWB)は、中国政府が採用したとされる、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)に対する検閲制度に関して懸念を表明した。報告によれば、中国当局は、インターネット上の情報統制に加え、携帯電話で行われるコミュニケーションへの規制を強化する姿勢を見せている、とされる。
RWBが明らかにしたところによると、中国Venus info Techは先月、中国公安部(Public Security Ministry)のサポートを得て、SMSを用いたテキストメッセージをリアルタイムに検閲できるシステムの実用化へと踏み切ったという。同システムは、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)が研究開発したフィルタリングアルゴリズムを採用しているとされ、指定されたキーワードを含むメッセージが送信されると、直ちに警察へと通報される仕組みになっているそうだ。
すでに中国公安部は、携帯電話に詐欺情報のテキストメッセージを送りつけ、銀行口座の暗証番号などの重要データを盗み出そうとする犯罪への取り締まり強化を発表していたとされる。今回の検閲システムの導入も、こうした虚偽情報や、暴力およびポルノなどのいかがわしい情報から国民を保護する目的が挙げられているようだが、RWBは、主な目的が反体制的な思想を広める政治分子の摘発にあり、言論の自由が脅かされているとの警告を発した。有害指定されたキーワードを含むテキストメッセージが送られると、送信日時および送信者に関する情報などが自動的に当局者へと通報され、60日間は保存されることになっているという。
中国全土には、約2,800に上るSMSの監視センターがあると伝えられており、今後は新システムの配備が進むと見られている。RWBは、こうした検閲システムが輸出され、他国でも厳しい統制が敷かれるようになっていくことを懸念する声も上がっていることを明らかにした。
(湯木進悟)