goo blog サービス終了のお知らせ 
goo

奇皇后

韓国時代劇ドラマ57作目を観終えた(全51話)



14世紀高麗。少女ヤンは母と共に貢女として元へ連行中に、
人質として同行していた高麗の世子ワン・ユの助けで脱走する。
しかし、元の武将タンギセにヤン母は殺され、他の貢女も殺害、
逃げ延びたヤンは身を隠し、少年を装ってスンニャンと名乗る。

13年後。弓の名手となり、ならず者を率いたスンニャンは、
後に高麗王となるワン・ユと再会、友情を深め信頼関係を築く。
スンニャンは母の遺品を元に、会った事の無い父の行方を探し、
同じ物を持つキ・ジャオ武将を父と認識して彼の配下となる。

そんな中、元の皇太子タファンが流罪となって高麗に来ていて、
スンニャンとワン・ユはタファン暗殺計画に巻き込まれてしまう。
追撃からタファンを守って山中を逃走するスンニャンだったが、
父のキ・ジャオ武将が元に捕縛、連行される姿を目撃する。

暗殺命令は元の丞相で最高権力者であるヨンチョルの策略だった。
タファンを襲ったのは高麗兵に扮した元の武将ペガンとタルタルで、
スンニャンは父を助けるべくタファンを開京まで連れて行くのだが、
ヨンチョルは高麗による暗殺計画だったという嘘の証言を強要。
タファンは高麗武官がスンニャンの父だと知らずに犯人と認める。


弟皇帝が崩御したことでタファンは傀儡の皇帝に擁立され、
ヨンチョルの娘であるタナシルリと強引に結婚させられてしまう。
タファン暗殺未遂の罪でワン・ユは王位を剥奪されて元の兵士に、
キ・ジャオ武将は拷問の末に死亡。スンニャンも元に連行されて、
そこで女性だと発覚し、皇宮の雑用係として働くことになる。

タファンはヨンチョルに実権を握られたまま傀儡皇帝を演じ続け、
皇太后の勧めで高麗出身の元女官パク・オジンを側室に迎え入れる。
スンニャンは皇宮で働きながら、タファンへの復讐機会を伺い続け、
ワン・ユは元の軍人となって辺境へ送られて武功を挙げていた。

西の辺境でチュルクを率いる仮面姿の女将パトルことヨンビスは、
ワン・ユ部下の情報と策略によりペガンの部隊を返り討ちにする。
その後、ワン・ユの部隊に敗北するが、敵が同じ元だと解放され、
ヨンビスはワン・ユへの愛情が芽生えた事に動揺するのだった。
ワン・ユたちは捕らわれていたベガンらと共に大都へ凱旋する。



側室パク・オジンが懐妊するとタナシルリは女官を刺客に選抜、
同じ高麗出身でパク・オジンと密かに通じていたスンニャンは、
タナシルリの謀略に従うふりを続けてパク・オジンを守り続け、
妊娠を偽っていると嘘情報を流し、皇太后を巻き込み一大事に。
結果的に妊娠は事実で、扇動したタナシルリは罰を受ける。

タファンは女官がスンニャン本人だと気づいて世話係に命じ、
スンニャンは復讐心を抱きながらもタファンの過度な要求に従う。
ワン・ユはタファンの父が遺したという血書があることを知り、
ヨンチョルを倒すために、あえて敵の懐に入り込み信頼を得る。

ヨンチョル丞相の信頼を得たワン・ユはスンニャンを配下にし、
いずれ高麗に戻ったら王妃になってほしいとスンニャンに求婚、
ついに二人は結ばれるが、事態は収まっていなかった・・・
問題が起きたとの報せを受けてワン・ユは部下と高麗へ・・・


ワン・ユの子を身籠もったスンニャンはパク・オジンに相談、
出産のために高麗へ戻る一行にスンニャンを忍ばせて都を出るが、
皇后タナシルリと兄のタンギセが差し向けた盗賊団に襲撃される。
逃げ延びたスンニャンは洞窟で足に三つ星痣のある男児を出産、
しかしヨンチョル一味の襲撃に遭い、赤子は兵士と崖下へ落下。

衰弱していたスンニャンは通りかかったメバク商団に捕縛され、
偶然通りかかったペガンとタルタルによって買われて救出される。
赤子のピョル、父と母、そして側室パク・オジンの敵を打つため、
スンニャンは武将ペガンとタルタル軍師のもとで知略を学び続け、
タファンの側室キ・ヤンとなってヨンチョル一家へ復讐を誓う。

一方、皇太后の薬で不妊のタナシルリは妊娠を偽って尼寺に隠り、
尼僧が拾ってきた赤子にマハと名付けて、我が子のように育てる。
その子こそ、スンニャンとワン・ユの子・・・ピョルだった。
タナシルリは寺に放火して尼を殺害、マハを抱いて後宮へ戻る。


一方、復讐に人生を捧げるスンニャンもタファンの子を産み、
スンニャンはタナシルリの子の素性を知らず権力闘争を開始する。
皇太后やペガンと協力して、タナシルリとヨンチョル一派を打倒、
しかしスンニャンが権力を握ることを警戒した皇太后はマハに讒言、
傀儡皇太子として利用しながら、スンニャンに対抗するようになる。

そしてスンニャンに協力してきたペガンが丞相となり権力を得ると、
自らの姪バヤンフトを皇后にしてヨンチョルのような悪政を行う。
バヤンフトは清純を装って裏で策略を巡らせてマハを死に追いやり、
マハの素性に気づいたスンニャンは激怒してバヤンフトを殺害する。

タンギセはマハがヤンとワン・ユの子だとタファンに教えて嘲笑し、
衝撃を受けたタファンは自ら刀を持ってタンギセを斬って口を封じる。
ヤンの皇后即位式の前日、タファンはワン・ユに高麗王復位を認め、
ワン・ユが帰国する道中に兵を配して一味を殲滅するのだった。

ペガンの暴政に愛想を尽かしたタルタルは苦しみつつ叔父を殺害、
第二の巨悪を倒したと思ったら、タファンの宦官のコルタが暗躍。
皇太后と組んでタファンに薬を飲ませて判断力を失わせ政を行うが、
タファンが陰謀に気づいてコルタらは殺され、皇太后は自害する。

政敵を排したスンニャンは国政の改革に乗り出すが、時すでに遅く、
元は滅亡の淵に立たされていた。タファンは国が滅亡する中、崩御し、
スンニャンに忠誠を誓ったタルタルは反乱軍討伐遠征で戦死・・・
スンニャンはタファンとの子・アユルシリダラと共に北方へと退く。


挿入が皇后即位式から始まるので結果を知りつつの物語構成。
高麗貢女として元廷に献上されて皇后に上り詰めた女性の生涯を、
架空の人物や出来事を加えつつ見応えのある内容にまとめている。
相変わらず悪女の演技は誰がやっても上手いよなぁ・・・
この憎々しさが物語を牽引しているといっても過言ではない。

物語の主点が元に嫁いだ高麗女性の成り上がりという事で、
元=中国が舞台なんだけど中国感があまり感じられないんだな。
なんとなく朝鮮内の抗争という雰囲気が強すぎるのと、
高麗の情勢が今ひとつ描ききれていないのでワン・ユの悲願や、
スンニャンの心の拠り所としての祖国愛が伝わりにくい内容。

またヨンチョル一族への復讐が終わった後の展開が同じで、
ペガンや宦官の横暴や権力闘争などは食傷気味だったかな。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

六龍が飛ぶ

韓国時代劇ドラマ56作目を観終えた(全50話)



高麗末期から李氏朝鮮建国までの激動を描いた物語。
名将イ・ソンゲの五男として生まれたイ・バンウォンは、
早く戦に出て父のように強い男になりたいと願っていた。
しかし王命を受けて上京したイ・ソンゲは弱味を握られ、
悪徳官僚イ・インギョムの圧力により政界進出を辞退する。

バンウォンは悪党に屈した父の姿に失望と悲嘆を抱く。
そんな中、成均館の官吏チョン・ドジョンは民衆の前で、
インギョムの都堂三人衆による企みを暴いて明との戦を阻止。
ドジョンは流刑となるが、バンウォンは感銘を受ける。

6年後、バンウォンは悪がのさばる都の暮らしに疲弊していた。
そんな折、一人の男が都堂三人衆の一人を斬り殺す現場を目撃、
男の後をつけて洞窟に辿り着き、中で見慣れぬ地図を発見する。
「新たな国を建設する」という志を持つ者の存在に驚愕する。

その立案者こそ、心の師匠と仰ぐチョン・ドジョンだった。
師匠を探し始めたバンウォンは、三韓一の腕を持つ剣客タンセ、
重税に苦しむ村人を救おうとするプニ、剣士ムヒュルと出会う。
彼らはチョン・ドジョンの暗号と運命に導かれて咸州に集結し、
都堂三人衆を打倒し、新国家を築くという目標に向かう。


理想国家を所望する様々な立場の人物を六龍として演出。
李氏朝鮮の創始者イ・ソンゲやバンウォンの物語は数あるが、
史実を生かしつつ、個性的なキャラにより視聴者を惹きつけ、
様々な思惑を絡ませ、新たな視点で背景に深みを出している。

こういう歴史的事象に架空の人物を加えた構成が実に秀逸。
都堂三人衆の一人キル・テミはオネエで化粧姿の高麗一の剣士、
たった一人で何十人もの剣士を倒す圧巻の剣技を見せる。
双子の兄ソンミも実力者。男風貌で秘密組織ムミョンの一員。

貧村で祖母と弟妹を養う長身の剣士ムヒュルは立身出世を願い、
偽剣士と噂されるホン師匠の元で必死に剣術を磨き続けていた。
そんなホン師匠の腕が凡人級と知ったムヒュルは失望するが、
キル・テミと剣を交えた際、同じ師匠だと明かされて驚愕、
ホン師匠は眼力が達人で、剣技を教える技術は一級品だった。

ムヒュルは名声を得るには有名剣士を倒した実績だと知り、
闇の剣士「カササギ毒蛇」と勝負して名を挙げようと願う。
恭譲王に純愛を注ぐユルランが最強剣士カササギ毒蛇だった。
王を狙った刺客を瞬殺、ひたすらに王との平穏な生活を願う。
ムヒュルもユルランも剣術を求めるが殺人は嫌いであった。


人物相関図も絶妙。キャラの繋がりも分かりやすくて良い。
イ・バンウォンとプニは相思相愛だが身分差などに阻まれる。
プニはドジョンの思想に賛同して民をまとめる貧村のリーダー、
行方不明だった兄がタンセで失踪した母はムミョンの・・・

花事団で諜報活動をするヨニはタンセの幼馴染みで元恋人。
少女時代に悪漢に襲われたトラウマで人生を復讐に費やし、
彼女を守れなかったタンセは師匠を得て三韓一の剣客に成長。
そんな兄・妹・元カノがドジョンの元で再会を果たす。

イ・バンウォンが師匠と尊敬していたチョン・ドジョンだが、
新たな国の王にイ・ソンゲを据え、自ら政治を行っていく・・・
その計画から自分が排除されていると知ったイ・バンウォンは、
愛するプニに別れを告げ、父王やチョン・ドジョンと対立、
強引な手段で対抗勢力を排除して、やがて第三代朝鮮王となる。

最終話には彼の子でハングルを作った子供の世宗が夢を語り、
その後、民が独自の文字を扱っている世の中が描かれる。
この物語に続くのが世宗の物語を描いた「根の深い木」らしい。
これも個性的なキャラが物語に深みを出していたなぁ。

日本の時代劇ドラマもこんな演出構成して欲しいよ・・・
キャラが知れ渡っている戦国時代は作りやすいだろうけど、
他の時代は登場人物の個性が薄くて名前も存在も覚えづらい。
史実を変えたら駄目だけど、その周りの肉付けは工夫して、
歴史に興味を持つキッカケを作ってほしいなぁ・・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

チャミョンゴ

韓国時代劇ドラマ55作目を観終えた(全39話)



古代朝鮮にあった楽浪国で二人の妃が王女を出産すると、
チェ・リ王の第二夫人ワン・ジャシルが天文官を誘惑し、
第一夫人モ・ハソの娘が楽浪国を滅ぼすと予言させる。
チェ・リは大志のために娘の命を奪う決心をするが・・・

モ・ハソは娘の命を奪うことに躊躇っていると、
ジャシルが自分の簪を赤子の胸に突き刺すのだった。
モ・ハソは瀕死状態のチャミョン王女を船に乗せ、
乳母の幼い息子イルプムを一緒に乗せて川に流す。

山東半島の岸辺に流れ着いたチャミョンとイルプムは、
技芸団の団長チャ・チャスン、ミチュ夫婦に助けられる。
チャミョンはプクと名付けられて技芸団員として育てられ、
イルプムはヘンカイという名でプクを見守っていく・・・


一方、ジャシルの娘ラヒは楽浪王女として裕福に育ち、
幼い頃に出会った高句麗のホドン王子に恋心を抱くが、
会っても悪態をついてしまい、秘めた想いに葛藤する。

同じ日に生まれた二人の王女の生い立ちとホドンへの愛、
そしてプクことチャミョン王女の出生の秘密と確執が、
楽浪国と高句麗という二つの国の運命を巻き込んでいく。

韓国時代劇の定番である幼少時に出会って別れて・・・
後に再会しても気づかず、やっと気づくお決まりの展開。
幼少時代が長めだけど子役の演技は相変わらず良い感じ。
ラヒの子役は色んな作品で見かける味のある役者だけど、
成長したラヒ女優は全く面影の無い・・・美しさ・・・


物語は楽浪国と高句麗の内紛を描きつつ複雑に絡み合い、
様々な思惑と権力、愛情や思いやりが散りばめられて、
部族間の誇りや後継者争いから二つの国の対立に繋がる。

楽浪国の大将軍となるワン・ホルは悪妃ジャシルの弟。
ジャシルが異母兄ゲンを殺害して妻のモ・ヤンヘが激昂、
夫の仇討ちに失敗して、処刑を命じられた兄嫁を救うため、
母のような存在だったモ・ヤンヘを妻にして命を救う。

モ・ヤンヘは息子のようなワン・ホルを母性で見守り、
己の立場をわきまえつつ、ジャシルへの復讐を胸に秘める。
こういう構成を考えるのが上手いというか惹きつけるなぁ。
キャラクターに個性があるから印象に残るんだなぁ・・・


ホドン王子は幼少時に出会った技芸団員がプクと気づき、
部下として手元に置いて愛情を注ぎ、相思相愛になるが、
やがて楽浪国と高句麗、愛と祖国の選択を迫られ・・・
いろんな人を裏切りつつ使命を全うするため行動する。

祖国に戻ったチャミョンは命を狙われて死の淵から生還、
王女の立場を捨てて、巫女となって楽浪国を守ろうとする。
王女ラヒは祖国よりもホドンへの愛を優先させてしまい、
結果的に楽浪国を破滅に導いてしまう悲しい運命を背負う。


期待しないで観たけどチャミョン女優が魅力的だった。
逆にホドン王子はあんまり感情移入出来なかったかな。
チャミョンは祖国。ラヒは愛。ホドンは祖国?愛?
二人の王女に求愛するし、裏切るし、髭似合わないし。

髭が似合わない役者だと演劇感が強く感じてしまう。
ただ物語の構成は色々と練られていて面白かった。
ほとんど史実が残っていない時代劇を作るのが上手い。
フィクションだけど歴史を調べるキッカケになる。

韓国時代劇はパターンがあるけど構成が分かりやすい。
たまに演出過多で中身の無いハズレ作品もあるけど、
惹き込まれる作品が多い。日本の大河は・・・ふぅ・・・
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

花たちの戦い

韓国時代劇ドラマ54作目を観終えた(全50話)



17世紀中期の朝鮮王朝、第16代王・仁祖の時代。
不安定な国政の中、清の侵攻になすすべなく敗れた仁祖は、
長男の昭顕世子夫婦と次男の鳳林大君を人質として差し出し、
屈辱的な三跪九叩頭の礼で属国となることを受け入れる。

敗戦の責任を問われた重臣キム・ジャジョムは流刑になり、
過酷な無人島で飢えを凌いで生き延び、王への復讐を誓う。
側室の娘として生まれ、身分差を嘆いていたヤムジョンは、
幼馴染みの恋人との結婚も叶わず自らの運命を呪っていた。

臣下の反逆と民心の離反を恐れる王は自らの盾とすべく、
ジャジョムを赦免して都へ呼び戻し、再び重臣に任命。
王に謝恩を告げたジャジョムは、キム尚宮に協力を求め、
復讐するために必要な美貌の持ち主を探させるのだった。
そこで白羽が立ったのが美貌を誇るヤムジョンであった。

王の側室として送り込まれるべく監禁されたヤムジョン。
当初は抵抗していたが、蔑み軽んじた者を見返すことを誓い、
妓生ソルチュクのもとで王を手玉に取る技量を磨き始める。
その頃、人質として清国の瀋陽で暮らす昭顕世子と嬪宮は、
朝鮮人が奴隷として売買される現状を打開しようとしていた。


ストーリーは単純。身分差で虐められて育ったヤムジョンが、
仁祖の側室となって権力を得ると、王の寵愛を最大限に活用し、
荘烈王后や他の側室たちを遠ざけ、謀略で成り上がっていく。
元彼との最初で最後の逢瀬で身篭った子を王女と偽って出産、
その後、王との間に生まれた女児を男児と入れ替えて王子に。

昭顕世子夫婦が帰国すると仁祖との対立を煽って亀裂を生み、
病弱な世子の治療として懐柔医師に命じて鍼を打たせ毒殺する。
世子の正妃・嬪宮姜氏は裏で清と繋がっていると王に触れ込み、
嬪宮の子供たちを流刑に追いやった末に不審死に導いている。

息子殺しの汚名を気にする仁祖を薬物中毒にして懐柔すると、
嬪宮姜氏を平民に降格させた上に実家にて賜死させてしまう。
ヤムジョンとしては長男を王位に就ける事を悲願とするのだが、
鳳林大君や荘烈王后の逆襲に遭って退路を絶たれてしまい、
最期は宮廷から放逐され、民の石打に遭うという末路を辿る。



商道でヒロインだった女優がヤムジョンを演じていて、
この方に限らず韓国女優は悪女演技が本当に憎たらしい。
まぁ演技パターンみたいなのが見え隠れしたりするけど、
素の部分が出てるの?と思うぐらい腹黒演技が上手い。

構成で気になったのは・・・
・主役の心根が歪みすぎて寄り添えず肩入れできない。
悪女・張禧嬪を主役にしたドラマ「チャン・オクチョン」は、
彼女側の正義で描かれていたので思い入れも出来たのだが、
本作は主役が悪者として自覚しているので気味が悪い。

・重臣ジャジョムが黒幕なのに大物感も威圧感も薄い。
ヤムジョンが勝手に策略を巡らして周りを蹴落とす独壇場で、
ジャジョムの野望も具体性が無く、最後も呆気なく処刑される。

・ヤムジョンの恋人ナム・ヒョクの生存は必要なのか。
刺客に襲われるものの生き延びて剣客として復讐に燃える元彼。
ヤムジョンを殺したいのか生かしたいのか愛なのか義理なのか、
居なくても物語に影響は無い気がする。後半は便利屋だし。

しかし、いつの時代も王様は哀しくて孤独な人生ばかり。
奸臣に振り回され、敵国の侵攻に怯え、後継者問題に揺れ、
後宮での醜い争いに巻き込まれ・・・精神も歪むよなぁ。
本当にどの時代が隆盛だったんだろうか・・・
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

不穏

韓国時代劇ドラマ53作目を観終えた(全6話)



15分程度の物語が6本(1本を6話に分けた構成?)
物語はよくある内容で特別印象に残るものでもない。
両班の子だが庶子のため塾に通えないイ・ジュンギョン。
義兄が通う塾の外から講義を盗み聞きして虐められるが、
教師は身分で差別する子を叱ってジュンギョンを庇う。

ある日、ジュンギョンの母が高貴な家に行って亡くなる。
しかし父は母の死を気に掛ける様子も無く平然としていた。
身分の低い者の命が簡単に奪われてしまう事に唖然とし、
身分差の無い世の中を作りたいと願うジュンギョン。

大人になったジュンギョンは漢城府官吏となり事件を解決、
義兄のいる護衛武官に配属され世の中を変えようとするが・・・
ある事件の捜査を進める中で叔父の昌原君が犯人だと予見、
余裕を見せる昌原君に真実を明らかにすると心に誓うが・・・

師匠が身分差の無い社会を作ろうと謀反の計画をしていて、
ある男を新しい王にしようと思っていると告げられる。
ジュンギョンは昌原君の犯行を明らかにしようと行動するが、
義兄は権力者に楯突くなと警告、信念を持って反発するが、
師匠が新たな王にしようとしていたのは昌原君だった・・・

結局、世の中を変えることが出来ず権力に屈した主人公は、
新たな世代に望みを託し、教え子を育てているという物語。
長い作品ばかり観続けていたので物足りない感じが強い。
軽く観られる時代劇という設定なのかな。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

許浚 伝説の心医

韓国時代劇ドラマ52作目を観終えた(全135話)



1999年版をリメイクした作品(2013年版)
前作が64話で今作は倍以上の135話もある。
長過ぎだろうと思って見始めたが、脚本家が同じで、
基本的な構成は一緒。テンポよく物語が進んでいく。

前作と異なるのは・・・
ホ・ジュン幼少時、両班の息子達に虐められる描写で、
いじめっ子のリーダーとして義兄が登場している。
雪原で身ぐるみを剥がされたジュンを介抱するのが、
王族を死なせた罪で流刑となっていた元内医院の医官。

犯罪者として村はずれでひっそりと暮らしている父娘。
ジュンは同年代の少女に恋心を抱き、親しくなるが、
女真族の襲来で捕虜となった少女は亡くなってしまう。
ジュンも捕虜となって人質交換の交渉材料にされるが、
郡長官の父は上官に反対されて人質交換を拒絶する。

葛藤の末、父は部下を引き連れて息子の救出に向かう。
しかし、ジュンは自力で脱出、雪原で父と遭遇すると、
己の立場が分かったと告げ、無表情のまま横を過ぎ去る。
犯罪者の娘を助けられなかった後悔と身分差、元内医院、
幼少時の出来事が人生に影響を与えたという設定である。

反逆者の娘ダヒを助けて恋に落ちていく流れだったり、
勉強熱心な少年が身分差を痛感して悲観に暮れた末、
喧嘩や博打、密貿易とひねくれる理由を持たせたのだろう。
こういう描写があってもいいけど、無くてもいいかな。



ジュンの役者は子役と大人俳優の二人で演じている。
女真族から生還した小学生くらいの少年が10年後に・・・
40代くらいの役者になっていたのは違和感があった。
妻のダヒ女優は20代で夫婦間の年齢差感も気になった。

前作に出演してた役者も別の役で登場していたりして、
あの役の人が今回は重臣とか、別の面白さもある中、
ドルセだけが同じ配役で前作よりも活躍の場が増えている。
伝染病を治す風習を教えたり、ホ家の下男となったり、
ちょい役だったのが脇役に昇格して味を出していた。

ジュンが内医官になると義兄が役人として再び登場し、
師匠の息子でライバルのドジと共謀してジュンを陥れる。
ドジの役回りは前作同様に器の小さい野心家として描かれ、
医者としての優秀さが本作でも描かれていないのが残念。

貧しいホ家を見下し、ジュンを敵対視していたドジ母だが、
大病を患った時にジュンが献身的に治療を施して回復すると、
ホ家やジュンに謝罪したり息子を戒めたりと改心している。
後半は隠居すると告げて物語の舞台からフェードアウト。

ダヒは前作同様に幸薄い感じ。母は後半、痴呆症になる。
前作では食事処を経営していたけど本作は普通の家。
下男のドルセとジュンの舎弟ヤンテがホ家の面倒を見て、
ジュンは旅に、罪に、昇格に、流刑にと家庭を顧みない。

物語の基本構図はサクセスストーリーなので、
苦労続きだったけど、幸せな家族団欒を迎えられたという、
階段の踊り場のような一区切りの達成感が欲しかった。
ジュン母とダヒの悲壮感に暮れた表情ばかりが印象深い。

前作とは監督が異なるものの基本的な構図は同じなので、
旧作、新作どちらかを観れば十分のような内容である。
どちらも秀逸な脚本なので両方を観ても充分楽しめる。
1話が長く感じる作品も多い中、本作は一気に数話、
それを毎日続けても全く飽きなかった。脚本は大事だね。


リメイク作品というと監督や脚本家が自分色を出したがり、
独自解釈を加えることで改悪となる作品が多い。多すぎる。
そういう点で言えば、本作は前作の不足部分を補うような、
描写が唐突だった部分や、役どころの微調整に努めていて、
ストーリーに違和感を抱かなかったのが良かった。

ひとつ文句を挙げるとすればホジュンが完璧すぎる事。
他の医官が治せない病でも彼が診れば治療してしまう。
つまり内医院の医官が無能に見えてしまう点。
人生を賭して東医宝鑑という医書を完成させたので、
スーパードクターが没しても民は助かったというような、
医療水準が高まったという描写も欲しかったなぁ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

緑豆の花

韓国時代劇ドラマ51作目を観終えた(全48話)



19世紀末、朝鮮は西欧や日本から開国を迫られていた。
全羅道古阜郡の吏房ペク・マンドゥクは郡守と結託し、
さまざまな税を作っては民から搾取する悪徳役人であった。

マンドゥクの息子イヒョンは父親の期待を一身に背負い、
日本留学を終えて、父の後を継ぐため科挙受験を控えていた。
一方、イヒョンの腹違いの兄イガンは庶子と蔑まれつつ、
父親の汚れ仕事を手伝い「あれ」と呼ばれ怖れられていた。

ペク家ではイヒョンだけがイガンとその母を家族と認め、
いつの日か身分差の無い国にしたいと心に誓っていた。
ある日、暴政に怒った東学教徒チョン・ボンジュンが蜂起、
民乱が勃発して全羅道が混乱、役人達が次々と襲われる。

マンドゥクは逃走する途中で襲撃されて重傷を負うが、
イガンに救出され、全州旅閣の女客主ジャインに匿われる。
ソン・ジャインは朝鮮一の大商団となることを夢見ていて、
大きな利益を手にできる軍商の地位を獲得するが・・・


実際にあった甲午農民戦争をベースに兄弟の絆を描いた物語。
全体的に暗いトーンで描かれていて重い雰囲気が漂っている。

暴政に加担してきた兄イガンはボンジュンの思想に感化され、
東学教徒の一員となって、朝鮮の未来を守るために蜂起する。
一方、イヒョンは許嫁父の企みによって鎮圧軍に動員され、
日本仕込みの銃の腕で武勲を上げ、鬼と怖れられる存在となる。

権力を利用して悪政に加担してきたイガンが反乱軍となり、
変革を願っていたイヒョンが政府側という逆転の構図。
イガンを愛するジャインは商人の立場で時に敵側と商談し、
時に味方に情報を与え、商品の立場で国を守ろうとする。

歴史を知るための時代劇としては価値のあるドラマだが、
感情移入した面々が次々と亡くなっていくのが重苦しいし、
それぞれの勝利に喜びも無く、ささやかな笑顔も薄い。
歴史通りに農民軍の鎮圧に向けた対立から日清戦争が勃発、
勝利した日本軍が朝鮮侵略して開化派の親日姿勢が強まる。

イヒョンは日本の内政干渉を文明国家になるためと諦め、
古阜の郡守となるが、朝鮮が日本領土となって精神崩壊、
逆賊として捕えたイガンを逃がし、家族の前で・・・
ジャインは死んだと思っていたイガンと再会して結婚、
イガンは緑豆将軍ボンジュンの跡を継いで義兵を率いる。

ボンジュンらも処刑されるし、仲間も生き残らない。
イガンとジャインが結ばれる部分のみが唯一の安らぎ。
架空要素を盛り込まないとドラマにならない悲しい背景。
タイトルの緑豆は緑豆将軍と呼ばれたボンジュンの事で、
花はイガンとジャインかな?それとも未来の民なのかな?
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

許浚 宮廷医官への道

韓国時代劇ドラマ50作目を観終えた(全64話)



16世紀中期の朝鮮時代。郡長官の子に生まれながら、
低い身分の妾の子であるがゆえに蔑まれるホ・ジュン。
学識の高さがあっても周りに認められず葛藤した彼は、
密貿易に手を染め、自堕落な日々を送るようになる。

反逆者として追われる両班の父娘に遭遇したホ・ジュン。
病死した父を悲しむ娘ダヒのために葬式を行い埋葬するが、
反逆者との関わりや密貿易が発覚した事で捕われてしまう。
兵馬都尉は処罰を父であるホ・リュン郡守に一任する。

悪事に手を染めた息子に失望し激怒したホ・リュンだったが、
生まれながらの身分が貶めていると訴える息子の言葉が響き、
山陰にいる知人の県鑑宛に手紙を書き息子と母を逃してやる。
ホ・ジュンはダヒを連れて母と一緒に舟で故郷の地を離れる。

父から渡された大金などを荷物運びの男に持ち逃げされ、
消息を追って町に出るが、役人に捕まってしまう。
身分証明の号牌を所持していないことで牢屋に入れられるが、
そこにダヒ父娘を陥れた一味が捕われていて冤罪を知る。

ダヒは父の知人ミン・ジャホン宅を訪れて船賃を借りるが、
船着場でダヒは拐われ、ホ・ジュンは暴漢を倒して役所へ行き、
イ・ジョンチャンの娘ダヒが反逆者宅に捕らわれていると告発、
黒幕のジャホンは逮捕され、ダヒは両班の身分が回復される。

ダヒが両班に戻った事で身分違いを悟ったホ・ジュンは、
母と二人で慶尚道の山陰を目指し、ようやく辿り着くのだった。
父の書状を持って役所を訪れるものの県鑑はすでに退職していて、
これから母とどうやって生きていくか途方に暮れてしまう。


身分に関係なく医術を施すユ・ウィテに感銘を受けたジュンは、
初めて人生を懸けるに値する目標を得て弟子入りを懇願する。
ユ医院の門下に入るが、古株の下働き達の嫌がらせを受け続け、
そんな彼に密かに手を差し伸べたのがイェジンお嬢様だった。

イェジンはユ・ウィテの養女で息子ドジが愛する医女である。
ジュンが勉強熱心な事を知ると自分の医学複写本を貸し与え、
過酷な水汲みや雑用の合間に熱心に学ぶ姿に好感を抱き、
別の医術本を貸し与え、知識を分け与えてあげるのだった。

ユ・ウィテは患者を優先する心医だが、妻は富と権力に強欲、
贅沢な生活を送り、息子のドジを内医院に入れるのが悲願である。
夫が留守になると病舎を弟子に任せて息子を勉強に専念させたり、
貧しい患者を門前払いし、担ぎ込まれた重症の子供も追い返す。

そんな母の影響を大きく受けたドジも傲慢で狭量な野心家。
ホ・ジュンがイェジンと親しく会話している事に嫉妬し、
医術の頭角を現し始めるとライバル視し、知識をひけらかし、
事あるごとに目の敵にして蹴落とそうと企んでいく・・・。


商道に似たようなストーリー展開で面白いなぁと思ったら、
どちらも監督がイ・ビョンフンであった。なるほどである。
実在人物だけど詳細不明な人物のサクセスストーリーが巧い。
大満足だったチャングムもトンイもオクニョもこの監督だ。
パターン化したような構成だけど見入ってしまうなぁ。

過酷な医院での下働き、苛め、居候先での肩身の狭い生活、
そんな中、ホ・ジュンの消息を追ってダヒがやってくる。
龍川でホ・ジュンの子分だったヤンテが同行していた。
反対する母を説得したホ・ジュンはダヒと身分差結婚する。

山中で獣を解剖する元医員の老師に遭遇したホ・ジュンは、
弟子入りを懇願、仕事が終わると山で教えを受ける生活を送る。
老師の元で医術を学び、卒業と認められて山を降りると、
ジュンの家へ自殺未遂した娘を連れた見知らぬ夫婦が訪れる。

ホ・ジュンが仮死状態の娘を生き返らせた事が町で噂になり、
彼の家には貧困患者が殺到、ホ医員の噂はユ医院にも届き、
ユ師匠に叱咤されるのだが、診断書を見て質疑応答すると、
師匠はジュンの成果を認め、倉庫番に任命するのだった。


昌寧の右相に実力を疑われつつも信念を貫いて治療に専念、
無事に奥様の中風を治療したホ・ジュンは褒美を全て断るが、
妻と母の貧困生活を思い、科挙の紹介状を受け取っていた。
それを知ったユ・ウィテは紹介状を燃やして破門を言い渡す。

ホ・ジュンは酒に溺れる自堕落な日々を過ごしていたが、
やがて改心して師匠に謝罪するが門前払いされてしまう。
イェジンはジュンにサムジョク大師の元で学ぶよう助言、
大師のいる三寂寺は難病患者たちが暮らしていた。

大師の元で誠心誠意、患者と向き合い医療に励むホ・ジュン。
そこにイェジンも合流、大師と義子の関係や過去が明かされる。
サムジョクに勧められて科挙を受ける事にしたジュンだったが、
漢陽までの道中で村人を治療した事で科挙に間に合わなかった。

山陰初の医科合格者となったドジは町の英雄として賞賛を集め、
ホ・ジュンは惨めに敗れ去った愚か者として笑いの種になった。
ユ家の祝宴には町の有力者、山陰県監が集まってドジを称賛する中、
もう一つの吉報が届く、ホ医員は貧しい村人を治療して科挙に落ちた、
義理堅い医員として町中に知れ渡り、患者が数多く家に押しかけた。

ウィテは病人よりも科挙を優先したドジに激怒して勘当を言い渡し、
激怒した奥様は財産を持ってドジを連れて漢陽へ引っ越してしまう。
その後、師匠の許しを得たホ・ジュンが病舎で働くようになり、
イェジンやサムジョク大師も病舎を手伝うようになる。


師匠ユ・ウィテの不知の病、疫病の発生、内医院ドジの野心、
サムジョク大師から聞いたグァンイク老師の悲願、師匠の覚悟、
死期を悟ったウィテは大師の息子サンファを連れ天皇山に籠り、
やがてジュンとサムジョクに指定した場所に来るよう言付ける。

ホ・ジュン、サムジョク大師、グァンイク老師が洞窟を訪れると、
ウィテはすでに亡くなっていて、解剖道具と遺書が用意してあり、
ホ・ジュンは二人に説得されて師匠を解剖して絵図を描き記す。
漢陽のドジ宅を訪れ、師匠の訃報を伝え、解剖図を差し出すが、
息子より他人を後継者に選んだと激怒してジュンを追い返す。

後半は科挙に首席合格して内医官となったホ・ジュンに、
ドジが対抗意識を燃やし、上官と共謀して陥れようとする。
しかしホ・ジュンの仲間や実力を知る上官の助力もあって、
恭嬪やその弟を治療、宣祖の信頼を得て階級が上がっていく。

ドジはホ・ジュンを蹴落とす事ばかりに執着していたが、
ジュンは病人の治療を優先して務め、敵対者たちを黙らせる。
ドジは女性問題で遣明使節団に左遷後、内医正に返り咲くが、
文禄の役で信城君を死去させてしまい投獄されてしまう。

しかし宣祖が病に倒れると、ジュンはドジに鍼治療を任せ、
無事に王は回復、ドジは医道姿勢を改心してジュンに謝罪する。
権力や地位に執着のないジュンは宣祖から医書の編纂を認められ、
東医宝鑑の完成を目指す。宣祖の崩御で一旦は流刑になるのだが、
流刑地に仲間が度々訪れ、医書の執筆に専念するのだった。

王位を継いだ光海君に呼び戻され側近になるよう懇願されるが、
宮廷内の派閥や権力争いに疲れた彼は病人の近くに寄り添うと、
王の申し出を断り、田舎暮らしを送りながら病人の治療に励み、
やがて山陰のユ師匠の住居で医院を開き人生を終える。


物語の進行もテンポ良く、キャラクターも生きている。
師匠が心医という設定が主人公の信念に説得力を持たせていて、
その志は貧しい民だけでなく仲間や王の心まで動かしていき、
やがて敵対していた者の腐った心根まで治療してしまう。

ホ・ジュンを親身に支える二人の女性の姿も素晴らしい。
貧困生活でも夫の成功を疑わずに寄り添い続ける妻のダヒ。
そして叶わぬ恋、見守る愛を貫き、尊敬し続けるイェジン。
本作は1999年版でリメイクされた2013年版もある。
135話だが同じ脚本家らしいので詳細版といった感じかな。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

商道

韓国時代劇ドラマ49作目を観終えた(全50話)



19世紀の朝鮮王朝時代。貧しい境遇に生まれながら、
私利私欲よりも世と人のために商売を行ったイム・サンオク。
商道を追究したその商人哲学と知徳で数々の苦難を乗り越え、
奴婢から高官にまで上りつめた波乱万丈の物語である。

清との国境に近い義州にて訳官を目指す父から中国語を学び、
清から訪れる商人達の通訳で小銭を稼ぎ勉学に励むサンオク少年。
青年となった彼は松商と湾商との争いに巻き込まれて負傷し、
松商で治療を受けたことで女大行首タニョンと出会うことに。

清国商人との人参取引の通訳を任されたサンオクは商才を発揮、
タニョンが命じた取引額よりも高値で交渉して利益を得る。
父ボンヘクは芽の出ない訳官の道を諦め、商人になる事を決意、
サンオクを連れて湾商都房ホン・ドュクチュの元を訪ねると、
商売の元手となる大金を無条件で借りるのだった。


タニョンの口利きで清国へ向かう馬子となったサンオク父子。
商売を終えた帰路、商団に禁制品の硫黄を発見したサンオクは、
責任者の松商大房パク・チュミョンに報告、許可済と言われるが、
検問にて露見、サンオク父子は濡れ衣を着せられ捕われてしまう。

無実を訴えるが二人は謀反人として打ち首に処されることに。
報せを受けたホン・ドュクチュが尽力するものの叶わず・・・
処刑前夜、ボンヘクはドュクチュとの過去話を語り始める。
ボンヘクの貯金をドュクチュが盗み、その金で商人として大成、
裕福になった彼は金を返しに来るがボンヘクは拒絶していた。

父は打ち首となり、サンオクは死刑を免れて官奴婢に落とされる。
過酷な生活の中、何度も脱走を繰り返して脱走者と渾名が付く。
そんな中、ナプチョン鍮器場の主人がサンオクの気概に目をつけ、
鍮器場で真面目に働くなら自由になれると厳しい修行を課す。

再び逃走して捕まり、鉱山送りとなるが疫病の流行で村に足止め。
遺体処分を手伝う中、捕われた盗賊頭を助ける乱闘に巻き込まれ、
宿駅の官奴婢チェヨンに懇願されて彼女と共に逃走するのだった。
旅芸人一座にチェヨンを託したサンオクは山寺に籠もる。


寺を降りたサンオクは湾商都房ホン・ドゥクチュの元で働き、
少しずつ商才を発揮してドゥクチュや店主たちに認められていく。
湾商本廛の書記チョン・チスはドゥクチュの娘ミグムと恋仲だが、
ドゥクチュはチョン・チスの本性が読めないと懸念していた。

サンオクは離れ離れだった母弟と再会、消息不明の妹を調べ、
妓生となっていたサンヒを買い戻し、家族で暮らせるようにする。
タニョンは濡れ衣を着せられ処刑された者がサンオクの父と知り、
苦悩と懺悔に駆られるが、松商は強引な手段で商売を独占し始める。

松商のやり口は卑劣。湾商が密かに人参畑を育てていた事を知ると、
盗賊を雇って畑を燃やし、薬草狩りたちを皆殺しにしてしまう。
(雇われたのが疫病村で出会った盗賊頭でサンオクだけ助かる)
チュミョンは野心を抱くチョン・チスに接触して松商に引き抜く。
放火するわ、商品破壊、殺人、謀略、やることが強盗である。
(卑劣すぎる手段はチョン・チスと部下が勝手に行なっていた)

サンオクは燕京一の薬材商店主に気に入られて商談後に大金を貰い、
その金で新人妓生の張美齢を身請けして自由の身にしてあげる。
後にその事がホン・ドゥクチュの耳に入り事情聴取を受けるが、
同じ事が起きても人助けすると言うと、心意気を買われて昇格する。
ホン・ドゥクチュの商道は金を残す事ではなく人を遺すこと。
人が財産であるという師の信念をサンオクは実行していたのだ。


松商に寝返ったチョン・チスの悪巧みで湾商は何度も窮地に陥るが、
サンオクは失敗を糧に利益を上げ松商に仕返ししていく。
チョン・チスはどんどん暗黒面に落ちて卑劣な手段で暗躍し、
タニョンは恋心を寄せるサンオクを助けようとするが抑止される。

救援米に細工されてドュクチュとサンオクが投獄されたり、
悪評を流され民の暴動が起きたり、役人に裏金を要求されたり、
使節商団から除外され、資金も不足し、湾商は一旦、店を畳む。
サンオクは柳商の元で行商人として全国を巡って経験を積む。

柳商大行首ウ・ヨランもサンオクの商才に一目置いていた。
サンオクは柳商から離れ、湾商の再起を図って仲間の消息を探る。
薬材商の店主ワンと再会し、巨商チュ商人の家に案内されると、
以前サンオクが助けた張美齢が夫人となって礼を述べられる。
(謝礼の申し出を断るが、張美齢は密かに大金を忍ばせていた)

ホン・ドゥクチュは貿易再開の準備を整え、湾商団員を再結集させる。
柵門で人参貿易をする許可を得るが、検問で人参を没収されてしまう。
国法で人参取引が許可されるのは朝廷が選んだ四商団のみだという。
ドュクチュはサンオクに人参の交易権を手に入れて欲しいと命じる。


松商に奪われた商権、人参交易権取得の駆け引き、柳商との協力、
チョン・チスらの不正密貿易、真相を掴んだ湾商の大行首の安否、
ホン・ドゥクチュの暗殺、失意の湾商、恩師のために再興を決意。
薬材商ワン商人から大規模な薬材市が開かれる事を報されると、
サンオクは最高級の紅参を作るため、朝鮮一の紅参職人を訪ねる。

その後、大行首ドゥグァンが生還して松商の密貿易を知り、
ドゥクチュの暗殺も彼らの仕業だと知るが証拠が無いと堪える。
清国商人達の談合で朝鮮人参不買運動が行われて朝鮮商談は危機に。
松商大房チュミョンは商人たちに値下げを提案するがサンオクは拒否。

サンオクだけ値を上げ、松商や京商が安値で売った人参を買い占める。
清国産の人参が四十両で売られると人参を入手、粗悪品だと確信する。
市も終わり間近、清国商界を敵に回す事態に発展しそうな雰囲気の中、
サンオクは最高級の人参を燃やし始めると清国商人は慌てて抑止。
結果的に消却分の上乗せを加味した金額で湾商は大儲けをするだった。

これにより湾商は朝鮮一の商団となって義州に帰還する。
大損した松商は帰還後、パク・チュミョンとチョン・チスが密取引と、
ドュクチュ殺害の容疑で連行。証拠不十分で釈放されるが資金難に陥り、
チョン・チスは都房らと接触してチュミョン更迭を目論むのだった。

大富豪になったサンオクは愛するタニョンを妻にしたかったが、
夫の仇と母が猛反対、恩のあるドュクチュの娘ミグムとの婚姻を命じる。
長年チェヨンの行方を探していた親族が居場所を突き止めて松商を来訪、
父の名誉が回復され、晴れて両班となったチェヨンは漢陽に戻る。


パク・チュミョンを更迭させたチョン・チスが松商の大房となる。
サンオクはミグムと結婚、湾商は名実共に朝鮮一の商団に上り詰める。
ある日、ホン・デスという者が商売を教えて欲しいと訪ねてくる。
彼に商才を感じたサンオクは本店の書記として雇うが・・・

松商を追い出されたチュミョンとタニョンは鉱山を営む。
資金が底をつきそうな時に金脈を見つけ再起の足掛かりを得るが、
それを知ったチョン・チスは役人を買収して鉱山の権利を横領する。
ホン・デスの素性は反乱軍を率いるホン・ギョンネであった。
彼は義賊としてサンオクの協力をあてにしていたが拒絶される。

デスはタニョンとも接触し、民のためと五百両の援助を受けていた。
ホン・ギョンネの乱が勃発、サンオクは官軍に支援米を提供して貢献、
さらに役職を得て戦地に向い、反乱軍に巻き込まれたタニョンを探す。
反乱軍に資金提供した罪で捕われていたチュミョン、デホ大行首と面会、
チュミョンは過去の過ちを謝罪、土下座してタニョンの消息を託す。

金鉱取引不正でチョン・チスは捕縛、松商の人参交易権は没収される。
サンオクは殿下より褒章が下賜。松商の借金を肩代わり店舗を奪回する。
湾商はキム・ドゥグァンを都房とした新しい組織体系に改革し、
サンオクは役人として泰川に赴任、両班と役人の不正を知ることに。

農作に向かない土地で漆栽培と螺細漆器の生産で百姓の暮らしを改善、
平壌監営の酒宴に招かれたサンオクは妓生として現れたタニョンと再会。
泰川の善政が高く評価されたサンオクは郭山郡守に任命されることになり、
平壌監司の計らいで官妓生のタニョンを連れて郭山に向かうのだった。

チョン・チスはサンオクを蹴落とす方法を探し続けていた。
平壌官衙の判官に赴任した親友イ・ミョンウはホン・ギョンネ乱の際、
逆徒に金を渡した者の名簿から不審な天銀2万両という記載を発見、
そんな大金を提供できるのは湾商しかいないことを確信するのだった。


反乱軍に資金提供した罪で投獄されるサンオクであったが、
民を救い、郡に兵糧を支給し、多額の税金を納めた功績があり、
さらにアヘン中毒者が急増した清国から大量の朝鮮人参を要求され、
対応力がある商房は湾商しかいなくサンオクに任されることに。

期限内に紅参を納品した事で王もサンオクの功績を認めるが、
松商から賄賂を受け取っていた重臣がサンオクの大罪を糾弾する。
しかし賄賂が暴かれた重臣は更迭、反乱軍関係者の再調査が行われ、
サンオクは釈放され、チュミョン、デホ大行首、タミョンも釈放。

チョン・チスは湾商の小切手偽造がバレ、多額の資金難にも陥る。
サンオクは彼に足を洗い身を引くなら罪を問わないと告げるが・・・
チュミョンは引退、都房たちに請われタミョンが松商大房となる。
サンオクは王に認められて重臣となるよう求められるが辞退し、
民のために各地を巡って過ごすのだった・・・。


好みのサクセスストーリーものだと監督を調べてみたら、
面白かったトンイやオクニョ、チャングムの監督であった。
ある程度パターン化した部分はあるけど構成が上手いし、
主人公を盛り立てる脇役のキャラクターも魅力的だった。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

軍師柳成龍

韓国時代劇ドラマ48作目を観終えた(全50話)



懲毖録(ジンビロク)は1592年から1598年に渡り、
日本軍の朝鮮侵攻前兆や、朝鮮朝廷の行動と明国の動向、
日本軍と朝鮮の朝廷及び明国の交渉や裏取引等に関しても、
一部始終を詳細に記した官僚リュ・ソンリョンの著作。

建国から200年。朝鮮王朝は直系の王が断絶し、
傍系の河城君(宣祖)が第14代王に即位していた。
朝廷は主導権を巡って東人と西人の派閥抗争が激化する。

一方、日本では天下を統一した豊臣秀吉が明国征服を掲げ、
朝鮮を通る際に日本軍に協力するよう使者を送ってくる。
リュ・ソンリョンや大臣は倭国(日本)の武力に脅威を感じ、
王に使者と会い、偵察のため倭国に使者を送るよう進言する。
しかし、日本を野蛮国(獣国)と見下す王は面会を拒否。


宣祖は臆病で孤独な精神疾患気味の愚王に描かれていて、
息子の光海君の人気に嫉妬し、大臣の進言に機嫌を損ね、
後世の名声を気にしたり、派閥の力関係ばかり気にする。
常に何かに怯え、覇気も信念も魅力も感じられない。

リュの再三の提言で日本に通信使を派遣する事になるが、
二人の報告は真逆で秀吉が戦争を起こすと主張する者と、
そんな様子は全く感じられなかったと報告する者がいた。
王は野蛮国が侵攻しても撃退できると国防強化論を却下、
民の苦役を減らすと国防工事を中断、監視役も怠惰になる。

日本側からすれば明国進軍の協力要請を保護にされ、
だったら実力行使するよと忠告しても無視された訳で、
激怒した秀吉が朝鮮出兵を命じたのも肯ける描写である。
平和ボケした朝鮮軍は抗戦するでもなく我先に敵前逃亡し、
そのため日本軍は破竹の勢いで首都を目指して進軍。

この者がいるから大丈夫だと信頼していた将軍も戦死し、
いよいよ首都に迫ってきたという所で王がとった行動は、
首都も民も捨てて自分たちだけ逃げるという行為・・・
しかも臨海君・順和君の王子が捕虜になっても助けず、
自分が生きる=朝鮮復興の望みだと開き直っていた。


日本軍も予定よりも早く首都陥落させてしまった事で、
兵糧不足や疫病、功績争いで衝突し、侵攻が停滞する。
そんな中、朝鮮の要請で明の援軍が駆けつけ連合軍が結成、
主導権を明側が持つという事で様々な軋轢が起きたりし、
沈惟敬が朝鮮軍に内緒で小西行長らと和議の交渉を行う。

小西ら日本軍も朝鮮の壊滅を望んでいる訳では無く、
明への進軍に協力してくれれば良いという観点であったし、
明の援軍も国内の紛争問題もあって面倒にしたくなく、
勝手に和議交渉を行って朝鮮の領土を譲渡しようとする。

そんな中、イ・スンシン率いる海軍が日本水軍を撃退、
これによって補給路が断たれた日本軍の侵攻が停滞する。
リュ・ソンリョンという先見の明がある有能な官僚と、
日本水軍を知略で撃退させた軍師イ・スンシンがいても、
腐った朝廷、王、官僚らが彼らの足を引っ張る。

リュ・ソンリョンは何度も役職を解かれたり復職したり、
イ・スンシンの功績を妬んだ官僚は王を懐柔して罪に問い、
投獄するが、これにより停滞していた日本軍は息を吹き返す。
和議交渉が破談になって日本軍が再び朝鮮を攻め込むと、
新たな軍師は朝鮮水軍を壊滅に追い込んでしまう。


王は牢獄のイ・スンシンを免罪にして白衣従軍を命ずる。
僅か12隻の戦船を率いたイ・スンシンは日本軍を撃退、
しかし、明水軍の指揮下に入れられた事で事態は悪化、
結果的に兵数で勝っていた明・朝鮮軍は敗北する。

だが秀吉が亡くなった事で、日本軍に退却命令が出され、
小西行長は明との間に講和を成立させて撤退しようとするが、
明・朝鮮水軍は海上封鎖を実施して小西らの退路を阻む。
イ・スンシンは領土を蹂躙した日本軍を無事に返すものかと、
必死の追撃をするが、日本兵の流れ弾にて戦死してしまう。

その頃、国難の責任をとらない王に愛想を尽かせたリュは、
官僚から辞職し、国政に関わらないと隠居することを決め、
密かに一連の出来事をまとめた執筆活動に専念した。



秀吉の朝鮮侵攻が題材となっている歴史時代劇なので、
日本側を鬼畜のように描いているのではと思ったが、
国防を行わない自滅、自虐的な視点で構成されている。
日本統一を果たした秀吉を野蛮国の獣王として見下し、
侵攻してきても容易に撃退できると軽んじているけど、
日本軍も虐殺を望んでいない描写説明があるのは驚き。

どの時代も王は重臣の傀儡となって派閥争いに利用され、
貴族達は権力と財力を求め、危うくなればすぐに逃げる。
王が民を捨て、首都から逃亡する歴史は繰り返される。

本作の日本人はヘンテコ日本語ではなく朝鮮語なので、
言葉的な違和感はないけど、仕草や佇まいは違和感があった。
秀吉の狂気も過剰演出な感じ、寧寧と淀は今風女性すぎ。
しかし秀吉の周りにいる連中は皆、脇に刀を差していて、
謀反を起こし放題だな。前に観た時代劇の秀吉家来は、
甲冑姿で屋敷にいて仰天したけど・・・

この物語の原作は懲毖録という国宝史書であるため、
多少の違和感がありつつ説得力のある歴史ドラマだった。
イ・スンシンの兵法力が分かる演出が欲しかったかな、
それと本作のタイトルにある「軍師」は違和感があるかな。
軍師とつけたら兵法を見せて欲しかった・・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ 次ページ »