空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

月組「All for One -ダルタニアンと太陽王-」

2017-07-16 21:05:18 | 観劇(タカラヅカ)
そう言えば私は、『三銃士』が好きだったのだ。

まあ原点は幼い頃に読んだ抄訳版で、多分、岩波少年文庫ぐらいまでは読んだと思うんだけど、
大人向け完訳は読んだことがなく、
続編に至っては子ども向け『鉄仮面』限定で、
アラミスが女体化してるアニメ版も、確か割と原作に忠実な三谷幸喜の人形劇も
未見だったりする……
映画は1993年版の映画(これは結構この作品に影響を与えている気が)と、
ディカプリオの『仮面の男』は見たっけなあ…。
海外ドラマの『マスケティアーズ』も面白そうだと思いながら見逃したまま。
あ、タカラヅカの『ブルボンの封印』『バッカスと呼ばれた男』『仮面の男』とかも未見です。
(『ブルボンの封印』は、森川久美のコミカライズ版のみ読んだ。)
佐藤賢一の新書『ダルタニャンの生涯』も昔読みましたね。

…などなどの記憶が過る。
つまりつまり、楽しかった!!!のです。
夏休み向け、一見さん向け、スカピンを更にライトにした感じではありますが、
(オーシャンズ11っぽくもある)初タカラヅカ!って人にお勧めできる作品。

一幕見た感想としては、
ちゃぴちゃん、一人勝ち。
やあ~配役発表時点で大いなるネタバレになっているんですが、
しかし、この役は、ちゃぴちゃん以外に不可能。
そしてその役が、とびっきり魅力的。
そして、絡む男役を素敵に見せるのが、娘役の鑑ですね。

たまきち@ダルタニアンは、正統派ヒーロー。
微妙に無神経というか女心に疎い感じというか普通に性欲持ってる感じというか…
いや、ひどいこと言ってますが、「男役」というより「男」っぽいんだよね。
かの、れおん君も就任したての頃はそんなことを言われていた気がするので、
これからどう進化していくか楽しみです。

そして「壁」(笑)
意外と早く登場したので見逃しかけました。皆様ご注意を。

みやちゃん@アラミス。
アラミスがいるよ~~
(『三銃士』ではアラミスが一番好きでした。)
正しく、アラミス。有能っぷりも、神父っぷりも、タラシっぷりも、
私の愛してきたアラミスが、この上なく美しい姿で存在している…。
としくんのアトスも、ありちゃんのポルトスも良かったけど、
このアラミスを見られたことが、まずは幸せ。

そして、月組デビューのれいこちゃん@ベルナルド(イタリア人)。
いやあ、小池作品の悪役だよね~という。
つまりは、ショーヴラン(スカピン)であり、ベネディクト(オーシャンズ)であり、
ジェラールさん(るろ剣)っすよ。
……何だかとっても、だいもんの面影を感じました。
一部、蒼紫でしたけどね。
しかし、イケメン。そしてたまきちとの並びが素敵!!
れいこが月組で輝いているのが嬉しい…って、これは誰視点の感想なんでしょうかね(笑)

そして「壁」(笑)(笑)
いやあ、れいこちゃんVer.の壁ドンも見たかったよ。

ラスボスは、ヒロさん@マザラン。
史実との相違が気になる、というか、93年版映画のリシュリューをスライドさせた感が
かなりあるんですが、さすがの存在感、素晴らしかった。
ゆりや君の残念っぷりも磨きがかかって(ほめてます)

すー様@アンヌは、史実よりだいぶソフトになってるなーと思うのですが
(マザランとの不貞関係がうやむやになってるし)
ちゃぴちゃんの母、という役柄は、ロミジュリのキャピュレット夫人を彷彿とさせる
「毒」な感じで。嫌いじゃない。

コマちゃんは女役(「PUCK」でもロミジュリでも女役なので、
イケコ的にそういうポジションなのかしら…)ですが、この役はコマちゃんしかできないな~。
「公爵夫人」なのにオールドミス設定(「マドモアゼル」と自分でも言ってたし)なのが
最後まで謎だったのですが、実在の人物なのですね。
「公爵夫人」じゃなくて「女公爵」が多分正しいんだけど、
歴史上も「公爵夫人」と訳されててそのまま使ってる感じ。
相変わらずのコメディエンヌぶりと、男役感も見えて楽しかった。

「浪漫活劇」と銘打たれている通りの痛快アクションコメディ。
深く考えなくても楽しめる(でも史実的なくすぐりもある)、
良作だと思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 花組「邪馬台国の風」「Sante!」 | トップ | 劇団☆新感線「髑髏城の七人 ... »

コメントを投稿