空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

星組「エル・アルコン-鷹-」「Ray-星の光線-」(梅田芸術劇場)

2020-11-27 21:05:37 | 観劇(タカラヅカ)
星組に始まり、星組に終わる2020年。
2月に星組公演の感想を書いた時には、
(既に新型ウィルスのニュースは世間を賑わせていたものの)
こんな世界になるとは全く思っていませんでした。

何より楽しみにしていた花組さんの「はいからさんが通る」は、
3回チケットを獲って3回とも公演中止になる
(しかも一気に全滅したのではなく、小刻みに1回ずつ中止連絡が来る)
という、御縁の無さもここに極まれりという憂き目に遭い、
そのまま大劇場には足を運ばないまま1年が終わろうとしています。
(はいからさんはムラ千秋楽を配信で見た)

そして、「はいからさん」と同じくらい、いやそれ以上に原作を愛している
「エル・アルコン」は何としても行きたい!とチケ取りに野心をメラメラ燃やし(「ミッション」)
千秋楽直前に何とか1回、観劇することができました。
これを以て2020年の観劇は、星組さん×2となりました。

【エル・アルコン-鷹-

原作と初演への思い入れが強すぎて、最初に全ツでやると発表されたとき、
・セリと盆が使えないけどいいのか?(みんな言ってた)魅力7割減とかでは(←暴言)
・てか、あの内容を全国のお客さんの前でやっていいのか? 主人公、ただの人でなしだぞ
・琴ちゃんと愛ちゃん、配役逆じゃね?
 『七つの海七つの空』だけにエピソード絞って一から再構成した方がいいのでは…
等々の思いが脳内を駆け巡ったのですが、
当初2日間しかなかった梅田公演は当然のごとくチケット取りに敗退。
そしてそのままコロナ禍で公演中止。
いろいろ仕切り直して、梅芸だけでやると発表されたときは、
・梅芸なら設備はあるから、盆だけでも使いませんか?(→無理でしたね)
・ショー削って一本物に直しませんか?(→結論から言うとショーがあって良かった)
初日開いてから、劇評とかを読み、「脚本直ってないのか…」と嘆息しつつ、
梅芸3階の「見づらい」という注釈付き(知ってる)の座席券を何とかゲットして、
当日を楽しみに待ちました。

初演はもう13年前。初日に大劇場まで行き、いろいろ「段取り」感のある
(暗転で暗くなりきってなくって、直前に死んだはずのジェラードが歩いて移動するのが丸見えだったり、
幕が下りた後の斎藤先生の声がマイクオフになってなくて客席に聞こえたり)
未完成な感じのを見たのも良い思い出。
どうしてももう1回見たくて、年明けに東京まで新幹線と夜行バスで見に行ったのも。
あの頃私は学生で。平成は遠くなりにけり。
そして当時音楽学校生だった琴ちゃんが初演のファンでどうしてもやりたかったという話を聞いてほっこりする。

そして当日。
朝から別件の用事が入り、幕開けに間に合うか気を揉む。(13年ぶり2度目)
「エル・アルコン」なんて、オープニングにチケット代の8割払うような作品なのに!(←暴言)
無事に客席に着いて、開幕。
……オープニングで泣く。

原作のキャラクターが好きで~楽曲が死ぬほど好きで~
そして琴ちゃん&ひっとんが、めっちゃ初演のとうあすコンビを彷彿とさせて~
このプロローグを見られただけで明日から生きていける、そう思いました。
セリと盆はもちろん欲しかったけど、無くても十分良かった。

そして感動したのが。
脚本、細かい所めっちゃ直ってる!!
→初演の不満は主にこの辺
・最初に小ティリアンが「父上!」って言う!
・ティリアンが反逆者だって初めの方でちゃんと説明してる!
・全体的にモノローグ増えた
→しかし説明が増えた分、時間内に収めるためにセリフも曲もテンポアップするという
「シン・ゴジラ現象」が発生(そんな言葉は無い)
 しかも梅芸の音響のせいか、ところどころ聞き取れず。
・エドウィン・グレイムがちゃんとティリアンと対決して死ぬ場面がある!
(初演でぶつぶつ言ってたのはこの辺
(残念ながらシグリッドの最期はなかった)
・ラスト、レッドがティリアンのために泣く!!
・「太平洋を超えて」アメリカに行かない!!
(ここは東京公演の時点で修正可能やったやろ…と今でも思ってる)

・あ~でも幼なじみ設定は健在か。
・そして唐突にフランス語やスペイン語のセリフが入るのもそのままか。
・マザコン設定含め、斎藤先生のこだわりなんだろうな~

今回は、原作より初演より、ティリアン→ギルダの感情が純情でした。
少年時代からギルダ一筋やん、っていう。
原作では、ギルダに一定の敬意は示していても所詮つまみ食いだし、
「砲弾とロープを贈りたい」って、最初から殺す気しかないし。
宝塚でトップ娘役にやらせるにはこの辺のアレンジは必要かなあと。
(でも幼なじみ設定はいらない)

ただ、「七つの海の約束」という役割をギルダに振っちゃった分、
ラストの対・ニコラスの唐突感がすごかったのが残念。
(初演はニコラスがちゃんとヒロインに見えていたのは、中の人の卒業オーラもあったかな。)
一方で、ペネロープの扱いは初演より良かった気がします(あれでも!)

「エル・アルコン」号が無双する所は、演出難しくても絶対欲しいんですが…今回も無し…

琴ちゃんの声で、あのすばらしい楽曲を聞ける幸せ。
ティリアンという役が、この作品と楽曲が好きなんだなというのがひしひしと伝わって、
良いものを見た、聞けたと素直に思いました。

ひっとんのギルダ。
あすかちゃんのギルダが蘇ったようで、懐かしさで泣く。
ギルダが何のために戦っているのかがクリアになったのと、
ラストシーンでギルダとティリアンが一緒なのが救いに見えたのが良かった。

白い役久しぶりでは?という愛ちゃんのレッドですが、とても良かったです。
ティリアンへの執着心が、歪みすぎず、幼すぎず、適度な色気があって。
「宿命」のシーンはゾクゾクしました(あの曲大好き!!)
前述したようにちゃんとティリアンのために泣くし。
(愛ちゃんのティリアンも見てみたかったけれど。扮装だけでも。)

若手主体の公演だと思うのですが、全然気にならなかった。
くらっちとかはるこちゃんが締めてくれたのも◎。

控えめに言って大好きです。
再演してくれてありがとう。


【Ray -星の光線-

初演の時は、併演のショー「レビュー・オルキス」が本当に嫌いだったのですが(きっぱり)
今回は「Ray」が見られて良かったです。
2月に見た大劇場版はもはや忘却の彼方で、
大劇場から変更点があるのかどうかさえ分からなかったけれど、
タカラヅカで見たい物が全部入っているオーソドックスなショーで、
最初から最後まで、見ていてずっと幸せでした。

そして愛ちゃんが好きすぎて苦しい。
オペラグラスは愛ちゃんにロックしていた。

自慢の宙っ子だった愛ちゃん。
星組で二番手さんとして立派に輝いていて。
下級生トップさんの下だから、思うところもいろいろあるけれど、
それでも今の愛ちゃんの輝きが愛おしくて、泣きたくなる。
泣けるほど誰かを好きになると、別れの時に辛いからしんどいのだけれど、
そこまで好きという感情を持たずして何のファン生活か、とも思うから、
げにヅカファンライフは難しい。

ともあれ、今の星組の皆さんに幸あれ。
みんなが健康で、次の公演も迎えられますように(切実)。

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