昨日、山のなかで、野生のイノシシ親子と遭遇した。今季最後の山菜採りと決め、いつもの山道を歩いていくと、途中の渓流から異様な音が聞こえてくる。鼻を鳴らしている。獣の気配である。まずい。ついにクマと鉢合わせしてしまうのか。
立ちどまり、樹木に覆われて小さなトンネルのようになっている渓流を見やる。数メートル先に、イノシシの子どもであるウリ坊3頭が身体を寄せあい、上流へと向かっている。水に浸かっているせいか、なかなか進まない。水かきでもしているようなよちよち歩き姿は、見ている分にはかわいい。
と、鼻息がいちだんと荒くなり、唸り声が大きくなった。とたんに物凄い物音がした。すぐ近くに隠れていて、こちらの様子を探っていたのだろうか。1メートル以上はある黒い物体が猛然と渓流を突進し、ウリ坊を先導するように駆けあがってゆく。こちらを威嚇するように樹木を揺らし、唸り声を発する。もしも、あれだけの突進力でこちらへ向かってきたら、ただでは済まなかっただろう。
これまで地元エリア(盛岡市繋)で、イノシシが掘り起こした「現場」をいくつか見てきたが、だいたい被害は、人々が寝静まった深夜から明け方にかけて発生しており、実物をこの目で見たことはない。この山道の先に、別のイノシシの群れが潜んでいるかもしれない。
これは山の神の警告だ。さっ、おとなしく帰ろう。とも思ったが、せっかくだからと、1時間ばかりシドケやフキなどを「はきご」にびっしり採って、帰宅した。山の奥では、エゾハルゼミが鳴いていた。もうじき、辺りの山では、蝉しぐれがにぎやかになることだろう。残念ながら、毎年見かける、春先のこぶりなカラスアゲハには出会わなかった。里ではウスバシロチョウが舞っている。季節は、春から初夏へとめぐってゆく(立夏は5月5日)。どっとはれ。
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