天皇杯準々決勝、相手は浦和。近年では2004年のナビスコカップ決勝で浦和を破って以来、公式戦で勝利をしていない相手だ。来季はJ1の舞台で戦うことになる。J2優勝で培った精神力や粘り強さを発揮して、来季J1の試金石としたいところだ。
前半は東京、後半は浦和が主導権を握った。序盤こそ浦和が攻め込むも早いプレッシャーを仕掛けてそれを許さない。しっかりと浦和から試合の流れを奪っていくと、ルーカスのシュートチャンスで交錯した浦和のSB山田暢が負傷し、野田と交代。浦和が修正を試みるも守勢に回ったところを攻め立てたのは東京だった。左サイドからエリア前を横切るようにルーカスと石川のワン・ツーから谷澤へ、その谷澤がゴール正面へボールを流すと、そこへルーカスとのパスをし終えた石川が走り込み、さらにゴール左上へとひねったシュートを放つとこれが見事に決まり、東京が先制点を奪った。この前に右サイドから抜け出した後のグラウンダーのシュートを外している石川だったが、ここでしっかりと結果を出した。
その後もパスを繋いで前線へ持ち込むも、センタリングであったりパス交換などの連係の精度が高くなく、決定的な場面を作り出すまでには至らずに前半を終えた。
後半も序盤は東京が前半の勢いのまま浦和のゴール前へと攻め込む時間が続いた。だが、追加点が奪えずにいると、東京の運動量が次第に落ちてきたこともあり、柏木やマルシオ、梅崎を中心に浦和が主導権を握り返す。東京は浦和の立て続けの攻撃に苦しむが、DF陣が身を挺して最後の突破を許さず、虎の子の1点を守りきって、準決勝進出を決めた。
結果としては最少得点差、後半は受け手となる場面が多く苦しかったが、前半の素早いプレス、相手を追い込むチェイシングなどで浦和の攻撃を摘み、守備陣を慌てさせた。さすがに後半は運動量も落ちたが、そのような姿勢が前半の主導権を掴む展開を呼び込み、得点シーンを生み出したのだと思う。
もちろん、これがリーグ戦ではなく、ノックアウト方式のトーナメント戦だから出せたのではないかと考える人もいるだろう。リーグ戦でこのような早いプレスを毎回仕掛け、それを90分間続けられればそれに越したことはない。今はそれへ向けての成長段階だ。だが、J1相手の難敵・浦和に対して必死な姿勢を見せ続けられたことは、評価出来る。
しかしながら、すっかり満足出来るという訳でもないのも事実。次なる課題はそれが継続出来るかというところ。次の相手、J1の強敵C大阪を相手にそれが継続出来るか、それを念頭において、準決勝を勝ち抜いてもらいたい。
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天皇杯 準々決勝
2011/12/24 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
FC東京 1(1-0、0-0)0 浦和
【得点】
(東):石川(20分)
観衆: 11,612人
天気: 晴、中風
<メンバー>
≪FC東京≫
20 GK 権田修一
02 DF 徳永悠平
03 DF 森重真人
06 DF 今野泰幸
33 DF 椋原健太
04 MF 高橋秀人
10 MF 梶山陽平
18 MF 石川直宏 → 27 MF 田邉草民(73分)
39 MF 谷澤達也 → 11 FW 鈴木達也(86分)
22 FW 羽生直剛 → 09 FW ロベルト セザー(62分)
49 FW ルーカス
01 GK 塩田仁史
14 DF 中村北斗
32 MF 上里一将
35 MF 下田光平
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