*** june typhoon tokyo ***

徳島×FC東京

■ 上位対決を制して勝点伸ばす


 前回はホームで1-0で勝利した徳島とのアウェイ。東京54、徳島49の勝点差5での1位と3位の激突は、東京にとっては苦しくも価値のある勝利となった。

 東京は累積停止の田邉に代わって永里が先発。サブには久しぶりに高松が入った。
 徳島は前回東京に負けたこと以上に昇格圏内に生き残るため、かなりの勢いで攻め込んできた。東京攻撃陣への早いプレス(かなりラフでもあったが)と、素早いボール回しによる波状攻撃でゴールに迫る。全体でのシュート数は東京が10本なのに対し徳島は19本(前半は東京の3本に対し徳島は12本)と、かなり主導権を握られての展開だった。攻める徳島、守る東京という図式で多くの時間が過ぎていった。

 だが、それでも勝利に繋がったのは、徳島の攻撃を最後のところで潰すことが出来たことが大きい。チーム全体でシュートを打たせない、止めるんだという気持ちのこもった必死なプレーが相手のゴールを阻み、また、相手の決定機でのシュートミスにも繋がったのではないか。たとえば、後半の東京陣内での徳島のエリアやや右外からのFK。徳重からの意表を突いたグラウンダーに西嶋が反応し、キーパー前に飛び出しヒールでのゴールを狙うも決められずという場面があったが、ディフェンスの集中が一瞬遅れて失点しても可笑しくない決定機だった。そのような運にも助けられたところが多分にあった。
 もちろん、攻撃を受け続けるということにおいては、ゲームプランとしても戦術としても反省すべき箇所が相当ある。J2においてこれまで最少失点を誇る守備力とはいえ、守備力において他の上位陣のチームと圧倒的な差があるとまではいえない。チームや個の力で上回っているといわれたとしても、攻め続けられればかならず失点する機会は訪れるのだ。この試合では今野が警告を受け、DF陣のカードの累積も少なくはない。今後、メンバー入れ替えの場面がが必然となるだろうなかで、チームとしてどのような連係をしていくか。これまで出場が多くない選手たちにも高いレヴェルでの奮起が求められる。

 攻められ続けるなかでの先制点はセットプレーから。これまでは得点の匂いがしないとサポーターのなかでは揶揄されることもあったCKだが、ここぞという時に結果を残せたことは大きい。谷澤のファーへ高く蹴り上げたボールを今野がインサイドで当てて前へ運ぶと、その前でゴールに背を向けていた永里がやや掠り気味にヒットしたもののバイシクルでボールのコースを変えてゴール。
 その後も徳島の波状攻撃に苦しめられながらも相手を突き放すことが出来たのは、石川のゴールだった。途中出場の坂田が左サイドエリア前まで運ぶと、中央の谷澤へパス。DFを一瞬ひきつけた谷澤が右エリア内へボールを流すと、後方から駆け込んできた石川がニアサイド右上隅の、ここしかないというコースへ突き刺すゴールで追加点を奪った。これまでも多く言っていることだが、追加点というのが如何に試合を勝利へ導く特効薬であるかということ。この後も徳島の前がかった攻撃は見られたが、気持ち的に多少落ち着きを持てるようになった東京の選手たちは、無理に突っ込んでいくこともなく、徳島の前線を右に左に追いかけさせながら、ボールを展開して時間と体力を費やす戦い方で試合をクローズドさせることに成功した。

 試合内容は決して褒められたものではなかったが、常に100%いい状態でいることは難しい。だが、調子が悪い、状況が悪いなかでも結果を残せたというのは、このJ2というなかなか歯ごたえのあるリーグでの試合を経験していくなかで、精神的にも成長した部分ではないかと思う。得点をした永里は田邉に代わっての先発、追加点の石川は途中出場と、これまでのレギュラーでない選手が活躍したことも大きい。これまで使われることが少ない選手たちにも、さらなる刺激を与えたのではないか。

 慢心や過信は良くないが、今後を占う重要な一戦で、苦しい中での戦いを制して勝点3を積み上げる結果を残せたことは自信にしていいだろう。リーグもついに終盤戦に突入した。今後も簡単な試合はないだろうが、高い意識と集中を持って試合に接し、一時でも早くJ1昇格を突き詰めたい。


◇◇◇
 

Jリーグディビジョン2 第30節

2011/10/02 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

徳島 0(0-1、0-1)2 FC東京

【得点】
(東):永里(16分)、石川(77分)

観衆: 9,118人
天気: 晴、中風


<メンバー>

≪FC東京≫

20 GK 権田修一
02 DF 徳永悠平
03 DF 森重真人
06 DF 今野泰幸
33 DF 椋原健太
04 MF 高橋秀人
10 MF 梶山陽平
17 MF 永里源気 → 18 MF 石川直宏(57分)
39 MF 谷澤達也 → 11 FW 鈴木達也(80分)
22 FW 羽生直剛 → 38 FW 坂田大輔(71分)
49 FW ルーカス

31 GK 常澤聡
14 DF 中村北斗
32 MF 上里一将
30 FW 高松大樹


◇◇◇


 今日は、徳島へ東京ドロンパ初の遠征だったとか。徳島のマスコット“ヴォルタくん”&“ティスちゃん”との
“タヌキダービー”もしっかりリヴェンジ出来たのだろうか、気になるところだ(前回味スタでの対決はドリブル競争、リフティングともにヴォルタくんに負けていたので)。
 
 




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