*** june typhoon tokyo ***

川崎×FC東京@等々力【YBCルヴァンカップ】

 ともに低調なスタートで始まった試合は、勝利への意識の差でホームチームに軍配。

 YBCルヴァンカップのノックアウトステージとなる準々決勝は、リーグ戦では今季1勝1分けの“多摩川クラシコ”として川崎と三度目の対戦に。1stレグは川崎のホーム、等々力で開催。J1リーグの甲府戦から中二日の川崎は、家長、エドゥアルド・ネット、奈良以外はターンオーヴァーして8人先発を変更。対するFC東京は、高萩、チャン・ヒョンスが代表入りのため、センターバックとボランチというチームの要を欠くことになる厳しい状況を、アンカーに梶山、センターバックに吉本で対応。右ウィングには柳、2トップに大久保嘉人とウタカを配した。

 前半は共に低調。川崎がボールを支配する時間は長かったものの、ゴール前付近ではリズムに乗れずにいると、FC東京もアウェイだからか守備的な意識が働いたのか、前へのアタックはほとんど見られず。だが、それ以上にパスミス、連係ミスが多発し、ボールを前へ運ぶことすら出来ない。パススピードや球離れも圧倒的に遅く、動き出しもほとんどないため、足を止めてパスの出しどころに苦慮するばかりか、ゴールに背を向けたなかでの緩いパスを狙われて、一気にピンチになりかける場面もあったりと、非常にストレスを感じる45分だった。

 それでも後半開始以降、いまいち流れに乗れない川崎の隙を突いて、FC東京が攻撃する時間帯が生まれ、61分に米本のスルーパスから大久保嘉人がGKと1対1という場面を作るものの、川崎のGK新井に阻まれ先制機を逃してしまう。その後も好機が生まれそうになるものの、素早いビルドアップが皆無なため、ボールを奪っても効果的な攻撃が出来ない。持ち上がっても前へボールを運べずに後方へボールを戻し、あるいはスピードのギアを上げるどころか減速して相手の帰陣を易々と許すなど、故意に攻めずに引き分け狙いとしか理解が出来ないパフォーマンスが続く。
 自ら攻撃のリズムを放棄したようなFC東京がチャンスを逃し続けていると、ゴールキックを焦ったのか林のフィードのミスから川崎にボールが渡ると、川崎が一気に反撃モードに。前線でボールを素早く動かし、細かいパスワークでエリア内へ侵入した森本へ丸山が対応しきれず、微妙な判定だったがPKを献上。これを家長が冷静に決めて川崎が先制した。

 勝利はともかく、引き分けてアウェイゴールのアドヴァンテージを獲りたいFC東京だったが、その後もギアは上がらず。守るのか攻めに行くのかの意識統一もなく、非常に中途半端な攻めに終始し、1失点している状況を分かっていないのかとも思える内容。70分以降、永井、東、前田と立て続けにピッチに送り込むものの、その意図も不明瞭で交代策の効果は見られず。一方、長谷川には車屋、森本には小林悠を投入した川崎は、PKを決めて調子を上げてきた家長との連係も生まれ始め、90分に家長がこの日2ゴール目を決めて勝利を確実なものとする。
 それでもFC東京は攻勢を掛ける時間を有し、ボールをサイドへ散らして中へ侵入する攻撃を繰り返すも、なぜかゴールを目の前にしてパス交換を連発。アディショナルタイムが4分あるとはいえ、2点ビハインドで少しでも早く得点を奪わなければいけない状況のなかでシュートを打とうとせずにシュートを他へ依存する姿勢を続け、結局ボールを奪われてカウンターを受けるという展開に。まったく不甲斐ないプレーに終始し、当然のごとく敗戦を喫した。

 FC東京は勝敗という結果以上にチームとしての意思統一がなされておらず、もはや連動性ばかりか勝利への意識も見られない。特に太田、徳永、梶山らのヴェテラン勢が周囲を焚き付けるどころか、チームの意気を消沈させるようなネガティヴなプレーによって、大久保嘉人やウタカまでにその悪いムードは波及しているような状態だ。今季、事実上狙えるタイトルがルヴァンカップに限られ、さらに石川のラストイヤーへチーム一丸となって奮闘するという結束もどこかへ飛んでしまっている体たらく。“闘う”ということを忘れ去ってしまった群衆に成り下がってしまっていた。

 闘うことを忘れたという意味では、ゴール裏も同様。前半終盤にチャンスでもないのにそれまで歌っていなかったからか「サマーライオン」のチャントを場違いで繰り出すのはまだしも、15分以上も長々と新チャントを歌い続ける自己満足な応援を展開。さらには、試合終了後の挨拶で選手たちに低調な内容に対し強い態度で発破をかけるどころか、ブーイングもなく新チャントで迎え入れる始末。この体たらくの内容で叱咤が出来ないような生ぬるさでは、チームを鼓舞し後押しする力になるには程遠い。週末にホームでの2戦目を残すとはいえ、そのようなアクションでこの短期間でぬるま湯に浸かったチームを変える刺激が生まれるのかと言えば、首を大きく傾けざるを得ない。

 可能性は確かにある。だが、次は無失点に抑えても川崎相手に3点以上を獲らなければ準決勝へは進めない事実は、非常に厳しい。少なくとも今日のようなゴール前での積極性を欠いたプレーを続けている以上は、勝利はおろか、得点も望めない。勝敗や結果はともかく、2ndレグでFC東京としての気概を見せられないと、チームの求心力を大幅に減少させる危機に陥ることを肝に銘じて臨まなければならない。

◇◇◇

【Jリーグ YBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦】
2017年08月30日(水)19:04 試合開始 等々力陸上競技場
入場者数 10,998人
天候 曇 / 気温 27.0℃ / 湿度 86%
主審 木村博之 / 副審 名木利幸、今岡洋二 / 4審 数原武志 / 追加副審 今村義朗、高山啓義

 川 崎 2(0-0 / 2-0)0 FC東京

≪得点≫
(川): 家長昭博(74分、PK)、家長昭博(90分)
(東):

◇◇◇

【FC東京 メンバー】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 22 徳永悠平
DF 04 吉本一謙
DF 05 丸山祐市
MF 10 梶山陽平  → 東 慶悟(74分)
MF 26 柳 貴博[U-21]
MF 37 橋本拳人
MF 07 米本拓司  → 前田遼一(79分)
MF 06 太田宏介
FW 09 ピーター・ウタカ → 永井謙佑(70分)
FW 13 大久保嘉人

≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 36 山田将之
MF 21 ユ・インス
MF 25 小川諒也[U-21]
MF 38 東 慶悟
FW 15 永井謙佑
FW 20 前田遼一

≪監督≫
篠田善之

◇◇◇

















































◇◇◇

【2017 JリーグYBCルヴァンカップ FC東京 日程】
≪グループステージ Aグループ≫
第01節 03/15(水)19:00〇FC東京 6-0 仙 台(H・味スタ
第02節 04/12(水)    休 み
第03節 04/26(水)19:00✕FC東京 1-3 磐 田(A・ヤマハ
第04節 05/03(水)15:00〇FC東京 1-0 札 幌(H・味スタ
第05節 05/10(水)19:00〇FC東京 4-3 大 宮(H・味スタ
第06節 05/24(水)19:00〇FC東京 1-0  柏 (A・ 柏 
第07節 05/31(水)19:00✕FC東京 1-2 清 水(A・アイスタ

■ 順位表(5/31終了現在)
01 仙 台 13/6/4/1/1/10/10/+0
02 FC東京 12/6/4/0/2/14/08/+6
03 札 幌 10/6/3/1/2/07/05/+2
04 磐 田 09/6/3/0/3/10/10/+0
05 大 宮 08/6/2/2/2/11/08/+3
06  柏  05/6/1/2/3/04/06/-2
07 清 水 03/6/1/0/5/05/14/-9
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点)

≪プレーオフステージ≫
第01戦 06/28(水)19:00〇FC東京 1-0 広 島(A・Eスタ
第02戦 07/26(水)19:30〇FC東京 1-0 広 島(H・味スタ
≪ノックアウトステージ≫
準々決勝 第01戦 08/30(水)19:00✕FC東京 0-2 川 崎(A・等々力
準々決勝 第02戦 09/03(日)19:00 FC東京 ✕ 川 崎(H・味スタ
準決勝  第01戦 10/04(水)
準決勝  第02戦 10/08(日)
決 勝  埼スタ 11/04(土)




◇◇◇
















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