*** june typhoon tokyo ***

LAURYN HILL@BLITZ

Lauryn_hill_00体調が最悪のなか、せっかく高い金出してとったんだからということで、“~SPRINGROOVE 07 EXTRA~ Ms. Lauryn Hill”@横浜BLITZへ行ってきた。

会社から横浜BLITZまでは、急いでも1時間弱かかるのですが、まぁ開演時間ちょうどからはやらないだろうと思いながらも、急ぎ足で会場へ。19時30分ちょい前くらいに到着すると、まだ入場列が。18時開場が19時開場になったらしい。この時点で、開演時間も19時とはいいながら、恐らく20時近くになるんだろうなと思っていた。

いやー、予測して2F指定席を取っておいて良かった

と思った。
ホールに入ると、熱気ムンムン。
2F席は、業界人っぽいグループや芸能人風の人たちがゾロゾロ。
結構年齢高めの人が多かった。
そんななか、ポツリとマスクをした態度の悪い男が一人。

ホールでは、シールっぽい曲が延々と流れて、その曲が終わるたびに「まだか、まだか」の空気が流れるんですが、場内は一向に暗転しない。
20時を過ぎ、20時5分頃にアナウンスが。

「開演時間が遅れまして大変申し訳ありません。8年ぶりの来日公演を完璧なものにしたいとの思いから、入念な準備を行なっております……只今、ミス・ローリン・ヒルがホテルを出たとの情報が…」

一斉に、

「今、ホテル出たのかよ!」

との突っ込みが。
さらに、

「ホテルってどこのホテルだ?東京のホテルだったら…あと1時間かかるぞ?」

との声、声、声。
これ、日本だからいいようなものの、地域が地域なら暴動起きるんじゃ?とも思ったり。

20:40に、「あと5分で会場入り」とのアナウンス。
21:05に、暗転。
21:10、ようやくバックバンドが演奏を開始。
開演予定時間から、2時間10分押しですよ。マドンナ級です。

ステージは、真紅のカーテンをバックに左奥からコーラス(×3)、パーカッション、DJ。中央の高台にドラム、その右の台にギター、一番右の高台にベース。コーラスの下にサックスとトランペットのホーン隊、ドラム下にキーボード(×2)という総勢12名のビッグバンドが配された。上からは大きなシャンデリアが吊るされている。シックでゴージャスなナイト・クラブ風の雰囲気だ。そこにトレンチコートに茶色のハット、左手にタオルを持ったローリン・ヒルが加わる。

まず、何が凄いかっていうと、そのバンド・サウンドの大迫力だ。しかも基本的にサウンドは、高速でハード。畳み掛けるようなリズムがダイナミックに迫ってくる。迫ってくるというよりも、押しつぶしに来るといった方が近いのかもしれない。ジャズ・ファンクやレゲエのテイストでの演奏が近いと思うが、ゆるやかなグルーヴが流れるというのではなく、寧ろノリとしては、ハード・ロックに近いと思うほどの衝撃度だ。

そのようなバンドが奏でるサウンド・アレンジゆえ、よーく耳を凝らして聴かないと、何の曲だか解からない……ということもあるかもしれない。それほどに、CDなどのオリジナル・ヴァージョンとはかけ離れたアレンジは、強烈。
それを左手でコントロールしているのは、ローリン自身。おそらくバンド・マスター的な役割であるドラマーに、適度に指示を出し、楽曲のまとめやスタートなどをコントロールしていたと思われる。

小さな身体だが、ハスキーで骨太の声で一気にタイトに突き破っていくような力強さでリリックを歌い上げていく。余計なMCなどはなく、曲間も短い。ほとんどないに等しい。
「私が歌う、動く、感情を表わす、そのパフォーマンス自体が言いたいことだから、受け止めて」
とでもいうような没頭ぶりに、会場は最初からヒートアップ。

楽曲は、「Lost Ones」「Ex-Factor」「To Zion」などソロ曲だけではなく、フージーズ時代の曲やカヴァーなども披露。
FUGEES『THE SCORE』から「HOW MANY MICS」「READY OR NOT」「FU-GEE-LA」や、BOB MARLEYのカヴァー「IRON LION ZION」「ZIMBABWE」なども。
変わったアレンジといえば、ドアーズ「ハートに火をつけて」のイントロから「SUPERSTAR」への展開や、マーサ&バンデラス「ヒートウェーブ」から「Doo-Wop(That Thing)」へと流すなど、凝ったアイディアも。

アンコールは、「Everything Is Everything」を。一度もハットやトレンチコートを脱ぐこともなく、休憩風のMCも挟むことなく、一気に突き抜けて終了。時計の針は、22:35を示していた。

さて、このライヴを体感してだが、大きく2つに感想が分かれるのではないか。
1つはもちろん、大感激・大感動の人たち。8年ぶり公演、さらに2時間押しという焦らしのなかで、CDとはまったく異なるバンド・アレンジをバックに、貫禄のパフォーマンスで圧倒したローリンに心底酔いしれたタイプ。
もう一つは、かすれ気味の声や終盤息切れがみられたヴォーカルに、以前よりのパワー・ダウンを感じたタイプ。

自分は、どちらかといえば、後者か。
その圧倒的なパフォーマンス能力は大いに認めるところだ。息をもつかせぬ曲間で畳み掛ける構成、高速ビッグバンド・アレンジというのも悪くないアイディアだと思う。
ただ、正直、彼女のコンディションにあっていたかというと、やや疑問が残るところだ。
普段と異なる見せ方による斬新さは、こちらの「次はどうなるだろう」という好奇心や期待感を煽るし、気持ちも高まらせる。だが、肝心のヴォーカルが、完全にバンド・サウンドと一体となって心身ともについていけてたとは思えなかった。
それは、新しいローリン・ヒルのスタイルへの挑戦、脱皮なのかもしれないが。

もう一つ残念だったのは、音響。
横浜BLITZはそんなに悪くないと聞いていたが、この日はハウリング祭。
そこにもやもや反響するヴォーカルがかぶさるもんだから…オリジナルを大幅にアレンジ・チェンジして一聴で原曲が解からないことも手伝って、楽曲を難解なものにしてしまった気がした。

乗るには乗るけれど、途中までなんの曲だか解からない…そんな空気も漂っていた。
本編ラストの「Doo-Wop(That Thing)」でようやく本当の意味での一体感あるコール&レスポンスが出来たような感じを受けたのだった。

とはいえ、あのパワフル、エネルギッシュな躍動感とメッセージ・パワー、言葉や音、その一挙手一投足で何かを訴求するという力、そしてその伝達力は、さすがというものであった。

ロバータ・フラックのカヴァー「やさしく歌って」やボーイズ・タウン・ギャング「君の瞳に恋してる」などはやらなかったが、それでも充分なインパクトを残したステージであったことには違いない。

Lauryn_hillLauryn_hill_01












◇◇◇

<SET LIST>

01 INTRO
02 LOST ONES
03 FINAL HOUR
04 WE AND THEM
05 EX-FACTOR
06 SUPERSTAR
07 LIGHT MY FIRE
08 TO ZION
09 IRON, LION, ZION (Original By Bob Marley)
10 TRENCHTOWN (Original By Bob Marley)
11 ZIMBABUE (Original By Bob Marley)
12 HAMMER (Original By Bob Marley)
13 HOW MANY MICS (Original By The Fugees)
14 ZEALOTS (Original By The Fugees)
15 FU-GEE-LA (Original By The Fugees)
16 READY OR NOT (Original By The Fugees)
17 HEATWAVE
18 DOO-WOP(THAT THING)
≪ENCORE≫
19 EVERYTHING IS EVERYTHING

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コメント一覧

野球狂。
>nadiaさん
http://www3.to/jtt
>nadiaさん
励ましのコメントありがとうございます。(苦笑)
音楽は好きですが、いつの間にやら偏ったジャンルばかり聴く状態になってしまいましたが。あはは。

nadia
私もブログを最近始めたのでわかりますよ。。コミ...
私もブログを最近始めたのでわかりますよ。。コミュニケーション瀕死状態、、笑

音楽が好きなんだなぁって読んでて思いますよ。
これからチェックしていきますね♪♪
私はくだらない日記を書いてますが、、よかったら立ち寄ってください、、
http://blog.livedoor.jp/carmencita/

野球狂。
> nadiaさん
http://www3.to/jtt
> nadiaさん
コメントありがとうございます。このようなコミュニケーション瀕死状態サイトにコメントしていただけるだけでも、感謝カンゲキです。

自分も本来はSPRINGROOVEに行く予定だったんですけど、体調不良により知人にチケットを譲りました。

> 本音を言えばto zionは原曲が聞きたかった
恐らく、「TO ZION」や「EX-FACTOR」などはオリジナル・ヴァージョンで聴きたかったと感じた人が多かったと思いますよ。よーく聴かないと解からないくらいの大胆アレンジでしたよね。

アンコールで「killing me softly」やったんですね。いいなぁ。

なんにしても、貴重なライヴだったと思うので、いい経験したとは思います!
nadia
lauryn hillを検索ここまでやってきました。
lauryn hillを検索ここまでやってきました。
私はspringrooveに行ってきたのですが、案の定こちらも遅刻でkanye氏が先に歌うっていうかたちだったんですけど、、
私も野球拳さんと同じような感想でした。
私はready or notのアレンジが好きでした♪本音を言えばto zionは原曲が聞きたかったけど、、
でも今の彼女が聞けて幸せでしたよ♪
アンコールでkilling me softlyが聞けたときは涙をしましたね。。
と長々とコメントをさせて頂きました。。すいません。
でもすごく共感をして、、読みやすい日記でした。ではでは失礼します。。
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