FC東京が中2日で迎えた相手は、昨年こそ1勝1分けだったが、近年苦手とする鹿島。前節の快勝の勢いをもってJの常勝チームにどう向かっていくかが注目の的だった。FC東京は足首を痛めた森重を大事をとって休ませ、丸山が今季初スタメン。チャン・ヒョンスとCB陣を形成。ベンチには久保、太田、吉本が名を連ねた。
FC東京は前線からプレスをかけ、鹿島は左右にパスを繋ぎながらリズムを作り出す。金崎が上下動を繰り返し、サイドでは細かいパス交換をしながら、東京のブロックを紐解いていくようにFC東京陣内へ侵入し、やや鹿島優勢の時間帯に。すると、29分にレアンドロがセンターラインを越えたあたりからドリブルで仕掛け、ペナルティアーク付近の金崎とワンツーパスを試みる。金崎からレアンドロへのリターンパスはFC東京が後方からスライディングで引っ掛けて防ぐも、そのボールがエリアへ侵入してきた金崎の足元へ渡り、金崎が素早いコントロールシュートを放つと、これがゴール右へ決まる。試合巧者の鹿島が相性のいい東京相手に先制を果たして試合を動かした。
これまでのFC東京だとここでガクッとするところだが、根気よくトライをし続けると、38分にチャン・ヒョンスからのパスを右サイドの高い位置で受けた室屋が西のマークを振り切ると、続く永木も交わしてエリア右へ突破。シュート性のクロスをゴール前のニアサイドに飛び込む永井へ送ると、永井とは合わなかったが、カヴァーに入った植田の身体に当たったボールがそのままゴールイン。鹿島のオウンゴールでFC東京が前半のうちに同点に追いつく。
一方、後半は勢いに乗ったFC東京が試合を優勢に進める。51分、ディエゴ・オリヴェイラのシュートのこぼれ球を再びディエゴ・オリヴェイラがエリアやや外まで駆け込んできた東へ戻して、これを東が右サイドの永井へ渡すとゴール前へ侵入。永井のクロスにフリーになった東が頭で合わせ決定機を迎えたが、ここはクォン・スンテに阻まれる。その4分後、自陣中央から橋本が前線の永井へ縦パスを送ると、相手DFと競り合いながら永井がサイドへ流れてスペースが開いたところへヒールパス。鹿島のDF陣の間に広いスペースが出来ていたところへオーヴァーラップで走り込んできた室屋がそのままエリア内までドリブルで突破して右足を振り抜くと、クォン・スンテの左肩上を突き抜けたシュートがネットに刺さり、FC東京が逆転に成功。
鹿島はFC東京にとって脅威だったレアンドロを下げるなど選手を入れ替えてリズムを作ろうとするも、目立った効果は生まれず。逆に東京が追加点のチャンスを作り出す。自陣右サイドラインで鹿島からボールを奪ったチャン・ヒョンスが高萩とのパス交換を経て中盤まで持ち上がると、左から走り込んだ富樫の足元を抜けて前方右へ走る高萩へスルーパス。これを受けた高萩がエリア中央のディエゴ・オリヴェイラへラストパス。ディエゴ・オリヴェイラがダイレクトに放ったシュートはクォン・スンテに阻まれたが、決定機を作りながら、運動量も衰えることなくプレスをかけ続けて鹿島の反撃を許さない。
終盤は鹿島がゴール前へ攻め込む時間帯となったが、FC東京は粘り強く相手に張り付き、決定機を作らせない守備で対応。アディショナルタイム4分をしっかりと守り抜き、鹿島に逆転勝ちを収めた。
この日の勝因は何といっても根気よく集中力を切らさずに続けたプレッシングと走り続けた運動量だろう。特に東、大森、橋本の中盤は攻守によく顔を出し、フリーランニングも怠らず、鹿島の攻め手に蓋をした。以前はバックパスや横パス、狭い地域でのパス交換に終始した遅効ばかりが目立ったが、それがすっかりと改善され、ワンタッチプレーやワンツーパスを駆使してスペースへ動き出すなど、素早い出足でハードワークを怠らなかったことが、連動性も高めたといえる。これを鹿島相手に展開出来たことは大きい。
とはいえ、一過性で終わってはならない。鹿島は怪我人が多く出ていて苦しい事情もあり、この日も試合開始早々に左SBの山本が左ひざを痛めて西と交代を余儀なくされている。その西のポジションを突き抜けた室屋がFC東京の2点に絡んだのだから、影響は少なくなかっただろう。鹿島は左右にボールを散らしながらリズムを作ろうとするも、中央からの攻撃はレアンドロの単騎ドリブルくらいで、攻撃にいつもの厚みがなかったのも否めない。その不調と思える鹿島に先制を許してしまったところは引き続き反省すべき課題だ。
FC東京は2016年以来のリーグ4連勝で3位に浮上。だが、まだ序盤で下位までの勝ち点差も僅かで、一つの勝敗で一気に順位が変動する状態だ。これからルヴァンカップも含め、ミッドウィークでの試合が組まれる連戦をどう乗り越えていくか、真価はこれから問われるところ。まずは週末のアウェイC大阪戦でこの日のパフォーマンスが継続出来るかに注目したい。
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【明治安田生命J1リーグ 第7節】
2018年04月11日(水)19:03試合開始 味の素スタジアム
入場者数 17,260人
天候 曇 ／ 気温 19.3℃ ／ 湿度 61％
主審 西村雄一 ／ 副審 八木あかね、勝又弘樹 ／ ４審 森川浩次
FC東京 2（1-1 / 1-0）1 鹿 島
≪得点≫
（東）： オウンゴール（39分）、室屋成（55分）
（鹿）： 金崎夢生（29分）
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≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 48 チャン・ヒョンス
DF 05 丸山祐市
DF 25 小川諒也
MF 39 大森晃太郎 → 前田遼一（86分）
MF 18 橋本拳人
MF 08 高萩洋次郎 → 米本拓司（80分）
MF 38 東 慶悟
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 11 永井謙佑 → 富樫敬真（69分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 04 吉本一謙
DF 06 太田宏介
MF 07 米本拓司
FW 15 久保建英
FW 17 富樫敬真
FW 20 前田遼一
≪監督≫
長谷川健太
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【明治安田生命J1リーグ 2018シーズン日程】
第01節 2018/02/24(土)14:00△FC東京 1-1 浦 和（H・味スタ）
第02節 2018/03/03(土)15:00✕FC東京 0-1 仙 台（H・味スタ）
第03節 2018/03/10(土)15:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第04節 2018/03/18(日)15:00〇FC東京 1-0 湘 南（H・味スタ）
第05節 2018/03/31(土)15:00〇FC東京 3-2 Ｇ大阪（H・味スタ）
第06節 2018/04/08(日)14:00〇FC東京 5-2 長 崎（A・トラスタ）
第07節 2018/04/11(水)19:00〇FC東京 2-1 鹿 島（H・味スタ）
第08節 2018/04/14(土)15:00 FC東京 vs Ｃ大阪（A・ヤンマー）
第09節 2018/04/21(土)13:00 FC東京 vs 清 水（A・アイスタ）
第10節 2018/04/25(水)19:00 FC東京 vs 広 島（H・味スタ）
第11節 2018/04/28(土)15:00 FC東京 vs 名古屋（H・味スタ）
第12節 2018/05/02(水)19:00 FC東京 vs 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 2018/05/05(土)14:00 FC東京 vs 川 崎（A・等々力）
第14節 2018/05/13(日)16:00 FC東京 vs 札 幌（H・味スタ）
第15節 2018/05/20(日)15:00 FC東京 vs 鳥 栖（A・ベアスタ）
第16節 2018/07/18(水)19:00 FC東京 vs 柏 （A・三協Ｆ柏）
第17節 2018/07/22(日)19:00 FC東京 vs 横浜FM（H・味スタ）
第18節 2018/07/27(金)19:00 FC東京 vs 長 崎（H・味スタ）
第19節 2018/08/01(水)19:00 FC東京 vs 鹿 島（A・カシマ）
第20節 2018/08/05(日)19:00 FC東京 vs 神 戸（H・味スタ）
第21節 2018/08/10(金)19:00 FC東京 vs Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第22節 2018/08/15(水)19:00 FC東京 vs 柏 （H・味スタ）
第23節 2018/08/19(日)13:00 FC東京 vs 札 幌（A・札幌ド）
第24節 2018/08/26(日)19:00 FC東京 vs 湘 南（A・ＢＭＷス）
第25節 2018/09/01(土)・02(日) FC東京 vs 鳥 栖（H・味スタ）
第26節 2018/09/15(土)・16(日) FC東京 vs 仙 台（A・ユアスタ）
第27節 2018/09/22(土)・23(日) FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第28節 2018/09/29(土)・30(日) FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第29節 2018/10/06(土)・07(日) FC東京 vs 名古屋（A・豊田ス）
第30節 2018/10/20(土)・21(日) FC東京 vs Ｃ大阪（H・味スタ）
第31節 2018/11/03(土)・04(日) FC東京 vs 横浜FM（A・日産ス）
第32節 2018/11/10(土) FC東京 vs 磐 田（H・味スタ）
第33節 2018/11/24(土) FC東京 vs 川 崎（H・味スタ）
第34節 2018/12/01(土) FC東京 vs 浦 和（A・埼 玉）
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