結果からいえば、神戸が勝ったため、FC東京は鳥栖に勝利したとしても、予選突破はならなかった。
だが、それはあくまでも結果であって、まずは何といっても目の前の敵を全力で倒すことに注力する必要があったのだが、勝利するどころか相手に圧倒されての零封敗戦を食らってしまった。
この日は気温も30度。夏のような暑さで確かに条件は厳しかっただろう。とはいえ、それは相手も同じ。むしろ、前節試合がなかった東京にとっては、1週間間隔を開けることが出来ての試合だ。休みはしっかりと取れているはずなのに、鳥栖より運動量もなく、機敏さもない。プレスも甘いから後手を踏んでボール支配も悪い。攻撃を仕掛けられたとしても、ゴール前で失速する前線、エリア内でシュートを選択せず、“勘”のようなインスピレーションのパスを出して相手にブロックされシュートで終われず……といったことの繰り返し。体力もスピリッツも鳥栖を上回ることが出来ずの完敗だ。GKの塩田は何度も決定的なシュートを止めてくれた。それでもその間にフォローが出来ないまま、無様に失点を許してしまった。
河野は力を後半に温存したかったのだろうか。そう勘繰ってしまうほど、反応が鈍い。三田は精力的に動こうとしているが、どこか空回りな感じが否めない。平山は停滞。攻撃も太田宏介に集めてばかりの左一辺倒じゃ、相手も対策はしやすい。パスも足元ばかりでスペースに出さないし、受け手もスペースを見つけて走り込もうとしない。米本が入ってようやくボールを奪取してからの展開が見えかけたが、武藤などは持ち上がって打てそうな場面で打たずにパスを出してチャンスを潰してしまう。失敗を恐れずどんどん積極的にプレーしていくことが若手の一つの良さでもあると思うのだが、ここのところの東京の重いサッカーに引きずられてしまったのか、その勢いを感じることはなかった。
終わってしまったことは仕方がない。これからワールドカップ開催期間の約1ヵ月間、チームとしてどのように立て直すのかを最優先事項として、有意義に自らを厳しく鍛えて過ごしてもらいたい。ナビスコカップの結果は残念ではあったが、ポジティヴに考えれば、後半戦はナビスコカップの日程から解放されるということ。リーグ戦に集中する環境が整ったともいえるのだ。これまで出場した選手はもちろん、まだ満足いく出場を果たしていない選手たちは、ぜひこの期間を活かしてスタメン競争に食い込み、チームに緊張感とタフな精神力をもたらしてもらいたい。
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≪ヤマザキナビスコカップ 予選リーグ 第7節≫
【日時】2014/06/01 15:04
【会場】味の素スタジアム
【観衆】12,600人
【天候】晴、弱風
【気温】30.0度
【湿度】47%
【審判】(主審)家本政明(副審)作本貴典、馬場規
【結果】
FC東京 0(0-1、0-1)2 鳥栖
【得点】
(東):
(栖):安田(44分)、池田(57分)
【FC東京メンバー】
GK 01 塩田仁史
DF 02 徳永悠平
DF 24 カク・ヒジュ → DF 50 松田陸(67分)
DF 29 吉本一謙
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 08 三田啓貴 → MF 07 米本拓司(57分)
MF 38 東慶悟
FW 17 河野広貴
FW 09 エドゥー
FW 13 平山相太 → FW 14 武藤嘉紀(50分)
GK 21 廣永遼太郎
DF 33 椋原健太
MF 22 羽生直剛
FW 09 渡邉千真
監督 マッシモ・フィッカデンティ
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≪2014 ヤマザキナビスコカップ 予選リーグ日程≫
01 03月19日 ○FC東京 3-1 鹿島(H)
02 04月02日 △FC東京 1-1 仙台(A)
03 04月16日 ○FC東京 3-0 神戸(A)
04 05月21日 ×FC東京 2-3 清水(H)
05 05月24日 ×FC東京 1-3 G大阪(A)
06 05月28日 試合なし
07 06月01日 ×FC東京 0-2 鳥栖(H)
【決勝トーナメント】
準々決勝 09月03日/09月07日
準決勝 10月09日/10月12日
決勝 11月08日(埼玉スタジアム2002)
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【Aグループ 順位表】
1位 G大阪 12/6/4/0/2/09/04/+5
2位 神戸 12/6/4/0/2/10/09/+1
3位 鳥栖 9/6/3/0/3/09/08/+1
4位 鹿島 9/6/3/0/3/10/10/+0
5位 清水 9/6/3/0/3/09/09/+0
6位 FC東京 7/6/2/1/3/10/10/+0
7位 仙台 4/6/1/1/4/04/11/-7
※(勝点/試合数/勝/引分/負/得点/失点/得失点差)
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