天皇杯では初戦でJFLの横河武蔵野によもやの敗戦をしたFC東京。リーグ戦はその嫌なムードを払拭すべく、勝点3を奪取したいところ。
それにしても、清水とはよく対戦する。相性、という訳ではないが、ナビスコも準決勝で対戦が残っているし、対戦成績もほぼ互角のイメージ。勝てない相手ではないが、同時に危険な相手でもある。前回の味スタでのホームゲームは9人の清水に敗れている。アウェイではあるが、上位進出のためにもしっかり結果を残したいところだ。
その試合だが、前半は清水、後半はFC東京の時間帯というゲームとなった。FC東京は失点を恐れてなのか、大事に行き過ぎたのか、身体が動かずに、判断、反応ともに鈍く、清水のプレッシャーを受ける時間が続いた。ルーカスはおろか、梶山へもなかなかボールが収まらず、攻撃は右からの石川の攻め上がりくらい。清水の攻撃を中盤から最終ラインでなんとか押し戻していたが、40分過ぎに米本が前へフィードしようとしたところ、後ろから大前に突っかけられ転倒、そのボールを大前が奪ってシュートを打つと、DFの加賀に当たってゴールへ吸い込まれた。清水はこれ以外にも、石毛、八反田らの若い力が躍動。フレッシュさにものを言わせて攻め込んできたが、最小失点差で前半を終えた。
後半、FC東京はそれまで停滞していた田邉からヴチチェヴィッチへ交代。ヴチチェヴィッチは積極的にドリブルをしかけてシュートを放ったが、この前への積極性が前半とは好対照な試合内容を生んだ。梶山やルーカスにもボールが収まるようになり、清水の運動量も若干鈍ってスペースが生まれてくると、前線が活性化。その流れのなかで、59分、ヴチチェヴィッチが高橋へのショートコーナーを選択すると、そのリターンを受けたヴィチチェヴィッチが左エリアの鋭角なところから低い弾道のシュート。これが逆サイドネットへ決まって同点となった。
これで勢いを増した東京は、羽生をピッチに入れるとさらに攻撃的になるが、決定的なところまではいかず。終盤ややその勢いが落ち着くも主導権を握る東京が、最後のピースとして渡邉を投入。その渡邉はエリア内に突入してのシュートが相手DFの必死のブロックにあい、さらに、ヴィチチェヴィッチのクロスをヘディングもゴール正面で抑えられて、不発。清水としては前半で決めておきたかった、東京としては終盤の流れを活かしたかった、そんな試合となった。
結果としては満足出来るものではないが、双方が課題と良さを示した試合といえる。東京の課題はやはり、前半で露呈したように、瞬時の判断や反応が遅いこと。足元へのパスばかりで、スペースを使った動きが全く出来なかったことに尽きる。ミスを恐がり過ぎてミスを生んでは何の意味もない。少ないタッチ数で素早くボールを回して、自分たちの展開を序盤から作っていけるよう、修正して次節に臨みたい。
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<J1 第25節>
2012/09/15 アウトソーシングスタジアム日本平
清水 1(1-0、0-1)1 FC東京
【得点】
(清):大前(41分)
(東):ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(59分)
観衆:13,714人
天候:晴、無風
気温:27.2度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一
DF 16 丸山祐市
MF 04 高橋秀人
MF 07 米本拓司
MF 27 田邉草民 → MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(51分)
MF 10 梶山陽平 → FW 11 渡邉千真(84分)
MF 18 石川直宏 → MF 22 羽生直剛(76分)
FW 49 ルーカス
GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
MF 37 橋本拳人
FW 23 林容平
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇
ヴチチェヴィッチ、J初ゴール。
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≪後半戦≫
07/14 ×FC東京 0-1 鳥栖(A)
07/28 ×FC東京 0-2 新潟(H)
08/04 △FC東京 2-2 浦和(A)
08/11 △FC東京 1-1 柏 (A)
08/18 ×FC東京 0-1 大宮(H)
08/25 ○FC東京 1-0 広島(A)
09/01 ○FC東京 3-1 横浜FM(H)
09/15 △FC東京 1-1 清水(A)
≪今後の日程≫
09/22 FC東京×川崎(H)
09/29 FC東京×磐田(H)
10/06 FC東京×鹿島(A)
10/20 FC東京×C大阪(A)
10/27 FC東京×札幌(H)
11/07 FC東京×名古屋(A)
11/17 FC東京×神戸(H)
11/24 FC東京×G大阪(A)
12/01 FC東京×仙台(H)
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Jリーグは残り10試合を切りました。
ここからが正念場。
FC東京としては、負けないことはもちろん、連勝が欲しいところ。
次のホーム2連戦は勝利必須だ。
そして次節は……
第20回多摩川クラシコ!
勝利あるのみ。